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魔法少女ルミナス  作者: けろ
第1章 魔法少女と悪の組織

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2/15

破壊された街

「ルミナス、本日も激戦の末に悪を撃退! 崩壊した市街地の復興支援へ」

ニュースのテロップは、今日も能天気な文字を踊らせている。

画面の向こうでは、破壊された街並みをバックに、ルミナスが「皆さん、ご無事ですか?」と健気に涙を浮かべていた。


白々しい。反吐が出る。


この10年間の戦いで、街の至るところから絶えず火の手が上がり、何の関係もない大勢の人々が巻き込まれて命を落とした。

ルミナスにとっては、街の崩壊も、巻き込まれる民間人の命も、己の『正義の戦い』を引き立てるための舞台装置に過ぎないのだ。

「……ボス、本日保護した子供たちの名簿です」

部下から差し出されたタブレットに目を落とす。

今日、戦場となった区域から救出された孤児たちの名前が並んでいた。

俺はこの5年間、ルミナスによって親を奪われた子供たちを、可能な限り組織で引き取ってきた。かつて、両親を惨殺されて拠点の血の海に立ち尽くしていた、あの日の俺自身を重ね合わせるように。

今日も、街のあちこちで凄惨な光景を見た。

倒壊した家屋やビルの側で、冷たくなっていく親の亡骸にすがりつき、声を枯らして咽び泣く子供たち。その小さな手を引いてここに連れてくるたび、胸の奥の炎がパチパチと音を立てて燃え盛る。

それなのに。

「やっぱりルミナスちゃんは僕たちのヒーローだ!」

「悪の組織さえいなくなれば、こんな被害もなくなるのに!」

ネットのタイムラインには、無責任な賞賛と、俺たちへの呪詛の言葉が溢れかえっている。

戦いを安全なモニターの向こうからしか見ていない傍観者たち(マジョリティ)にとっては、どれだけ街が壊れようが、ルミナスが『絶対の正義』であり、我々は『排除されるべき悪』なのだ。その歪んだ図式は、どれだけの血が流れようとも決して変わりはしない。

「……泣くのは終わりだ」

俺は名簿を閉じ、静かに、だが組織の全員に響く声で言った。

「彼らに、世界がどれほど狂っているかを教える必要はない。ただ、ここが彼らの家だ。そして、俺たちがその理不尽を叩き潰す盾となる」

向けられる憎悪がどれほど深くとも、この組織は俺の家族そのものだ。それだけは、あいつに奪わせない。

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