7話 気になる事、おかしい事2
『』内はウィンドウ表示です。
Side:やらか神(イセ命名)
イセに対してやらかしまくってるアホ神
一応偉い方の神
名前おかしい事になってる!?
やだって言った、書いたよね僕!?
どうしてこうなった!?
ちくしょ〜。やらかしたのは事実だけど、やらか神はやだ!
絶対改名させてやる!
とにかく、イセ君に色々駆け足気味に説明しよう。
時間かけ過ぎたから、手短に。
ダンジョンマスタースキルにヘルプ機能付けてるしいいよね。
・転生させた際、魂の保護を優先した結果、本来のステータスが大幅に低下。感覚も人族並みになっている為、他の獣人族と違和感を感じるだろう。
・僕らがストアラルにしっかりと干渉する為、DPを魔力にして放出してほしい。
・今のストアラルでは、魔力濃度が低く影響が出ている土地があり、ある程度安定しているこの土地でしか、僕らが観る事が出来ない。
・観測する場所を増やす以外にも、生物が生きられない土地が増えるのはまずい。魔力は僕らの方で良い感じに拡散してくから、色々うまい具合やって欲しい。
・DPはダンジョンとした空間に生物が一定時間生存している場合、もしくは生物が死亡した際に獲得出来る。
・転生させた際、アイテムボックスの中身を全て例外なく複製しておいた。全部性能を同じ様にね。使うかはご自由に。
・DPを使って通販的な事も出来る様にした。ただし本来より多少は高めにしてある。
・【不老】だからと何百年もかけない様に。(重要)
こんなとこかな。
また後から増やすかもしれないけど。
「はぁ〜・・・」
イセ君はアイテムボックス内の全てを複製した。そう言った後すぐさま確認。
ほっと息を吐いた後、アイテムボックスから木製テーブルと木製スツールを取り出し、布製の折りたたみの屋根を付け、魔動ケトルでお湯を沸かし、コーヒー豆をミルで挽いて、透き通った耐熱グラスにコーヒー粉とお湯、氷を入れてアイスコーヒーにしてストローで飲んでいた。フレッシュミルクも入れて。
砂糖やシロップは入れてないけど。
お茶菓子にチョコチップクッキーを食べ、僕のウィンドウに向けて言う。
「勝手に不老にしといて急げってどうよ?」
『そんな風にくつろぎながら言われても、こっちも反応し辛いんだけど?』
「慌てりゃいいのか?僕のこの状況解決するか?これでも混乱してるんだよ」
とイセ君はクッキーをもぐもぐ食べる。
本当に混乱してる?
「というか、アイテムボックス内の食べ物や僕の作った魔道具は兎も角、魔力駆動二輪まで複製してるとは思わなかったぞ?大丈夫なのか?この世界でこれがあっても?」
『過去文明にあったから、それの再現を目指した。とか言えば?君含めた人達の努力を否定したくなかったし、あと面白そうだし。』
「建前と本音を一度に言うな」
『失礼な!どっちも本音だ!』
んもう!本当に遠慮とかないな!
せっかく【ドリームライフ】で沢山の人達と協力して作ってたから、それとかも複製したげたのに。
確かに目立つだろうけど、無かったら悲しむと思ったからサービスしたのに。
【ドリームライフ】はかなりの自由度を重視して作った、最先端のVRRPGとして用意したゲーム。
魂の保護とそれに合う体の作成・保管を目的にしてたから、その人個人の感情面も大事な情報。
故に自由な、その人本来の自分であれるようになるゲーム。そういう方針で情報収集をしていた。
【ドリームライフ】では、時々不定期にイベント等を行なっていたが、中には自分たちでイベントを作ったり、発表会なども行うプレイヤー達も出て来た。
とあるクランが、【ドリームライフ】でレース大会を企画。それに僕らも乗っかって、大規模なイベントとして進行することになった。
イセ君はレーサーとしてでなく、レースの機体を作る人達にスカウトされて、一緒のチームの一員として参加していた。
イセ君は超レアスキル【魔導錬成】を、アバター作成時のガチャシステムで獲得。
超レアスキル故、面倒ごとに巻き込まれてたけど、その度上位プレイヤー達の助けが入り、どうにかなっていた。
その上位プレイヤー達のお願いもあって、イセ君はチームの機体の部品作製に協力。
ちなみに、何故レーサーでないイセ君が魔力駆動二輪を持ってるのかは、上位プレイヤー達が材料を沢山手に入れてきて、「全員分作ろうぜ!」という話になったからだったりする。
ガソリンの代わりに、魔力を込められる様に加工した魔石を使ってるバイクくらい、と思ったのに。
ま、このくらいの胆力というか図太さとか無いと、この先神を相手取る事も出来ないだろうけど。
「そうそう、スキルについてだけど、僕【並列思考】とか【空間把握】とか持ってたはずなのに、スキル欄にないけど?」
『この世界の理では、それらは技術としての括りになってるの。スキルとしてあるのは、任意で使えるものになってる。そういうもんだと思って受け入れて。』
ま、例外もあるけど、受け入れてもらうしかない。
「後、鑑定に(全)て付いてるけど、何これ?」
『レベルとか、鑑定妨害とか無視して、その人のステータス看破できます!』
「できます!じゃねー!さらっととんでもねー追加をすんな!」
・・・あ。
侵入者さん達が、イセ君の後ろに!
これは面白い展開にしなくては!
『それじゃ、僕はこの辺で。後は後ろの人達の相手をしなきゃ。』
「・・・・・・?後ろ?」
疑問顔のイセ君。ちらりと後ろを見て、
「・・・・・・・」
固まった。
ですよねー。
後ろに、イセ君より遥かに強い人達が立ってたんだから。
筋骨隆々の茶色の立髪の獅子獣人。
その獅子獣人に似ているが、その獅子獣人の胸辺りの背の赤茶の立髪の獅子獣人。
全身ミスリルで出来た鎧姿の犀獣人。
青いローブ姿の黄色の狐獣人。
白い軽装のコートを着ている緑色の蜥蜴獣人。
その蜥蜴獣人に似たコートを着ている、体格の良い筋肉質の白獅子獣人。
茶色の立髪の獅子獣人に負けず劣らずの筋肉の、半ズボンだけ履いてる虎獣人。
上下半袖の黒ベースの服の灰色と白の毛並みの狼獣人。
露出の多い軽装のスラリとしてるが、筋肉質の紫色の犬獣人。
イセ君と比べて、全員が鍛えている体。
ガッチリとした体格だが、胸など部分的にむっちりしてる所もある、何というか色気やカリスマとかぷんぷんしてる人達。
さあ、イセ君!
どんな反応をするかな!
「・・・・・・・・・」
彼らの方を見て固まるイセ君。
と思ったら、自分のお腹を触るイセ君。
「・・・・・・・・・」
アイテムボックスから、手鏡を取り出して自分の顔を見て、彼らの方をまた見るイセ君。
「・・・・・・・・・」
アイテムボックスから、今度は姿見を取り出すイセ君。
そしてまた彼らを見るイセ君。
「・・・・・・・・・」
イセ君の行動に、彼らは怪訝な顔で待つ。
イセ君は、テーブルに突っ伏すと、
「もう・・・、だめだ・・・」
消え入りそうな声で呟いた。
・・・今自分で傷増やさなかった!?
何してんのこの子!?




