21話 揚げ物は作る人も食べる人も気をつけよう
Side:コーダル・アルフォン 蜥蜴獣人
スレイまで行くのは予想外だった
「イセ〜!お肉こんな感じでいい〜?」
「ん〜・・・。大きいけどだいじょぶ。そんくらいで切っていって。切った鳥肉はフォークで二、三回刺してこの中に入れてね」
「分かった〜!」
ザウユが切った鳥肉(鶏とかでなく、鳥系統の魔物肉)を見せてイセ君に確認をとる。拳大の大きさの肉塊だが。
イセ君はそれを見て大きめだけどいいと答え、ザウユは同じ大きさに鳥肉を切り、フォークで刺して、イセ君が調味料を混ぜて入れておいた深皿に入れていく。
「イセ、これでも大きめなのか?一口かちょっと大きめくらいなのだろう?」
「え?・・・あぁ、ごめんごめん。人族基準だった。皆ならこのくらいなのか」
ハウロウが切った鳥肉の大きさに疑問を問い、イセ君は人族基準で考えてた事を詫びる。
うーむ。イセ君は人族が多い所の出身なのか?
「あーでも、獣人が大半だけど他種族もいるし、これの半分くらいの大きさのも作る方がいいと思う」
「それはそうだな。他種族にも配慮するべきだろう」
イセ君の発言に賛同して、ハウロウが他の人達に伝えて作る人を決める。
獣王様の立髪を触り、傷んでいると確信したイセ君が他の人達のも確認して、使用していた髪や毛用の薬剤を、【魔導錬成】による調査で悪意があると言った瞬間。獣王様にビシャルやスレイ、その他の者達も錬金術師ギルドに直行。
怒りで暴れる皆を見てみたい気持ちもあるのだが、すぐ終わるだろうし、錬金術師達がまともに抵抗出来る気もしないし。一方的な闘いなんてつまらないと分かっているからな。
スレイが一言断りを入れずに行くのは予想外だったが。
獣王様達にお願いし食材を運んでもらったイセ君は昼飯に唐揚げと他サラダや汁物を作ることに。
皆も作り方を教わりながら手伝っていく。
私やゴドさんとダルヤさんも野菜などを切ったりして手伝っている。
ちなみに料理を作る事になった時、イセ君が「今更ながらこの人数でこの広さでは狭く感じるし、今後色々授業なり訓練なりで広さがいるから、一層目だけでも広げたい」と言って、獣王様や私達にダンジョンの拡大を提案してきた。
確かに今後の事を考えるとこの広さ(四方一キロ・高さ10メートル)だと狭く、授業や訓練に支障がでるだろう。
錬金術師ギルドを制圧する前に獣王様とも話し合い、一層目を一キロだけ広げ、さらなる拡大は色々落ち着いてからとなった。
今私達は一応食堂用の建物(屋根とかあるだけだが)で料理をしている。
「イセぇ。こんなんでいいかぁ?」
「ん?・・・おーい、これわざとか?それとも天然?」
「あぁ?何がだぁ?」
マハガルも肉を切ってイセ君に見せる。
・・・厚みは兎も角、ステーキ肉の様に大きく鳥肉を切ったな、マハガル。
「・・・まあ、出来なくはないからいいか。そう言う形の唐揚げも面白いし」
「んじゃこんな風でいいなぁ?」
「いいよ。厚みはこれくらいにとどめてくれ」
「わかったぁ」
いいのか、イセ君。
マハガルはステーキ肉の様な形に肉を切っていく。
『イセ君。こちらは制圧と制裁が終わりましたよ。解毒剤・・・中和剤?どちらかは分かりませんが、材料を教えてください。回収いたしますので』
「回収って、頼んだ僕が言うのもなんですけど、これって略奪になりません?今更ながら犯罪臭が・・・」
ほんとに今更だぞ、イセ君。
【魔動端末板】でスレイと会話しているが、スレイ達はもう制圧制裁を終わらせたのか。やはり早いな。
『そこは大丈夫です。リフォルグラン様がごり押しするでしょうから』
「何一つ安心出来ませんけど!?王様だからって何やってもいい訳ないでしょ!?」
『大臣達もいますので』
「いますので、じゃなくて!?どれをどんな免罪符にするつもりで!?」
