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犬の異世界日記  作者: ふわふわ骨
獣国編
18/26

18話 会議をしてたら仕事が増えた。犯人は・・・

Side:ゴド・ガラ 犀獣人

リフォルグランの護衛  無口な食いしん坊



「ダンジョンマスターと取引など!その様な危険な相手となど交渉出来はしません!王よ、御乱心なされたか!」

「我らが一ヶ所に固まる様に誘導し、ダンジョンを複数作りこの国を落としに来るかもしれませんぞ!?即刻ダンジョンマスターを無力化し、ダンジョンを我らの物とするべきです!」


リフォと俺達がダンジョンから戻って来て、入り口で冒険者と魔道士のギルドマスター達をぶっ飛ばして、イセとスレイが喧嘩になりかけて・・・。

色々どうにかして、今王城の会議する部屋で、大臣達と会議してる。


大声で反対だと叫ぶのは、反リフォ派と影で呼ばれてる王子王女派。

リフォの息子である第一王子派と娘である第一王女派。

敵対している間柄だが、リフォを下す為に一時協力しているらしい。

俺にとってはどのみち敵に変わらんが。


第一王子と第一王女は獣国レオナルドの王となると、正式に決まって無いのに声高らかに諸外国にまで、勝手に宣言したりしている問題児。

リフォが叱っても改めず、反リフォ派の貴族達にヨイショされたりして馬鹿力を上げている。


第二王子やゴウ達は、一癖も二癖もあるが、あの2人と比べるのは失礼なくらいに良い子なのに。

血は当てにならないのか。


そんな事考えてたら、リフォ派というか中立?普通派?の大臣達(第一王子派と第一王女派ではない派)が、奴らの発言にリフォの代わりに答える。

ちなみにリフォはイセの作ったアイスをゆっくり味わって食べてる。

俺もリフォの右後ろに立ち、ゆっくり食べてる。

甘く、濃厚なミルクの味。そして冷たいアイスが喉と胃を冷やす。

凍った果実の甘酸っぱさで飽きもこない。

・・・もっとおかわり欲しいな。


「危険な相手と、など言っているがなお前等。王が自らその危険な相手がいるであろうダンジョンに行く事に、一言も反対しなかったお前等が言っても、重みがまるで無いぞ?」

「ここ最近、貴様等のやらかしの後始末の為に、王を書類仕事漬けにしといて、偉そうに発言するな!乱心しているのは貴様等だろう!」

「いや、乱心というか、ただ馬鹿なだけだろう?」

「「「まあそうだな」」」


うんうん。ただ馬鹿なだけだな。

リフォの権力なり威厳なりを下げて、自分達が良い思いしたいだけ。

その為に裏で色々やってるのは、こっちの手の者達の調べで分かってるらしい。

俺はあまり関われないが。

リフォが「息子達の護衛に集中してほしい」と言ったから。

まだ小さい王子王女も居るので、ふとした拍子に口が滑って言わない様、あまり関わらない様にしている。

ダルヤが詳しく知っているはずだし、もし俺の力が必要なら言ってくるだろう。


反リフォ派の裏工作?だが、普通派の大臣の1人が言った様に、馬鹿をやらかしリフォ達にばれた。

金の流れがおかしいと気づいた人が、詳しく調べ発覚したらしいが、相当無警戒というか無計画だったらしい。

かなりの額なのに、偽装とかせずに国に申請していた様で、よその国にもかなり色々やろうとしていた様だが、大事になる前に止められた。

その後始末の為、リフォが書類仕事漬けとなった。


というかよその国を巻き込む直前だったからまだ書類仕事だけで済んだ。

下手したら国同士の戦争に発展した可能性大だったろう。

ここまでやっておいてでかい顔出来るのは何故だ?


