第21話 高田夜戦
それは突然だった
「敵襲!!敵襲!!!」
その報告の後、前方の宍戸勢が崩れ出す
「何事だ!」
宇喜多能家は伝令に確認する
「高田城より尼子経久が打って出てまいりました!前方の宍戸・三村勢は混乱に陥っています!」
「なんと!」
夜襲とは!4万の軍勢が何をしていた!
そう思いながらも宇喜多能家は思う
「なぜ今…夜襲を?兵糧が苦しいから?ここ数日攻勢してないゆえ戦況悪化でもない…なぜ」
前方の尼子経久の軍は三村や宍戸勢だけだ何とかなりそうな気配でもあった
そんな無謀な夜襲を尼子経久が?気でも狂ったか?
そう思っていた時に思いもよらぬ報が届く
「申し上げます!後方の赤松・波多野勢も夜襲を受けたとのこと!初撃でほぼ潰走したとのこと!」
「なんだと!?」
後ろにも夜襲?高田城から既に出ていた?
いやさすがにそれは無い…しかもほぼ無傷の赤松・波多野勢が直ぐに潰走する程の夜襲を2000の部隊を更に割いてできるわけが無い
そう思っていると最悪のシナリオが能家をよぎる
「まさか…既に尼子本隊に背後をまわられていたのか!?」
そのまさかだった
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「毛利家の相合元綱ここにあり!浦上村宗どこだ!」
「尼子国久だ!かかって来やがれ」
「毛利や尼子に負けるな!山名の維持を見せろ!皆の者!この誠通につづけ!」
尼子軍は立原ら3000を羽衣石に残すとできるだけバレないように静かに浦上軍の背後に回っていた
そして功を競い奮戦する諸将をみて政久は思う
「この一戦は歴史を変える…」
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浦上村宗は混乱していた
部隊を整えていた能家に助け出されると撤退を開始した
「なぜだ…奴らはなぜ同じ時に夜襲が出来たのだ!?我が軍は何をしていた」
厭戦気分があったとはいえ高田城と尼子本隊が連絡をとった様子はなかった
むしろそれはかなり難しい
だが阿吽の呼吸で城の内と外から夜襲を受けたのは紛れもない事実であり浦上村宗は納得できなかった
そんな村宗に宇喜多能家はこう告げる
「恐らく…月かと」
「なにっ!月だと?」
そう告げると能家は月を指す
「今宵は満月です。恐らく何らかの方法で満月になる時を分かっており満月の時に同時に夜襲を仕掛けたのではないかと…経久は夜な夜な外に出て櫓から月を見ておりましたし」
この時代、天文学といった事は発展しておらず、周期的に満月になることを知ってる人などほとんどいなかった
そう言われると村宗は
「月をも操るというのか…政久は…」
背筋が凍るほど恐怖を感じ逃げていく村宗であった
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「父上!」
連合軍が撤退すると尼子経久と合流を果たした
「よくやった政久!」
「いえ、父上こそよく持ち堪えてくれました」
「まぁ話はあとじゃ。今は勝どきじゃ政久」
「はい!元綱、勝どきをあげよ!」
「はっ!皆の者!勝どきをあげよ!」
「エイエイオー!」
こうして反尼子連合軍との戦いは数の不利を覆した尼子軍の大勝に終わった
この戦は後に「高田夜戦」と呼ばれ尼子政久の名を夜にとどろかせるのであった
どう考えても河越夜戦です
本当にありがとうございました