『少なくともこの国の多数の人々に有害な薬剤を高値で売ったという事実がありますし、王であるリフォルグラン様も被害者の1人。王子であるゴウ君は勿論、他の王子王女も被害者で、大臣達もですし【闘士の門】の多くのメンバーもそうです。ここまで被害を出している相手に、私達が止まるとでも?』
「止まらないでしょうねえ。・・・死者が出ないなら穏便って事でいいか。まーなんか喚いてきたら僕が物理的にも精神的にもズタボロにすればいいか。とりあえず全部回収してください」
スレイの説明に納得?したイセ君が全部回収をお願いし、イセ君は鍋に油を入れて熱し始めた。
あんなに沢山の油を使うものか、揚げ物とは。
イセ君が出してくれたカツサンドも揚げ物らしいが、美味しいが先に来て疑問に思って無かったな。
「あ〜・・・。スレイさん。リフォ達どうしてますか?まだ荒れてます?」
『えーと・・・。締め上げてますね。あの様に』
スレイが獣王様達が映る様にする。
そこには錬金術師達が縛られて囲まれていて、獣王様達が尋問している姿が。
錬金術師達は人族の他に、獣人など他種族も混ざっている。
『テメェらあ〜。ふざけた真似してくれたなあ〜』
『な、なんの事やら・・・!?』
『わしらに売っておった髪や毛用の薬剤、毛にダメージを与える様な液体で薄めておったのじゃろう?しかも本来よりかなり原液を薄めて作って、効果を弱めてもいたんじゃろう?』
『気付かなかったオレっち達も間抜けだけどさあ〜?その間抜けを敵に回す様な真似して、徒で済むと思ってたの〜?』
『ひっいぃあ!?』
う〜ん・・・。皆殺気と怒気をぶつけて、錬金術師達が怖気付いてるな。
言い訳なんて無駄とばかりに怒りを。
これではさらに血を見ることになるな。
イセ君は「こいつは怖い」と皆を見ながらも料理をしている。器用だな。
『待っ、待ってください獣王様!?私達はダーデとカハト達に脅されて、仕方なくこの様な薬剤を作らされていたのです!』
『そっそうです!私は人質を取られていました!言う事を聞かねば人質を殺すと!』
『私達も被害者なのですよ!?』
私達も被害者。脅されて。人質。
言ってくるとは思っていたが、それは悪手だろうに。
そう思ったら、イセ君がスレイに、
「スレイさん。近づいてほしいです」
『わかりました』
スレイが皆に近寄り、スレイとイセ君に注目した。
「お〜い、あんたら。脅されてって言ってたけども、それはつまり獣王とかマハガルとかより、あのアホ共の方が怖かったって事?スレイさんやゴドさんのが迫力が無いって言ってんだよな?」
『はあ!?なっなんだこれは!?小さい人!?なな何がどうなって・・・!?』
「そっか〜。リフォ達の方がチョロいと思ってるのか〜。おーい皆さん。脅されたって言った馬鹿共全員外に出してください。そして1人ひとりタイマンで闘ってあげてくださいな」
『『『はあ?』』』
向こうの全員がイセ君の発言に首を傾げる。
いきなり何をと思ったが、イセ君は続けて、
「いやだって、言葉だけじゃ信用出来ないし。あのアホ共の方が怖かったって自分達から言ったんだし、リフォ達は全然怖くねーって事を行動で示してもらいたい。リフォ達もちゃんと行動で示した相手を、大勢で責め立てはしないだろうし。金とかでなく怖くて従ってたって証明を、自分の身を守る為の嘘でないと行動で示せや」
うーむ・・・。イセ君の言っている内容はなんとなく分かる。
あいつらの方が怖かった。だから従った。
これはつまり、獣王様達はダーデやカハト達よりも下だと言っている事になる。
・・・王族を貶す様な発言の時点でもうダメだろうが、あいつらは保身の為に咄嗟の事とはいえ言ってしまった。
悪口を言って逃げようとする奴らの逃げ道を潰す為に。皆の怒りを発散させる為に。イセ君は錬金術師達の発言を利用して行動で示せという流れを作ったのだろう。
結構強引だがな。
そんな事を言ったイセ君は、ハウロウ達が切って調味料をつけた鳥肉に片栗粉と小麦粉を混ぜた物を付け、熱した油に入れた。