「というか、すでにその危険な相手からの贈り物を、食べておいて何を言ってる?」

「毒味などもせずに食い尽くした奴らに、説得力などある訳ないだろう」

「何故貴様等が大臣や貴族をやれてるのか不思議でたまらん」


あ、そういえばこいつ等すでにイセの作ったアイスやサンドイッチとかも食べ尽くしてたな。

すでに食べておいてイセに文句を言うって、上に立つ者として失格だろうに。

アイツ等もさすがにそれについて反論出来ない様で、悔しそうに歯軋りしてるな。

まあ、大臣達のもこの城の使用人達のも、兵士の人達の分もイセは用意してくれて、皆食べているが。


「お前等が何と言おうと、反対してるお前等は少数。賛成が半数以上いるんだ。獣国レオナルドはダンジョンマスターと取引することで決定すんぞ」

「「「意義なし」」」


リフォがさらっと話を進めて、賛成派の大臣達が続く。

しかし反対派はまだリフォ達に噛み付く。


「お、王!?お待ちください!?悪しきダンジョンマスターの策略に嵌っておられます!?」

「この様な高価な品々でこちらを油断させているのですぞ!?」

「王も氷菓を食べてしまい、奴の術中に嵌っておられます!?」


・・・イセが悪しき、なぁ〜・・・。

悪、というかなんと言うか・・・。

自分に正直過ぎるとは思うが、まだ俺はイセの事をよく知らない。

異世界から来たばかりだし、こっちの感覚で考えてはならないだろう。

けれど、リフォや俺達を罠に嵌めるなら、イセならもっと簡単に出来ると思う。

イセはこっちに迷惑をかけたことで、リフォやコーダルに色々渡したりしてくれてるが、これも今後の話し合いに必要な事だと、自ら説明していた。

イセは何故か自分の手札を俺達に見せて、説明までしてしている。


俺達が高レベルでイセを簡単に制圧出来るから、色々渡す事で媚びを売っているのかと思ったが、それならリフォやマハガルに脅迫とかされても、敬語を使って話すと思う。

なのにイセは「敬意が払えん」と言ってリフォやマハガルに敬語を全く使わずに話している。

俺やダルヤ、ゴウにコーダル達には使っていた。ハウロウとビシャルは本人達が「敬語じゃなくていい」と言ってから使わずに話してるらしい。

イセはリフォの事を王様と理解しているし、ある程度敬意はあるけども、敬語は使えないという位置にリフォとマハガルがいるのだろう。


・・・だいぶずれてしまったな。

反対派はリフォも食べてしまい、後に引けない事態をイセが作ったと吠えてるな。

アイツ等だけでなく、他の大臣達もダンジョンでの俺達の会話を知らないから、そうなるのだろう。


「策略なぁ〜・・・。イセなら物で釣るにも、もっと上手く俺等を丸め込めるだろうがな。イセは俺に面と向かって話してた。それで嘘見抜けなかった俺が間抜けだった。オメー等はそう言ってんだな?」


苛つきを隠さず、リフォはギロリと反対派大臣達を睨む。

反対派はびくりと震え、青い顔となった。

リフォだけならともかく、スレイもいて見抜けない嘘をつけるなら、それはそれでかなりの才能。

ある意味でイセの有能な所だと思うが。

リフォがさらに言う。


「俺に噛み付くのは良いが、多数決で決まった事にぎゃあぎゃあ文句つけんな!オメー等が反対すりゃ考え直すと思ってんのか!?んな訳ねーだろが!」


決まった事に文句を言えば変わるわけじゃない。

そんなの俺でも知ってる。

何故か反対派はそれをする。


「俺やゴド、マハガルは確かにイセの出したカツサンドとか食べちまったし、罠に掛かった様なもんだが!俺等以外の奴らも食ったり飲んだりしてんだぞ!俺だけ悪いみてえに言うな!」


ピロリロリンッ


・・・?

・・・突然リフォの近くから変な音が?


ピロリロリンッ


あれ?また?


リフォが近くに置いてあった、リフォの両手より大きい金属製の板の様な物を手に取る。

・・・イセが渡していた物だな。

確かリフォとコーダル、スレイに渡していた。

リフォのは2人より大きいが。


「ん〜?イセからの通話に応答する、でいいのか?」


リフォが光る板に出てる文字の部分を指で押すと、


『おいこらリフォ!俺が罠仕掛けたみてえに言うな!飲み物や茶菓子を出したら、お前とマハガルとゴドさんが、「甘い物だけでなく肉系も」て言ったから出したんだろが!』


板の表面にイセの姿が出てきた。

・・・何故かイセ、人に囲まれてるな。

というか組み付かれてるな。

あと何故リフォの発言知っているんだ?


