5話 神だからとやって良い事と悪い事がある
『闘士の門』の人達がダンジョン入り口に来た頃
Side:???
さーて、色々予想外で予定外の事ばっかり起こったけど、とりあえず間に合ったかな。
このダンジョン作って、彼を生み出した。
これから説明すれば終わりって事でオッケー。
「ん・・・」
お、早速起きたかな。
「・・・・・・は?」
薄暗い空間で起きて、自分の手を見て驚いている犬獣人、犬井晴朗。
彼の体は、彼の元の世界で流行っているVRRPG【ドリームライフ】のアバター、イセの姿そのまま。
犬獣人で少しふくよかな体格。デブというには抑えめの体格。中肉中背な体に少し肉が付いている感じ?
顔の鼻辺りから上が濃い灰色の毛で、その下から首が白色。体は手首と足首から爪先まで黒。尻尾も黒色で他は白色の姿。
ボサボサの黒色の髪に薄汚れたぶかぶかな茶色ベースのフード付きローブを着ている、だらしない雰囲気の彼。
辺りをキョロキョロ見渡している彼に、とりあえず説明しなきゃ。
彼の前に青い半透明のウィンドウを出す。
-ブォンッ-
「うわ!?」
いきなり出現したそれに驚く彼。当たり前だよねー。
薄暗い空間にいきなりだもん。
驚く彼に説明を出す僕。
ウィンドウに出さなきゃいけないのが面倒だなぁ〜。
僕が干渉出来る限度がこれだけだし、頑張るしかないね〜。
(注:『』内はウィンドウに表示されている設定でお願いします)
『おはよー!いきなりだけど、君は神に殺されて、別の神である僕にその姿で転生させられました。』
「・・・うん、そうですか・・・」
『反応薄!?起きたばかりだから!?そうなの!?それともこれが素!?』
「薄いって言われても・・・、正直訳が分からないですよ?自称神に殺されたのは覚えているけど、転生させられたって、どういう事?」
『え〜、うん。それでは簡潔に説明するね。自称神のキュルイとその他の神が、本来この世界ストアラルでやらなきゃいけない仕事をすっぽかして、自分の野望のために世界をめちゃくちゃにしてるの。』
イセくんが「やっぱりか」と言いたげな顔で頷く。
『僕らとキュルイ達では神の権利とか管理とかが違って、キュルイ達はこの世界の聖域で様々な種族達がやばい事をしない様に、やらかさない様に警告とか、お仕置きをするのがお仕事だと思って。僕らの仕事を詳しくは言えないから、これでとりあえず納得してほしい。』
「あ、はい」
『ありがと。そんで仕事サボって好き放題やってる事が分かった、ストアラル含めた星を監視してる神様の1人が僕ら上層部に報告。ストアラル配属の神達に警告したりしてたんだけど、全員が無視した。1人2人無視してくるかなぁ〜、と思ったけどまさか全員無視するとは思わなかったな〜。』
「あなたも結構軽い反応では?」
『いや〜。まさかの反応だったからね。すごく簡単に言えば、こっちの世界や星の管理してる神より、僕たちの方が色々権利とか立場が上なの。僕たちは会社や企業の社長みたいなのだと思って。で、こっちでやらかした神達はバイトリーダーみたいな感じ。』
「・・・社長、というか会社の警告を無視して好き放題やる訳ない。本当にまさかの反応だったと」
『そーなの。下級神、だからという差別意識はないよ。しっかり仕事してくれるなら、多少はっちゃけても目をつぶっておこうと思ったんだけど、異世界から沢山誘拐しているのは駄目だし、帰還させずに放置だったり、異世界人を殺して放置しているのもわかった。しかも何も調整を施さずに誘拐してたから、余計にやばい事になってるの。」
そこまで言った、いや書いた所でイセくんが疑問を口にする。
「・・・調整って?」
