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神様(仮)達の日常  作者: 葛葉 シナチク
6月
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無から有は生み出せない



「スマンなぁ。手伝ってもろて」

「いえ、それが部活の内容だから気にしないで欲しいわ」


今日はジメジメしていたが、晴れていた。

そんな晴れた日を狙ってやる事、それは…。


「ほら、デッキブラシや」


プール掃除である。


今俺達は1年間使われていないプールの外にいる。

苔が生えていたり、ゴミがあったりしてかなり汚い。


そんなプールの掃除を副会長の造神先輩含む生徒会とやるのだ。

なんでも、「人手は多い方が良い」らしい。

そこで、俺達に声がかかったのだ。


「ひいふうみい…あ、ワイの分が足らへんわ」


デッキブラシを俺達に渡しながら呟く造神先輩。

なら、俺の等価交換で…。って、あれ?

いつの間にか造神先輩の手にはデッキブラシが収まっている。


「…あら?」


真照が目をぱちくりしている。

まるでマジックを見たかのようだ。


ひいふうみい…数えてみる。

うん、1つ多いな。


「ええと…造神先輩、デッキブラシが増えてるように見えるわよ…?」

「ぬにゃっ!?ききききき、気の所為やで!」


目は右上を見て、汗はダラダラと垂らしている。

分かりやすい程に動揺している。


大分前にこころから教えて貰ったんだ。

嘘をつく時は意図せず右上を見る、とな。


態度からも言葉からも何か隠しているのはバレバレである。


「あー…神力持ちねー。何々?『ありとあらゆるモノを造る者』…物質創造ね」

「ふなっ、何でバレるんや!?」


顔を真っ青にして後ろに数歩下がる。

だが、ふと何かに気がついたようにいつも通り顔が明るくなった。


「もしかして…日神も神力持ちなんか?鑑定とかか?」

「当たりよ。この部活の人全員神力持ちなのよ!」

「へええ!全員!ただでさえ少ないのにそんなに集まってるんか!凄いなぁ!」


感心したように造神先輩は驚く。

と言うか神力持ちって少ないのか。

俺の回りに沢山いるから少ないなんて知らなかったな。


「せや。ワイは神力持ちや。日神が言いはったように物を作る事が出来るんやで。宮もその能力で作ったんや」

「宮も?」


宮、と言う言葉にこころが反応する。

本物の鳥じゃないんだな。だから鳴き方が変なのか?


「ワイは『ある程度の構造』、『それがどの様に使われるのか』、『その物の名前』が分かれば作る事が出来るんやで」

「永久機関?」


こころの言った永久機関とは、一度動かすとその後何もしない限り運動し続ける夢の装置の事だ。

実現は不可能である。


この場合、『何の代償も無しに物が作れるのか』と言う事である。

もしそうだったら羨ましい事だ。

俺の神力の上位互換かもしれない。


「んー、違うで。何も無い所から生み出すのは無理や」


でしょうね。

もしそうだったらチートだよ。


「作ると疲れるんや。よくRPGとかでMPってあるやろ?あんな感じや。大きい物とか複雑な物を作ったりすると沢山、小さい物とか簡単な物とかなら少し減るんやで。因みに宮はワイの限界ギリギリを試したら出来たんや」


なるほど分かりやすい。


「そう。分かった。」


こころが宮を不思議そうな目でみる。

普通の鳥に見えるらしい。


「あの、会長は居ないんですか?」


さっきからキョロキョロしていた真照が造神先輩に聞く。


「ん、ああ会長は今この場にはおらんで。確か風邪っちゅーてたな」

「そうですか…」


真照が肩を落とす。

もうすぐで部活に出来そうだから、一度会っておきたいんだろう。


プール掃除は何事もなく終わった。

暫くしたらプールが始まるだろう。

楽しみだ。

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