表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薬仙の帰還  作者: 夏目葵
2/7

第二話 武林盟主の命令

案内された、盟主の執務室。

昔と変わらず、高い天井。

豪華な装飾。


そして、王座に座る男。


臨修言(りんしゅうげん)


武林盟主その人だ。


昔と何一つ変わっていない。


その厳かな表情も、黒々とした強い瞳も。


「柳長老、傷の具合はどうだ? 」


「問題ありません。」


沈清月しんせいげつは答えた。


柳寒舟らしく、感情を見せないように。


今は、この状況を誰かに知らせるべきではない。


盟主は、満足そうに頷いた。


「ならばよい。」


沈清月は、内心ため息をついた。


どうやら、不審には思われていないようだ。


「一つ任務がある。」


「どのような、任務でしょうか?」


裴玄夜はいげんやを調べろ。」


沈清月の指先が、微かに震えた。


裴玄夜。


沈清月の二番目の弟子。


優しく、明るい青年だった。


そんな彼を調べろ?


「最近、魔教の動きが活発になっている。

教主が、裴玄夜に変わってから、各地で正派との衝突が起こっているようだ。」


・・・・?


「裴玄夜が、魔教主?」

 

思わず声が漏れた。


臨修言の目が一瞬細くなる。


「何を言っているんだ。忘れたのか?」



そんな、はずあるわけない。


だが、今は臨修言に話を合わせた方がよさそうだ。


「私は彼の兄弟子です。顔を知られています。」



「人皮面具を用意した。柳長老の師尊であれば、易容の達人だったのだがな。」


「申し訳ございません。任務を、お受けいたします。」



柳寒舟が、生前の私と同じ立場であれば、この命令は、断れない。


どういった、経緯で私を殺した柳寒舟は、私の

後継者になったのだろうか。


盟主は、公明正大、間違ったことは大嫌いな人物で、前世の私は、多大な恩があった。


「出発は、3日後だ。」


「かしこまりました。」


・・・恩があるとは言え、それは前世の話し。


柳寒舟の身体に、私の霊識が宿ってしまったのは驚いた。


でも、この状態が、ずっと続くとは限らない。


日本での人生を送ったせいか、柳寒舟に恨みはない。


いつか彼の魂が戻ってきたら、身体を返そう。


それまでの、つかの間。


懐かしい世界で過ごすのも、悪くないかもしれない。


任務は、適当にこなし、昔やれなかった事をやってやろう。


私は、そう開き直った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