『異世界の人が別の異世界で生きられる様に、こっちの理に対応・適応できる様に、力をその人個人個人に施す事だよ。それをしないと肉体はともかく精神的な負荷が発生する。これは個人差があるけども、下手したら誘拐した途端に廃人に、もしくは暴走。生身にガソリン、何て物でなくもっとやばい薬品を沢山の種類ドボドボと注いだ様なものを一気飲みさせたものだと思って。運良く対応出来たとしても、いつ爆発するか分からない危険物になった様なもの。本人の意思関係なく、周りを巻き込んで大爆発するだろうね。』
「・・・世界滅ぶんじゃ?」
『大爆発が核並みならともかく人間1人の負荷だから、良くてその人が粉微塵、やばくて魔力の淀んだ瘴気を生み出し撒き散らす爆発をするかな?どのみちやばい事だよ。神だろうと。否、神だから一番やったらまずい事だよ。』
「・・・・・・・・・」
『そんで、やらかしまくった神達にしっかりと公平な裁判なり仕置きなりするため、情報収集の為、君をこの世界に転生させてもらったんだ。勝手に、しかもこの世界の神に殺された君を転生させたのは、申し訳ない。それでも、こちらにもどうしようもない事情がある。』
「・・・・・・・・・」
この世界の神のやらかしの一部分と転生理由を話した、書いた所で、イセくんは考え込む。
やらかしがひどくて、僕たちも怒りすぎて冷静になっちゃったからね。
駆け足で簡単な説明しか出来ないが、詳しく話したら怒りで進まないかもしれない。
中々難しいな、話せる情報に制限があると。
「・・・とりあえず、この薄暗さどうにかならない?暗い部屋で明るいの見るの大変きついから」
・・・とりあえずでそこか。
ま、確かに演出の為に薄暗くしただけだから、そろそろ明るくしてもらおう。
『演出の為とはいえ、不便だよね。それじゃあ、ダンジョンマスターとしてのスキルで明るさをどうにかしてみて。』
「・・・・・・はい?演出?って、ダンジョンマスター?何言ってんの?確かにあなたがこの体、僕がやっていた【ドリームライフ】のアバターのイセに転生させてくれたのだろうけど、イセは魔導士だったはず。ダンジョンマスターではないよ?」
『転生させる時にそうしました。』
「そうしました。じゃないよ!?本人の了承得ずにんな事しないで!?」
『だって断られると困るし・・・。』
「こっちも困るわ!勝手にやった事も怒るわ!何してくれたんだテメー!」
『あ、もう遠慮なし?』
「してくれると思うな!」
怒られちゃった。当たり前か。
勝手にダンジョンマスターなんてされたらお怒るよね〜。僕も怒る。
でも、色々やってもらうには、ダンジョンマスターになってもらうのが都合が良い。
お詫びの品でどうにかしよう。
『まあまあ、落ち着いて。僕が悪いのは分かってる。けどこの世界で色々やってもらいたいこっちとしては、ダンジョンマスターが一番やりやすいんだ。お詫びの品でオプション付けるから許してください。』
「・・・わかった。許さないけど、話しを進めよう。許さないけど」
『ごめんなさい。とりあえずステータス見てみて。ゲームの時みたく。』
話しを進める僕に促され、イセくんはステータスを出す。念じれば出せるから難しい話ではない。
この世界の理ってゲームみたいな感じらしいからすぐ慣れる人いるけど、僕はやっぱり変に感じるな〜。
個体名:イセ
種族:犬獣人
毛色:白・黒・灰色
LV:50
HP:106 MP:314 SP:140
生命:63 力:31 守:10 魔攻:94 魔防:105
職業:魔導士・ダンジョンマスター
スキル:魔導錬成 翻訳(色々) 鑑定(全)
特殊スキル:不老 ダンジョンマスター
「・・・・・・色々ツッコミ所が・・・・・・」
『どうぞ。』
「どうぞ、でなく・・・。名前と種族はいいとして、ステータスが低くなってるのは何故?もうちょいあったよね?50のステータスじゃないよ?」