「いやまて!?イセ、何で俺が言ったこと分かってんだ!?観てんのかこの場所!?」

『観てるし聞いてるけども?それはともかく俺は罠仕掛けてねーぞ!』

「ともかくじゃねー!?一応ここ王城の中の会議室だぞ!?色々この城侵入とか盗聴とか、対策施してるのに何で観れてんだ!?」

『え?かなりガバガバだぞ?王城の正面の門とか窓とかには仕掛けてるけど、欠陥だらけだから簡単に素通り出来たが?王城自体の経年劣化による、ひび割れの部分から入れば感知されないし、そもそも天窓は一つも対策されて無いけど?ドアに鍵掛けてないどころか、ドア自体無いのと同じよ。侵入盗聴し放題だぞリフォ。今んとこそういう痕跡無いけどな。気持ち悪かったから俺流の対策勝手にしといた』

「マジかよ!?そんなに酷かったのかよ!?てかありがてーけど勝手にやるなよ!侵入者なのに褒美あげなきゃいけねー感じになったぞ!?どうしてくれる!?」

『いや別に要らんけども?勝手にしたのに褒美もらうって、そんなのやだ。依頼されたのならともかく、勝手に王城に侵入しちゃったし、お詫びっていう形で』

「まず侵入すんな!つーかこれ見方変えればお前結局罠仕掛けてんじゃねーか!?」

『それがどうした!』

「開き直るな!」


ぎゃあぎゃあ言い争う2人。

大臣達は全員固まってるな。

会話の内容にもだろうが、遠くの相手の声だけでなく、姿と周りの風景も見れる魔道具なんて、俺も初めて見る。

とんでもない・ありえない物をリフォにあげれる相手が、ダンジョンマスターのイセだと理解したようだ。


『イセ、おぬし一体いつ王城にそんな事したんじゃ?』

『皆が馬鹿共ぶっ飛ばしてる時に。ゴウが居なかった時にしたの。王城侵入はちょっと前』

『ああ、あれか。イセが魔法紙から出した小さな白いドラゴンの奴か』

『何体か出してたねー、イセちゃん。あれ王城に侵入する為に出したの?』


イセ以外の声もこっちに聞こえるな。

互いの様子や景色も見えるのなら、とてもすごい物だな。


『王城はついで。冒険者ギルドと魔道士ギルドの、建物の方調査し終わって、王城に侵入出来るかな〜と思って行ってみた。そしたら簡単に入れた。拍子抜けしたよ。まさか僕程度の魔道士の作った使い魔でさらっと入れるなんて』

『ついでで王城に入るんじゃないわい。それはそうと、あの時からずっと使い魔操作しとうたんじゃろう?よく維持出来たのう』

『魔法紙に込めてた分使ってやってたんだよ。1・2時間くらいは余裕で維持出来ると思う』


・・・すごい技術をさらっと言い切るな、イセ。

そもそも使い魔って何だ?


「しかしこれすげーな。離れた相手と話せるって、かなり便利だぞ。イセ、お前が作ったんだよな。これだけで一生遊んで暮らせるくらい稼げるんじゃねえか?」

『別にお金を貯めてやりたい事も無かったしね〜。「これ面白くね?」って設計図書いて、材料集めて、作ったは良いものの、配る相手居ない事に気づいて・・・。いや相手はいたんだけど、配る相手間違えたら、大事件起きそうで・・・』

「おう待て。それ以上言うな」


なんか悲しい話になりかけたな。

リフォが止めなかったらまずい事になってたかな。

ダルヤが怒りや好奇心など抑えながら、なんとか絞り出す様に、


「・・・イセ君。王城に侵入した件とか、後で色々聞きたい事言いたい事が沢山ありますが、これだけでも答えてください。両ギルドの調査とは何ですか?勝手に何をしてるのですか君は」


とイセに聞く。

調査って、確かに何を探していたんだ?

