24話 罠付き宝箱より厄介な者
Side:イセ 犬獣人
一応ダンジョンマスター
やり過ぎを反省中
「やり過ぎました。リフォに対して悪口等やり過ぎました。リフォにも悪いとこがあるからって、私はかなり酷い事を言ったりやったりしてしまいました。
私は自分の意思でリフォの立髪を上にブワッてしました。ですが、そのまま立髪が跳ね上がるとは思いませんでした。髪傷んでるなーとは分かっていましたけども、あんなことになるとは思いませんでした。跳ねたら面白いだろうな〜とは考えてました。けども本当に私はあんな事を大勢の前でするつもりはなかったんです。
やるなら屋内でダンジョンアタック仕掛けた・・・。えっとしましたよね?ダンジョンアタック。したメンバーの皆さんだけに目撃させるつもりだったんです。けどもリフォがいきなり魔法陣刻もうとしたから咄嗟にやっちゃったんです。それだけは信じてください。
その後私なりにしっかりと禊いで、またなんやかんやごたごたとありました。皆さんの髪や毛の手入れに協力する事も自分でやると決めました。
それでも精神的には疲労を感じていて、皆さんをいじることで回復しようと思ったのですが、リフォ以外に反応のいいいじり甲斐のある相手がいないと思い、ついやり過ぎてしまいました。
リフォは当然、ゴドさんにも怒られて、ダルヤさんにも大臣の方々に怒られる。皆様の怒りは抵抗せずに受けます。とりあえず高い茶葉とコーヒー豆とケーキ出したのでおやつタイムにしませんか?」
テーブルに緑茶と紅茶の茶葉。コーヒー豆。いろんなケーキをホールやカット済みのを沢山出して、おやつタイムに、
「しませんから」
ダルヤさんがキッパリと言ってきた。何故・・・?
「なんでしないと言ったのが理解出来ないって顔してるんですかね君は?」
「ダルヤ様の言う通りです。というか長々と言い訳・・・。・・・言い訳か?まあとりあえず言って、いきなり『おやつタイムにしませんか?』って馬鹿なこと言うんじゃない」
「いやまて?あれ言い訳か?いきなり独白し始めて困惑してたら、独白しながらテーブルに色々出し始めて・・・。えーと?なんだこれ・・・」
ダルヤさんの他、大臣の皆さんもツッコミを入れてきた。
とりあえず答えるか。
「んーと、僕は怒られるのは確定ですよね?その前にリフォに分かりやすく媚び売りしとこうかと思いまして。んでリフォだけだったらリフォも食べ辛いかなと思ったので、皆さんにも出す事にしただけですが?後僕がケーキ食べたかったからです」
「うん。やっぱり媚び売りでしたか。露骨過ぎるわ!?後結局自分が食べたいって欲望がダダ漏れだけども!?」
ダルヤさんが僕の胸ぐらを掴んで揺さぶりながらツッコみを!?
ちょ、待って!?ダルヤさんにこんな風にツッコまれるとは!?
「わっ!?ちょ!?待ってぇ〜!?」
「ダルヤ様!?気持ちは分かりますが落ち着いて!?」
大臣達がダルヤさんに落ち着く様に言ってくれたので、ダルヤさんも手を離してくれた。
あ〜、びっくりした・・・。
「はぁ・・・はぁ・・・。びっくりした〜・・・」
「『びっくりした〜』じゃないです。なんで普通に謝れないんですか君は本当に」
「そうじゃぞイセ。長々と言い訳・・・?なのかは分からんがのう。一応はわしも親父に対する失礼は苛つくのじゃぞ?わし結構殴るの我慢しとるのじゃからな」
「そうは言いますがね・・・。あれ見ても同じ事言えます?」
僕はリフォとゴドさんを指さす。
そこには椅子に座りもぐもぐとテーブルのケーキを食べて紅茶を飲む2人の姿が。
「王!?ゴドも!?何食べてるんですか!?」
ダルヤさんが慌てて2人に問う。
2人はのんびりと答える。
「え?おやつタイムだろ?」
「んむ」
リフォは何言ってんだという顔で答え、ゴドさんはケーキを頬張りながらリフォに同意・・・したと思う。
リフォはショートケーキ。ゴドさんはチーズケーキ食べてる。
「なんでさらっと受け入れてるんですか!?イセ君が媚び売りと減刑の為にしたのわかっているでしょう!?」
「いやわかってるって。つーか減刑する気ねーし。俺はただケーキ食いたかっただけだぞ?」
「俺も」
「いやちょっと、王?なにか、イセ君の素直さに影響されてます?あれ?元々こんな感じでしたっけ?んん?」
・・・ダルヤさん混乱してるな。
準備して提案した僕が言うのもなんだけど、まさか普通におやつタイムが受け入れられるとは。
「ふざけんなこのやろー」とか言われてやられると思ってたのに・・・。その場合僕下手したら死だけども。
「ちょっとイセちゃ〜ん?オレっち達が居ない間に何美味しそうな物食べようとしてんの〜?」
「俺らにも食わせろよぉ〜」
「まず素材を渡して、武器の汚れを落としてからだぞ」
ん?ハウロウ達が戻って来たのか・・・。早くね!?今大体3時くらいで、皆が行ったの一時過ぎくらいだったよね?約2時間で戻って来たの!?