ジュアア〜!という音を立て、油に浮く鳥肉。
香ばしい香りがして来て、マハガルとザウユだけでなく、他の獣人達も近くで見に来た。
「あの〜・・・。危ないので離れてほしいんですが」
「あぁ、悪いぃ」
イセ君の注意を受けてマハガルが返事をし、他の人も離れる。
鳥肉を揚げながらイセ君が続ける。
「皆さん。跳ねた油は火傷するほど危険ですので、揚げるものはゆっくり入れてください。最初は激しいですが、すぐに落ち着くので」
料理人の人達に注意をいれるイセ君。
【魔動端末板】の方を見てさっきの続きを言う。
「ゴウ、そいつらの言った事嘘じゃねーって証明させてやれ」
『おう。それじゃあやろうかのうお主ら』
『待てぇ!?そんなつもりで言ってない!?』
「じゃーどういうつもりで言ったんですかね〜。恐怖に駆られて咄嗟にでる言葉って、基本的には本音でしょうよ」
『そうだな〜。俺らの事チョロいと思ってたんだろ?気付かずに金くれる奴らって思ってたから、続けてたんだろ?』
「だろうよリフォ。すでにお前らの言葉は無意味。後は体で語れや。皆さん脅されたって奴らだけ連れてって」
イセ君の言葉に皆がずるずると錬金術師達を連行。
まだ喚いていたが、表に出て闘いの舞台を整えられ、それを街の人達に説明されて、最早引き返せない状況に。
イセ君の矛先が人質を取られてだの被害者だの喚いていた残りの奴らに向けられる。
「んで、人質とか被害者とか責任転嫁してた腰抜け共。なーに馬鹿言って切り抜けようとしてんだよ?」
『こっ腰・・・!?いや、責任転嫁など!本当に私達は被害者・・・!』
「あのアホ共が冒険者ギルドマスターだからとか、魔導士ギルドマスターだからとかなんだって話しだろ?錬金術師ギルドに口出しする権利を、あのアホ共が持ってたってのか?何?金で渡したのその権利。『口出しすんな!獣王様達を敵に回せるか!』の一言で追い返して、リフォとかコーダルさんとかに伝えれば良かったじゃん。そんな事すら出来なかった根性無しか、手を組んでリフォ達を貶めようとしたかのどっちかだろうが」
錬金術師ギルドにあのアホ共が命令する権利などない。
錬金術師ギルドのギルドマスターが屈したと言うのならまだなんとか納得出来るが。
だとしてもトップが屈したからといって獣王様、いや獣人国家レオナルド全体を敵に回す道を、錬金術師ギルドの全員が選ぶ必要は無い。
従ったふりをして秘密裏に獣王様や私達【闘士の門】に伝えれば良いだけだ。
なのに粗悪品の薬剤を作って高値で売る選択を選んだという事は、逆らう根性がなかったか、私達が困る姿を見たかった。この二つのどちらかという事になるな。
指摘された奴らはその事に今更気づいた様で青ざめて、しかしまだ言い訳をするようだ。
『ちっ違う!?俺達はそうでなく、人質を取られてたから!嫌々ながら従うしかなく、皆様にあの様な物を作って売るしか・・・!』
「作ったの認めたな?とっとと裁かれろ」
『なっ!?だっだから俺達は人質を・・・!?』
「ふーん。それでいいんだな?人質取られてたから俺達は悪く無いと。言い分はほんとにそれでいいんだな?」
『・・・は?』
こんがりと揚がった鳥肉。唐揚げだったか。油から菜箸という物で掴み上げるイセ君。
皿の上に置いた紙の上に置き、油を染み込ませているな。
・・・あんなに白い紙は高級品だろうに。勿体無い。
イセ君は躊躇いなくひょいひょいと唐揚げを置いていく。
「ん〜・・・。コーダルさん。すみません、ちょっと手荒な事しますから、包丁を置いてください」
「・・・ん?」
いきなり何だ?手荒な事?
何をする気なんだイセ君?
とりあえず包丁を置いておくか。
「えーと、イセ君?手荒とは?」
「手荒とはこんな事です」
イセ君がパチンッと指を鳴らすと、ズズンッという音と共に後ろに私の背丈程で、なんかこう丸みを帯びた鉄製の甲冑騎士が二体現れた!?