「キュルイが未調整の君を、この世界の理の魔法で殺したから、君の魂の核がぼろぼろのひび割れ。というか一部分がパリーンって砕けてて、大慌てでその体に入れる事になった。その結果獣人のイセの体とうまい具合合わせるため、色々調整したらそのステータスになったの。』
「・・・あのおばさんのせいか・・・」
『その通り!ま、ステータスはあくまで目安でしょ。装備、環境、本人の状態で変動するから。』
「まあ、そうだけど・・・」
僕たち大慌てだったよ。
異世界人の、異世界の理がまだたっぷりある人を、この世界の理で放つ魔法で殺す。
原始の世界で機関銃ぶっ放して虐殺する様な物。
矛盾等が発生して、世界所か宇宙全体作り直しとかなるかも知れない所だった。
どうにかこうにかなったけど、他でも同じ事が起こっててもおかしくない。
「・・・とりあえず明るくするか・・・」
『それじゃあダンジョンマスターのスキルを使って。念じたら使えると思うよ。』
イセくんが念じると、ウィンドウの様に青い半透明の物が出る。
便利だね〜。
『このダンジョン、地下第三層まであるから。今君がいるのは三層目の真ん中。全層外と同じ天気にすれば、今朝で快晴だからいいんじゃないかな。』
「・・・・・・それはいいとして、このダンジョン作ったの誰?あんた?」
『そうだけど?』
「DP入ってるらしいけど、これも?」
『それが?』
どうしたんだろ?
ダンジョン作ったの僕だし、ポイントも僕が初任給みたいな感じてあげたけど・・・。
「『雰囲気の為薄暗くした。』そう言ったよな。明るくする為外と同じ天気にするのに、一層50DPいるんだけど?雰囲気の為薄暗くした本人が払うものじゃ?というか311DPってかなり中途半端なの何故?」
・・・・・・・・・やっべ!?
忘れてた!?
それ最初から選べるものの割に高めなんだった!?
最初に干渉できるダンジョン作成は、制限あってDP消費有りなのに、雰囲気重視でやっちゃった!?
久々色々作れるからって、やらかしたぁ!?
キリの良い数字で終わらすの忘れたんだったぁ!?
「おーい、どうした?」
『あ、あの〜、その〜。やらかしました。』
「やらかした?」
『久々色々作れるからって、はっちゃけました。』
「・・・・・・・・・」
沈黙。怒ってる。絶対怒ってる。爆発する。噴火する。
よし、開き直ろう。ちゃんと謝るけど、やらかしが消える訳ないし、怒りを僕で終わらそう!
「テメー!何してくれてんだ!『神だからやって良い事悪い事』とかぬかしてテメーもやらかしてんじゃねーか!」
『ああそうさ!犯人は僕さ!』
「素直なら良いわけじゃねぇ!せめて隠す努力をしろよ!何中途半端な数字残してんだ!」
『ああそうさ!僕が犯人さ!』
「いや、何で繰り返した!?」
『ああそうさ!僕が犯人さ!』
「開き直るな!それ無敵の言葉じゃねぇ!」
『ああそうさ!僕が犯人さ!』
「いい加減にしろぉ!」
うん、ふざけ過ぎた。
謝ろう。
『ごめんなさい。やってみたかった。申し訳ございませんでした。』
「・・・最初っから謝れ。お前もこの世界の神と同じほど馬鹿じゃん。やらかしてんじゃん」
『流石にそれはあんまりだぞ!アレらと一緒にしないで!』
「いや一緒だろ、はっちゃけたって言ったじゃねーか。同類だろ」
『違うもん!同じじゃないもん!訂正して!』
「断る」
おのれ〜!流石にアレらと同じは酷い!
やらかしたとしても、アレらと同類なんて!
・・・あっ。
上の人達、ダンジョンアタックしてきた。
・・・黙っとこう。
僕をあんな奴らと同類とか言ったし、このくらいの仕返しいいよね。
ダンジョン入って下の階層に行くための階段での一コマ。
リフォルグラン「なんか、でけぇ声で怒鳴ってんな」
マハガル「『テメー」とか『同類』とか聞こえんなぁ」
ゴウ「微かに聞こえるのう」
スレイ「皆様警戒してください」