・・・とりあえず労おう。
「皆さんおかえりなさい。物凄く早く帰って来ましたけど、何かあったんですか?」
「ん?いや?イセの言っていた魔物素材と材料の採取が終わったから、戻って来ただけだが?」
「・・・だとしても早えよ。大体2時間で終わるって何があったの」
「?皆バラバラに散って狩りと採取に行っただけだが?」
・・・。人海戦術をして、上手くいったと。
とりあえず納得しとこう。
「えーと、うん。納得しとく。皆さんあっちに洗う場所作っているから。お手洗いもありますので」
ちゃーんとトイレ作っています。一応外・・・、上?にも公衆トイレあるらしいけども、水洗トイレじゃないので臭いが・・・と。
芳香剤とかそういうのちゃんとあるトイレがすごいと作ったトイレ見た人全員驚いてた。これがカルチャーショックなのかとちょっと感動してた。
芳香剤を渡したら即上の公衆トイレに設置しに行ってた。
しかし皆、以外と汚れてないな・・・。返り血とかもついて無いし・・・。
・・・あれ?スレイさんは?
「ハウロウ、スレイさんは?」
「スレイはコーダルを迎えに闘技場へ。着替えもそこですると」
ああ、コーダルさん今人に呼ばれて上に行ってるんだっけ。スレイさんはそっちに行くよね。
「イセ君。これはどういう状況なんだ?」
「一体どういう流れでこうなったのですかね?」
あっ。コーダルさんとスレイさんが来た。すごいタイミングよく来たな。
2人共白い軽装服から着替えているな。コーダルさんは赤い服でちょっと派手な装飾がついた、なんというか貴族という感じの服。めちゃくちゃ似合ってる。
スレイさんは・・・ダークスーツだっけ?執事の人が日常業務で着るやつ。黒じゃなくて濃紺だけど。あと色々装飾がある。めちゃくちゃ似合ってる。
自分と比べると凹むな・・・。まあそこは良いとして、何故こうなったかについて説明しなくては。
「リフォに対してやり過ぎまして、甘い物食べるついでに媚び売りで機嫌取ろうかなと」
「機嫌取るつもりあります?」
スレイさんが呆れ顔で言った。
一応ちょっとはある。ほんとにちょっと。
「ちょっとはあります。これで許される訳は無いだろうと思ってますが」
「獣王様相手にあれだけ失礼しておいて、さらにやったとなるとなぁ。いくら高い物で媚びを売っても許され無いだろう」
コーダルさんも呆れながら答えてくれる。
ですよねー。しかしあれを見たらどう思うのか。
「その王様と護衛がもぐもぐ食べてて、ダルヤさんがアワアワしてる光景を見て、コーダルさんはどう思いますか?」
「・・・獣王様それで良いのですか?と思っているよ」
「僕もまさか普通におやつタイム受け入れられるとは思いませんでした」
「ゴド様まで・・・」
コーダルさんがリフォを見ながらも遠い目をして言った。スレイさんはゴドさんもかと溜め息混じりに。
「それで魔法関連の話はどれほど進んだのですか?」
「ダルヤさんが反対していて進まないんです」
「ちょっとそこ!?」
スレイさんに聞かれて答えてたらダルヤさんが反論してきた。
「なんで私が悪いみたいに言ってるんですか!?」
「何言ってるんですかダルヤさん。ダルヤさんが僕とリフォが出した結論に待ってと言ったじゃないですか」
「そうだぞダルヤ。お前待ってくださいとか言っただろ?」
リフォもダルヤさんが待ったと言ったと言ってくれた。
リフォが『んじゃそれで』と言ったのに待ったをかけたのはダルヤさん。それは間違いない。
「いや、それについては本当ですが!?しっかりと議論して決めないといけない事を、イセ君と王だけで決めるのを待ってと言ったつもりでして・・・!?」
