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魔法少女ルミナス  作者: けろ
第1章 魔法少女と悪の組織

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9/15

掌返し

「魔法少女ルミナス、敗北」の報が世界を駆け巡ったその瞬間、俺たちの真の作戦が始まった。

魔法少女を捕縛してからの、俺たちの行動は迅速だった。

ルミナスという絶対的な暴力を失い、恐慌状態に陥った政府の中枢機関へ、鍛え上げられた我が組織の精鋭たちが一斉に突入。

あらかじめ調査し尽くしていたルートを通り、瞬く間に政府機関を制圧した。

同時に、ルミナスを作り出し、その暴虐のデータを集め続けていた科学者たちも一人残らず捕らえた。

中には機密データを消去しようとしたり、隠し持った武器で抵抗を試みたりする者もいたが、俺たちは一切の慈悲を与えず、その場で処刑した。

彼らがこれまで見過ごし、助長させてきた『正義の虐殺』の罪に比べれば、あまりにも軽い報いだ。

そして、ルミナスの捕縛から数日後。

俺は制圧した国会議事堂の会見場に立ち、全世界のカメラを見据えて告げた。

「本日をもって、腐敗した旧政府は解体された。私は新しい政府のトップに就任し、これよりこの国の新たな舵取りを行うことを宣言する」

俺たち『悪の組織』が、文字通りこの国を征服した瞬間だった。

権力を掌握した俺が真っ先に着手したのは、徹底的な民生安定の政策だ。

ルミナスによって破壊され、旧政府から見捨てられていた街の復興作業へ、組織の潤沢な資金と人員を惜しみなく投入。さらに、ルミナスの天文学的な維持費・製造費を賄うために国民へ課されていた、不条理なまでの重税を即座に撤廃した。

すると、奇妙な現象が起き始めた。

昨日まで俺たちを「世界を脅かす邪悪」と書き立てていたマスコミの連中が、今度は一転して、俺たちを『悪の魔法少女を倒した真の正義のヒーロー』と呼び始めたのだ。連日のワイドショーでは、俺が孤児たちを救ってきた過去や、復興支援の迅速さが「これぞ求めていた指導者像」と絶賛されている。

「……掌返しとは、まさにこのことだな」

オフィスに置かれたテレビの画面を消し、俺は自嘲気味に呟いた。

大衆の『正義』など、その程度のものだ。メディアが流す映像を鵜呑みにし、その時々に都合の良い「ヒーロー」を祭り上げるだけの傍観者たち。

だが、それでもいい。彼らが掌を返そうが、世界が俺たちをどう呼ぼうが、俺たちのやるべきことは変わらない。

この国を、今度こそ誰もが怯えずに暮らせる場所へと作り変えるだけだ。

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