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第59話 診察

年齢設定が、幼い方を載せていました。

すみません。

四季は、青年17歳くらいです。

慕容家は、青蘭谷など比べ物にならないほど、

立派で歴史のある門派だ。


弟子の数も500人はいるだろう。


寒舟は、慕容家の大門を見上げた。


古い木の門だ。


しかし、丁寧に磨きあげられ、歴史の重みを感じさせる。


道は、除雪してあり、弟子達が毎朝、掃除をしているのが伺い知れる。


「寒舟どの、此方です。」


仁勇に案内される。


広い敷地に、数多くの建物。


宝物殿に、薬房、厨房に、弟子舎。


多くの人が行き交い、活気がある。


慕容家は、随分繁栄しているようだ。


だが、次男の四季が住むという、本宮別館だけは、様子が違った。


空気が重い。


使用人達は見かける。


だが、物音一つしない。


異様な緊張感に包まれている………



仁勇は、四季の部屋の扉を叩いた。


「寒舟様をお連れしました。」


「入れ」


まだ、幼さを残す声が答える。


寒舟は、部家に一歩足を踏み入れ驚いた。


寒い。


冬だというのに、火盆かぼん)に、火が入れられていない。


部屋の寝台の上に座る青年は、深い隈を目元につくり、春服のような薄着をしていた。


顔色は、青白い。


しかし、なぜか頬と唇には、赤みが差している。


違和感。


こんな奇妙な顔色があるのか?


化粧でもしているようだ。


「青蘭谷の門主。柳寒舟と申します。」


広袖を払い、拱手をする。


「私は、慕容四季と申します。立ち上がれず、申し訳ありません。お手数をお掛けします。」


四季は、寝台の上で拱手をした。


「構いません。早速、診察をさせてください。」


「お願いします。」


寒舟は、四季に近づき、脈を取った。


しばらく、目を閉じて確認するが、異常はない。


続いて、瞳孔や関節、心音なども確認する。


どれも正常だ。


……分からない。


「四季様。この部屋は、寒くないのですか?」


「むしろ、暑いくらいです。」


明らかに、異常はある。


「夢遊病とお聞きしました。どのような症状ですか?」


「……夜眠ると、自分ではないように、身体が動くらしいのです。仁勇でも押さえきれない力で、暴れたり、何処かに行こうと家を出てしまったり。」


「兄ぎみも、おなじ症状だったんですか?」


「………兄も、同じでした。兄は、私より体格も武功も優れていたので、誰にも止められず、いなくなってしまったんです。」


「………そうですか。」


ただの、夢遊病ではない。


それは明らかだ。


遺伝的な精神の病。


もしくは、何かほかの原因があるのだろうか?


「四季様、病のせいで、眠れていないのではす、ありませんか?」


「はい。恐怖で眠れていません。」


そうだろうな。


まして、兄が行方不明だ。


兄の症状も間近で見ていたはずだからな。


「今夜は、安眠出来る香を焚きます。私が控えていますから、一度安心して眠って下さい。」


「………大丈夫でしょうか?」


「夢遊病の症状を実際に見たいのです。それに、ご安心ください。多少暴れられても、抑えるくらいの腕はありますよ。いざという時は、点穴で動けなく出来ますし。ほら、こんな風に…」


トントン


傍に控えていた、仁勇に点穴を施す。


「寒舟様なにを!!」


仁勇が、焦って声をだす。


もがいても、動けず直立したまま、固まっている。


「仁勇様でも、動けない程です。ご安心下さい。」


四季は、久しぶりに笑った。


「ははは!それなら、安心です。寒舟様を信じましょう。今夜は、ゆっくり寝させてもらいます。」


トントン


仁勇の、点穴を解き、寒舟はにこりと笑った。


とても優しい微笑みだ。


「私も、全力を尽くして、病を治しましょう。」



四季の部家を、仁勇と寒舟は一緒に退室した。


これから、寒舟が滞在する部屋に案内してくれるという。


「あの、寒舟様。いきなり点穴するのは、ひどくありませんか?」


じとっとした目で、仁勇は寒舟を見つめた。


「まぁ、まぁ。四季様を安心させるためですよ。」


はは、と笑う寒舟を、見て仁勇は呆然とした。


この人は、真面目なだけの医者ではない!















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