「はぁ〜・・・。あのですねダルヤさん。そもそもですけど、僕は別に国と話し合いして魔法関連・・・。いやそれ以外の事も決め合う必要ないんですよ。僕個人が教わりたいと言って来た人に教える。それだけの話なのを、自分達に少しでも良い方に向けたいってだけで反対言ってるだけでしょう?ダルヤさんとか大臣達が話し合ってそういう流れにって感じでもっていくつもりでしょうが、僕が一言『嫌です』って言えば終わる話ですよ」
国か国軍の強化目的かは分からないけども、今のダルヤさんや大臣からすれば僕の持つ知識・技術はいきなり出て来た金鉱山・・・。いや?石油?こっちだとミスリルとか・・・?いやそこはいいか。どっちにしろすごい宝だろう。
しかしそれは気まぐれに宝をぽーんと放り出す厄介な宝箱。しかもこっちでは厄災扱いのダンジョンマスター。宝を力ずくで取り出そうとする仕草を少しでも見せればさよならも言わずに出て行けるほど身軽。国から見れば何が最善かも最悪かも分からない、危険な犬。
何より厄介なのは宝である知識と技術なのだろう。ちょっとした知識でとんでもない影響を及ぼすものだし。
まだ半日くらいなのに、冒険者ギルドと魔道士ギルドのトップすらボロボロ。反王派の上の奴ら逮捕・・・?だっけ?牢屋に入れられて家宅捜査・・・でいいのかな?そいつらの屋敷や関係者の家とか、所有する建物全部調査が入ったとか言ってたな。
後は、錬金術師ギルドもボコボコになったね。
・・・・・・・・・。
うん。厄介だな僕!?国から見たらありがたいだろうけど仕事大量に出来たもんなこれ!?リフォとか暴れた人達はまだいいだろうけど、そうで無い人達はスッキリ度合いは下だろうし、しばらく仕事漬けだろうしな〜・・・。
まあそれは置いといて。
「いいんですよダルヤさん。僕は皆さんに教えないを選ぶだけなんで。マハガルだけにしか教えないを選んで皆の反応を見て楽しむ道を突っ走るから」
「いやなんでマハガル?オレっちでもいいじゃ〜ん」
ビシャルが左腕を掴んで擦り寄って来た!?嬉しいけど、頑張って無視して話さなくては!?
サングラスをかけて言う。
「リフォという馬鹿1人に振り回されてるダルヤさんが、マハガルというリフォと同等の馬鹿を相手に、一体どの様に真面目な話をするのか楽しみだなぁ〜」
頑張ってなんかムカつく顔でサングラスくいっとして煽る様にダルヤさんに挑発する様に言う。さあどう返すんですかダルヤさん。
・・・?ビシャルが素早く離れた?
ガシッ!
・・・・・・。マハガルとリフォに頭片手ずつ鷲掴みにされた!?
どうしよ!?
「ダルヤとか大臣達に対する自分の意志を言うのはいいとして、ま〜た俺の悪口言ったなお前?反省すること覚えろや」
「俺だけに教えるってのとよぉ、俺にも堂々と馬鹿って言うのもいいがぁ。ダルヤに言った内容的に俺は真面目な話出来ねえ馬鹿って言ってんだなぁ?さすがにそれは怒るぜ俺もぉ」
やっべ!?どうしようほんとに!?
変に抵抗したらゴキッてされそう。
・・・・・・。
よし。
「ちょっと、だけ、待って」
「あん?」
「何だぁ?」
手を離してくれたので、横に一歩動き、2人の方を向く。
「・・・晩御飯何がいいですか?」
・・・・・・・・・。
リフォとマハガルだけでなく、他の人も固まった。
助けてとか普通の命乞いは意味ないだろう。なんでもしますとか言ったら搾り取られる。
だったらもう食べ物で行くしかない!
ガシッ!
・・・また2人に頭鷲掴みにされた・・・。
「「肉」」
「あっ。リクエストはするんだ」




