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異世界転移をした彼女は異世界の常識を変えようと試みるが、勇者がくそ過ぎて困りました  作者: 折原さゆみ
第二章 異世界転移をした彼女は女性の意識改革(服装改革)を行うことにした
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38女装させるのが趣味の変態がいるみたいです

「これはこれは、面白そうな遊びをしていたものだな」


「どれどれ、ほう、人間とは本当に面白くて飽きんな」


 作業服を着た女性が生徒会室の中を覗いた感想を述べると、マリアに似た美少女も生徒会室を覗き込み、彼女に同意する。



「いったい、お二人は何を言って」


 二人の女性の言葉にソフィアも気になって覗こうとするが。


「このあまあ!」


「い、いた」


 ソフィアは部屋を覗く前に、ジェームズに髪を引っ張られ、廊下に引き戻されてしまった。さらに、ウィリアムにも髪を引っ張られ、生徒会室から遠ざけられる。



「よ、よくも神聖な生徒会室を覗き見てくれたな!」


 ジェームズもウィリアムも、怒りをあらわに三人を睨みつける。そんな二人の様子を気に留めることなく、二人の女性は今後の行動をソフィアに尋ねる。


「して、ソフィア。お主はどうしたい?」


「ソフィアのしたいようにすればいい。我たちはお前の言う通りにしようぞ」



 引っ張られた拍子に乱れた髪を整えながら、ソフィアはどうしようかと思案する。二人の女性はソフィアの味方をしてくれるようだ。ソフィアの言葉を今か今かと待ち構えている。


「そうですねえ。とりあえず、生徒会室の中を全校生徒に公表するというのはどうでしょう!」


 中の様子を見ることができなかったソフィアも、二人の様子から生徒会室がやばい状況であることは理解した。本物のマリアが、生徒会室に呼ばれた時のあの青ざめた表情を思い出すと、げんなりする。本物のマリアの表情と二人の面白そうな表情、生徒会二人の慌てた様子を鑑みると、自然と言葉が口に出た。


「おい、人の話を」


「それから……」


 ウィリアムの言葉を遮り、ソフィアはさらにもう一つの願いを口にする。二人を自分の近くに招いて、こっそりと二人の耳もとでささやく。ささやかれた内容に二人は苦笑する。


「ソフィア、お主、そのお願いを聞いてもいいのだが、一つ聞いてもいいか?」


 マリアに似た美少女が遠慮がちにソフィアに質問をする。




「お主は、男性に女装させるのが趣味なのか?」


「……。えっ?」


 美少女の問いかけの意味に、ソフィアは一瞬、思考が停止した。そして、たっぷり一分半後、言葉の意味を理解したソフィアは、大声で叫んでしまった。


「そんなわけないでしょうううううううう!」


 あまりの大声に何事かと廊下に人が集まってきそうだったが、幸いにも、生徒会室は他の教室からは離れていたため、ソフィアの大声で人が集まってくることはなかった。



「まったく、だんだんとカナデに似てきたな。先が思いやられるわ」


「まあまあ、そこがいいのかもしれんぞ。退屈しなくて済みそうだ」


『さっさとソフィアの願いをかなえますか』


 突然、その場が白い光に包まれる。あまりのまぶしさに目をつむった男性二人とソフィア。次に目を開けたときに見た光景に、ソフィアはまたもや大声を出してしまった。



「あはははははははは!何ですかその格好は?」


「お、俺はなんという格好を!」


「これは一体」



『ソフィアはやはり、男性を女装させて、その姿を面白がるのが趣味なのだな』


『それは趣味というのだろうか』


 にゃーにゃー。


 慌てふためくウィリアムとジェームズは、高等部の男子生徒の制服ではなく、高等部の女子生徒が着る制服を身につけていた。その格好にソフィアが大爆笑していた。ソフィアのそばには、二匹の猫が近寄ってきた。美少女と作業服の女性はいなくなっていた。


 ウィリアムもジェームズも、イケメンの部類には入っていたが、どちらも男性的魅力にあふれていたため、高等部の女生徒の制服は壊滅的に似合っていなかった。女性と男性の骨格の違いから、二人の身を包む制服ははち切れそうになっていた。


 ウィリアムは金髪に碧眼で、高等部の男子生徒の制服をだらしなく着こなし、服の隙間から見える肌から色気が出ていた。しかし今の恰好ではその色気もどこかに消え失せ、似合わなさだけが浮き彫りとなっていた。


 女性にはない筋肉により、制服のスカートの下は、がっしりとした足が丸見えになっている。男子生徒とは言え、異世界仕様なのか、毛は生えていないことだけが不幸中の幸いだといえるだろう。


 ジェームズも同様で、銀髪に紫の瞳で、銀縁メガネをかけた知的な印象を与えていたが、今はただの変態にしか見えなかった。彼もやはり、スカートの下から、たくましい足が覗いていた。



「ホワイトにブラック、私たちの様子を見に来てくれて助かりました。そして、彼らの処遇に感謝します。それで、生徒会室の中の公表ですけど」


 ひとしきり笑って落ち着きを取り戻したソフィアが、二匹の猫に最初の願いをどうやって叶えてくれるのか尋ねる。


『そうだな。ソフィアがどのような方法で皆に周知させるのかによるが、どうするのだ?古典的に生徒会室の中をカメラに収めて、その写真を広めるのなら、われたちの力は必要ないだろう?』


 女神の言葉に、その通りだとソフィアは納得するが、それではインパクトに欠けてしまう。ありきたりな暴露方法では、彼らに対しての制裁は甘すぎる。


『こういうのはどうだ。生徒会室の状況を彼ら自身で説明してもらうのは?ちょうどソフィアが着せているその制服を着たまま、ありのまま、隠すことなく生徒会室の内部、生徒会での秘密裏に行われていたことを暴露してもらうのはどうだろうか?』


「それは面白そうなアイデアですね。女神様、さっそく実行していただけないでしょうか?」


『いや、言ってみただけだ。どこの世界に、男性が女装した姿を見たい奴がおるのだ』


『見たい奴なら、目の前にいるだろう?』



 女神のアイデアに目を輝かせるソフィアに、女神も悪魔も呆れた顔をしていたが、ソフィアは気づくことなく、女神たちに願いを叶えてくれるように頼みこむ。


「善は急げという言葉があります。さっさと済ませてしまいましょう!」




「あ、あの、生徒会室の前で何をしているのでしょうか?」


 ソフィアの高らかな宣言に水を差すものがいた。か弱い女性の声がした方に視線を向けると、生徒会室から二人の美少女が顔を出していた。そのうちの一人がソフィアに声をかけていた。


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