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魔法少女ルミナス  作者: けろ
第1章 魔法少女と悪の組織

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高次元電磁砲

「お前らは子供たちを連れて避難しろ! 急げ!」

鼓膜を突き破らんばかりのアラームの中で、俺は喉が裂けるほどの声を張り上げた。

引き取った孤児たちを怯えさせまいと、若い構成員たちが必死に子供たちの肩を抱き寄せ、奥の防空シェルターへと誘導していく。

「ボ、ボスはどうするんですか!?」

「こいつは俺がここで食い止める。時間稼ぎくらいは……!」

——そう、言いかけた、その刹那だった。

言葉の後半は、鼓膜を灼く轟音にかき消された。

視界が真っ白に染まる。ルミナスの指先から放たれた『高次元電磁砲ハイパー・レールガン』が、アジトの堅牢な隔壁ごと空間を撃ち抜いたのだ。

改造された俺の肉体と、展開した電磁シールドが、かろうじて俺自身の直撃を防ぐ。だが、凄まじい衝撃波が全身の骨を軋ませた。

煙が引いた瞬間、俺の目は、さっきまで言葉を交わしていた部下のいた場所を捉えた。

そこにはもう、誰もいない。

半径数メートルが、一瞬にして完全な消し炭と化していた。さっきまで生きていた人間が、形すら残さず、ただの黒い灰の塊に変わっている。

ルミナスは、その灰を「邪魔ね」とばかりに退屈そうにつま先で蹴り飛ばし、こちらへ歩み寄ってきた。

「あーあ、だるーい! これ撃つと、再充電に丸1日かかるのにさー! ほんと、一発で死んでくれない雑魚って、コスパ悪くて嫌い」

頬を膨らませて愚痴をこぼす姿は、まるでお気に入りのおもちゃを汚された子供のそれだ。

だが、その瞳に宿る冷徹な殺意を、俺の見識データは見逃さない。

「……っ!」

次の瞬間、ルミナスの姿が視界から消えた。

いや、速すぎる。

「まずは、その生意気な顔から潰してあげる!」

一気に距離を詰めたルミナスの拳が、空気を爆裂させて俺の顔面に迫る。

『魔法少女』というメルヘンな肩書きのくせに、奴は国の最高科学が結集した白兵戦のバケモノだ。その徒手空拳には一切の隙がない。

ドガッ!!!

交差させた両腕で辛うじて受け止める。だが、改造を施した俺の骨が悲鳴を上げ、足元のコンクリートが蜘蛛の巣状に爆砕した。

「あはは! 止めた! すごーい、おじさん結構硬いんだね!」

間髪入れずに放たれる、回し蹴り、正拳突き、容赦のない打撃の嵐。

研究し尽くしたはずの彼女のモーション。頭では分かっている。軌道は見えている。

しかし、圧倒的な質量と速度を前に、俺はただ耐えることしかできない。

防戦一方。

防壁を固める俺の腕の隙間から、大人の女の艶然とした笑みと、無邪気な子供の残酷さを湛えたルミナスの瞳が、楽しげに俺を見つめていた。

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