ゴーレム!?それとも人!?
目の辺りから青い光?がチカチカ見える。
どうやらゴーレムの方だな。
・・・手荒って、このゴーレムで何を!?
素早い動きで丸い騎士ゴーレムが私の腕を片方ずつ掴む。
怪我などしない様に優しくだが、周りの人達も驚いていた。
「・・・イセ君?何のつもりなんだ?返答次第では徒では済まないぞ?というかスレイに仕置きされるが?」
「あのアホ共に、自分の言った事の理不尽さを教えようかと。後すでにスレイさんに仕置きされる覚悟なんて・・・。めちゃくちゃ怖いです」
ガクガクと震えているイセ君。
怖いんだな・・・。覚悟どこに行った?
『イセ君?後で仕置きは当然として、何をする気ですかね?』
「え〜・・・と。そうだな〜」
イセ君は紙の上にある唐揚げ(ザウユが切った拳大の唐揚げ)を箸でつまみ、私の方に。
「さあスレイ!コーダルに熱々の唐揚げを口に入れられたく無ければ!そっちにいる錬金術師ギルド所属の獣人!誰でもいいから頭頂部の髪一掴み引きちぎれ!」
「『「いや何を要求してる!?」』」
私達とスレイ達。錬金術師達もイセ君の発言にツッコんだ。
・・・あー。えっと・・・?私は人質。イセ君は脅している犯人。スレイは人質を取られた被害者。
こういう図式を作ったのは分かるが、脅しの仕方と要求の内容がおかしいだろう!?
しかしスレイはイセ君の芝居に合わせる様に、
『くっ!卑劣な!・・・すみません!』
と言いながら、近くの獣人(犬獣人)の髪を掴み、
『え!?・・・ちょっ!?待っで・・・!?』
止まる様に言いかけた言葉を無視して、
ブヂンッ!
『ギャアアあぁア〜!?』
思い切り引き抜いた。
痛そう。めちゃくちゃ痛そう。獣人に限らず、ほとんどの人が目を逸らし、耳も塞いでいる。
「うわぁ〜・・・」「躊躇いね〜・・・」「さすがスレイさん」と言う、スレイの迷いない行動に引いている者。感心している者もいた。
引き抜かれた人は縛られたままごろごろ転がって絶叫している。
「・・・言った僕が言うのも何ですけども、躊躇いとかなさすぎでは?」
『私は要求に従っただけですが?』
「うん・・・。そう、ですね。はい」
イセ君まで引いてるな。要求した君まで引くんじゃないよ。
『すっスレイ様!?何を!?なんて酷いことを!?』
『私はコーダル様を人質に取られ、相手の要求を飲み、コーダル様を守る道を選んだだけですが?』
『・・・・・・・・・』
何も言えない。言うわけにはいかない。
スレイの発言に反論すれば、自分が言った事を否定し、どの道裁かれる。
自分の保身の為のカードの人質という武器が、自分達に向けられる。自分達より鋭く強靭であり、しかも抵抗すら許されない状況で。縛られてるしな。
「どうしたよ?スレイさんに反論しないのか?スレイさんのやった事に反論すれば、あんたらもスレイさんと同レベルの酷い奴になれるぞ?羨ましいことになぁ!」
「羨ましいのかイセ君!?」
「スレイさんと同格なんて夢のまた夢ですからねえ」
君と言う人は・・・。
というかスレイがアレらと同レベルの酷い奴になってほしくないのだが?
・・・すでにした後だが、イセ君の芝居にのったって事で。アレらと同レベルになった訳では無い。断じて無い!絶対違う!
『イセ君。これらと同じ程の酷い奴に私を堕とす気で?』
「それはそいつらの発言次第ですが?僕は別にそいつらにスレイさんを堕としてやれとは言って無いです。そいつらに反論させて、皆さんが心置きなく裁きを与える理由を、そいつら自身に生み出して欲しいと思ってるだけです。というかスレイさんを堕とすなら自分の手でやります」
『そんな事まで堂々と言うのはどうかと』
おーいイセ君?失礼すぎるぞ?