あの両ギルドの事は、これから話し合う予定だったが、イセが一足先に勝手に調査したのか。


『国が今から調査しますって言ったら、絶対証拠隠滅をするでしょう?ああいう声がでかいだけの責任転嫁馬鹿は、自分の立場とか権利権力をなんとしても守ろうと、こっちの想定を上回る速度で保身に走りますから。ダルヤさん達が一旦王城でダンジョンの事を話し合うって流れを、あえてあのアホ共の関係者の前でアピールしてもらったので、時間があると思ったでしょうね。自ら証拠を出して隠そうとしたので、そこを使い魔に回収とか転写とかなんとか色々やりました。あ、あと隠し金庫の中に奴隷関連の書類がありましたよ。今向かわせてる使い魔が持ってる鞄に入ってますから、確認お願いしますねダルヤさん』

「「「は?」」」

「「「え!?」」」


ダルヤと普通派大臣達は、イセが奴隷関連の書類の事を話した時に、本当にそんな物を持って来るのか、という反応をした。

だが反対派の大臣達は何故か青ざめている。


しかしなるほど。国が態々調査すると言えば、すぐに不利な証拠を消しにかかるだろうな。

イセは国という大きな勢力に注目させて、奴らが自ら証拠を出すようにさせて、それらを全部回収したのか。


・・・ん?上から変な気配が!?

パタパタと羽を羽ばたかせ、小さな白い丸みのあるドラゴンが天窓から降りてきた。

ダルヤの前まで降りてきて、アイテムバックを差し出す。

これがイセの行っていた使い魔か。

さらに天窓から同じ様なドラゴンがわらわら来た。


『どうぞダルヤさん。色々入ってますから。鬱陶しい奴らを全滅させられるレベルのものが』

「・・・?どういう意味ですか?イセ君」

『見れば分かりますよ。それではこっちの問題もどうにかしたいので、失礼しますね』


イセがどうやら魔道具によるやり取りを終えようとしている。


「あーまて、イセ」


それをリフォが止める。


『どしたのリフォ』

「色々あって聞きそびれたが、お前何で組み付かれてんだ?ハウロウ達も助けねーって、どういうこった?」

『あーそれ?聞きたい?』

「聞く。知りてえ」


そういえば忘れてた。

どうしてイセは組み付かれているんだ?


『アイスのおかわりを、マハガルと【闘士の門】の人達にねだられて、抵抗したけど圧が強くて、ダッシュで逃げようとしたら走る前にマハガルに捕まって、もがいてたら他の人が組み付いてきて、組み付いた人が僕のお腹枕にして寝始めて、身動き取れなくなってる』


・・・・・・。

おかわりねだってるかな、とは思ってたが、集団で圧かけるとは思わなかった。

あとイセのお腹枕にして寝始めてる人いるのも考えつかなかった。


「・・・どこまで事実だ?」

『全部』

「・・・マジで?」

『はい証拠』


イセの下側に映像が移動して、イセの腹を枕にしている獣人の顔が、ハイエナ獣人の顔が映る。

砂色の毛と濃褐色の斑点。赤色の髪のハイエナ獣人、ザウユがすごく気持ち良さそうに寝ていた。

ゴウより一つ年下なんだが、ガーディアンには通っておらず、【闘士の門】に所属しているだけ。

ガーディアンは結構裕福だったり名門の家系以外なかなか入れないしな。


ザウユは何というか、考え方や価値観が独特で、年齢の割に言動が子供っぽい。

天然なのか、もしくは病気か何なのかは知らないが、皆そんなザウユを受け入れている。

俺もそう。


『この通り動けません。どうすれば良いですか?』

「いや起こせばいいだろ」

『こんな気持ち良さそうに寝てるのに起こせと!?リフォが起こしてよ!僕はこの子を起こすなんて非道な真似出来ない!』

「いや俺が非道な真似すんのはいいのかよ!?」

『カツサンドでどう?』

「・・・食べ物で釣れると思うな!」

『ちょっと掛かってるじゃねーか!』

「うるせー!」

『ならば唐揚げでどうだ!」

「・・・唐揚げって何だ?」

『・・・え?こっち唐揚げ無いの!?』


イセとリフォのやり取り。

確かに起こし辛いが、リフォに押し付けてはだめだと思うぞ。

後食べ物で釣ろうとするんじゃない。

リフォもちょっと迷ってるし。

・・・俺もちょっと迷った。代わりに起こそうと思っちゃった。

そして唐揚げって何だろうか。


『えーと、カツサンドってのは、とんかつって言う、豚肉・ポーク肉を少し厚めに切って、衣付けて油で揚げたものを、パンに挟んだ物。ここまでオーケー?』

「おう」

『とんかつとか油で揚げたものは、『揚げ物』ってジャンルの料理なの。唐揚げもその揚げ物料理の一つで、鶏肉が一般的なんだけど、蛙とか蛇の肉でも作れる料理なの。味付けとか衣とかで色々工夫出来る料理の一つだよ』

