9.5 田舎道
小休止の回 メインのストーリーとは離れ、少し時間軸は戻って行脚への途中経過
9.5 買い出し
道は片側2車線で、広くは無かった。
道幅のはし、舗装がなくなって先、2mほどが土で覆われている。
白い線の外側を広く感じながら走っているため
狭い道と言う気はしなかった。
車はゆっくりと道を上り、ゆっくりと降りる。
何百メートルか先を見ていると
カーブしたり、上がったり、小さい丘を切り出したその間を抜けて行く。
車がこれから行き着く未来が見える。
路肩に牛の道路標識が立っていて、その上にクロスした2つの赤い旗がくっつけてある。
「牛に注意なの?」
聞こえたはずだが返事に少し間があいた。
「オープンレンジね」
「オープンレンジ?」
「ええ、放牧してるでしょ」
ああ、こんなところで家電の話でもないな。
OVENじゃなく、OPENね。
さっきから、右にも左にも点々と牛がいる。
ほとんどの牛たちがずっと向こうで、ぐるっと見渡す限り、パッとみて20頭くらいが好きに佇んでいる。
「この辺は、放牧地の間を道路が横切っているの」
「だから、彼らは好きにしてるわ」
「牛小屋が左で、水場が道路の右。そんなところいくらでもあるわ」
「ああ、で?」
彼女はすぐには続けなかった。
「喉が渇いたら、道を渡って水場に行くの」
「あの牛たち、どれぐらいあると思ってる?」
「ん?」
「1600はあるわね」
「え」
「700Kg超えよ」
「ああ……」
「そんな子たちとぶつかったらどうなる?」
車の700Kgだと軽四の軽いモノくらいだけど、牛だと質量が密だ。
「そう、このスピードで走っていたら、よくて軽傷、手足の複雑骨折、胸部圧迫、色々ね」
「牛って丈夫なんだ」
「バカね。載ってる人間がよ」
「そして、車は走れなくなる」
見通しが良くて、何秒かよそ見をしていても
危ないことなんて起きゃしないような道でも
そう言うことは起きるんだ……
「だからね。気をつけなきゃいけないのは、ゆるい上りを登り切った先」
「頂点に立ってみないとその先の下った道は、登ってしまうまで見えないでしょ」
「あ、そっか」
「そこに60マイルで突っ込んで行ったら、止まれる?」
「登り切って、下りが見えたところに牛が居たら」
「このあたりで、危ないのは、牛と対向車よ」
「車が少ないのも、色々あんだねぇ」
ん、やっぱり運転は任せておこう。
ある程度書き溜めたものをアップしているのですけれど、無性に書き足したくなって、本筋とは外れた描写をひとくさり。蛇足で付け足しで余計ですが、まぁ雰囲気ね