「えーと、次は〜」
『まだ何か要求するつもりで?』
「ん〜もう1人くらい犠牲になってもらえば、大人しくなるかなと」
大人しくはなっているがな。あんな酷い状態にはなりたくないだろうし。
というか泣いてる奴らもいるな。
・・・ん?イセ君の隣にマハガルが?
イセ君が箸で掴んでいる唐揚げを手に取って、
カリッザグッ。
という音を立てながら一口で頬張り、
「あちっハフ!?んぐむぐ・・・」
ともぐもぐ食べてしまった。
私もイセ君もマハガルの行動に固まってしまった。
マハガルが飲み込み一言。
「ん〜・・・。外側はカリッといい音を立ててぇ、中の肉は柔けえし肉汁がしっかりとあるぅ。ちょっと熱いが美味えなぁ。イセぇ、おかわりぃ」
「おかわりぃじゃねえよ。何してんの?」
マハガルの感想とおかわり発言。
固まっていたイセ君がツッコミで復活。
何だこの空気。
「だってよぉ。コーダルだけずりいだろぉ?俺も唐揚げ食いたかったんだぜぇ」
「いやコーダルさんだけに食べてもらうつもりないし、一応穏便な脅迫のつもりだったんだけども!?何僕の芝居壊してんだ!?」
芝居である事を言うのかイセ君。
「んだよぉ。あそこにある唐揚げ食べなかっただけぇ・・・。あぁ?」
「え?何?どうし・・・」
マハガルがイセ君が揚げて置いていた唐揚げの方を見て怪訝な顔をし、イセ君もそっちを見る。私も見た。
ザウユと他【闘士の門】のメンバー。兵士と学生達10名程が唐揚げをつまみ食いしていた。
私達の視線に気付き、頬張ったままこっちを見て、
ダダダダダッ!
と走り出した。
ザウユだけはイセに向かい土下座して、
「ごめんイセえ〜!我慢出来なかったあ〜!」
と謝罪。
イセ君はどうするのかと思ったら、
「素直でよろしい。許す!」
とあっさり許した。
「えっちょ!?俺も我慢出来ずに・・・」
つまみ食い犯の1人の学生がザウユを許したイセ君に振り返り謝罪を・・・。
ドガァァァァァンッ!
「ギョああアばぁ〜!?」
しようとしたら、おそらくイセ君の放った上からの雷魔法に打たれた。
2〜3秒程続いた雷が終わって、打たれた犯人が地面に倒れる。
・・・ちょっと焦げてる?なんかぷすぷすと煙が出てるような・・・。生きてはいる様だが・・・。
「即逃げた奴の謝罪など無意味。テメーらはボコる!」
バチンッ!といつもより強く指を鳴らしたイセ君。
逃げている彼等の10メートル前方に様々な体型の騎士ゴーレムが多数現れた。
「なっ!?くっそ!?ぶっ飛ばして逃げるぞ!」
「「「おう!」」」
つまみ食い犯達が武器や拳を構えたまま、騎士ゴーレム団に突撃。
「【サンダーレイン】」
ズガアァアンンッ!
「「「アギャバアァああ〜!?」」」
・・・しようとした時、イセ君が魔法を唱え上から雷の雨が降り、全員に直撃。
「前だけでなく、全方位警戒しろや」
威力は見た目以上にないようで、全員意識はある。が、痺れて動けないようだな。
動けない奴らを騎士ゴーレムが縄で縛り、地面に刺した柱の出っ張りに引っ掛けて吊るす。
つまみ食い犯と書かれた紙を額に付けられて。
イセ君はそのまま唐揚げ作りを再開。
ちなみにマハガルにはお咎め無しの様。
目の前で食べられて止められなかったのと、一応は脅されてた私を助けた形でもあるとかで。
スレイに対しては私が、「とりあえずは他の奴らと同じ感じの制裁を。ダーデやカハトの所有する建物等を調べ、人質の有無を確認。本当に人質がいた場合はそれで裁きは終わりにしよう。人質を取られて無かった者はさらに厳しい罰を」と言って、スレイが他の人達に伝えて、スレイは錬金術師ギルド内の全ての材料を押収。
先に外で制裁という名の試合を終えた獣王様達とこちらに戻って来ることに。
あっちもこっちも騒動が絶えないな。
楽しんでいる私がいるのも確かだが。