「ほ〜う?」


なるほど、カツサンドとは違う揚げ物と言う料理なのか。

・・・ものすごく気になるな。


『大体の唐揚げの説明は以上。てか揚げ物ってジャンルの料理無かったのか。カツサンドモリモリ食べてたから、疑問に思わなかったよ。質問も無かったし』

「おい、イセ。昼飯それな」

『えぇ〜・・・。言うとは思ったけども』

「なんだよその反応。しっかり説明して俺達の食欲刺激したのはお前だろが。作れや」

『嫌で「『つくるよなぁ?』」ぬおぉ!?』


リフォだけでなく、向こうにいるマハガルがイセの顔を掴みながら圧をかける。

何度もこの流れをみたなぁ〜。

さすがにイセもこれは怖いらしく、マハガルの手の中で青ざめる顔が見える。

イセがぷるぷる震えながらもマハガルに、


『ちょっ、おま、脅迫(これ)以外頼み方知らねーのか!?なんかもっとあるだろ!?』

『作って欲しいなぁ〜』

『最初からそう言えよぉ〜!?』


ちょっと涙目になりながらマハガルに言うイセ。

がんばれ、イセ。負けるな。


イセの顔を掴むマハガルの手を、ハウロウが剥がしてマハガルをイセから遠ざける。

ザウユもこの騒動で起きてしまったな。


『リフォ、リクエストは分かったけど、食料とか頼むぞ!?材料無いと作れないからな!?』

「分かってるって。ちゃんと作れよ〜」

『へいへい。ゴドさんとダルヤさんと大臣の方々、それでは』


ガチャッと言ってイセの姿が消える。

昼飯が楽しみだな。


・・・?

イセの使い魔の持っていたアイテムバックの中身の紙束を見ていたダルヤが、怒気を放っている?

何故が書いてあるんだ?


「・・・王、これを」

「おう、どうしたダルヤ?・・・あぁ?」


ダルヤが複数の紙をリフォに渡す。

それを見たリフォ。変な物を見た様な反応をしている。

リフォが怒気と殺気を込めた視線を、反対派の大臣達に向けている。


「おいお前等。これどういう事だ?」

「ど、どういう、事とは?」


反対派大臣の1人が、リフォに怯えながらも聞き返す。


「アギース、ヘイガル、ザギラ。お前等の名前のサインが、奴隷契約の書類に書いてあるんだが、どういうこった?」

「「「な!?」」」


アギース、ヘイガル、ザギラは反リフォ派のまとめ役だと、ダルヤに聞いた。(アギースは赤犬獣人・ヘイガルは黒猫獣人・ザギラは白毛の兎獣人)

コイツ等の名前が奴隷契約の書類に書かれてるって、どういう事なんだ?


「おっ王!?それは罠です!あのダンジョンマスターがこの国を掌握する為に、その様な罠を!」

「イセがいつどうやってお前等の名前知ったんだよ?つーか何でイセが犯人になるんだ?名前書かれてるって言っただけで」

「え?」

「奴隷契約の書類に名前書かれてるって言われて、何でダンジョンマスターが犯人って言い切った?お前等がダーデやカハト達に、奴隷にされかけてるって可能性もあったろ?なのにお前等、何でそっちじゃなくてイセが犯人って言い切った?」

「・・・・・・・・・」

「お前等の名前は、奴隷となる獣人を、奴隷商人に渡して、金銭を受け取る契約の書類に書かれてる。お前等が商人に渡した本人と証明する欄にな。」

「・・・・・・」


反対派の奴等、顔色が青というか白になってるな。

冷や汗もだらだらと流れてる。


「こんだけでお前等を裁く訳にはいかねえがな。お前等の家に、関係者全員を調べる。文句は言わせねえ」

「「「まっ「黙れ」ッ!?・・・」」」


リフォの言葉に反対派が待ったと言おうとしたが、リフォが威圧して封殺する。


「ダルヤ、お前はコイツ等と関わりのある人・建物を探せ。衛兵に伝えてコイツ等の家に行って、書類を全て回収しろ。走り書きとかも全部な」

「はい」

「ゴドはコイツ等を地下牢に入れとけ。重要参考人だし、被害者だろうが加害者だろうが、口封じされるかもしれねえし」

「ああ」


リフォがテキパキと指示を出す。

他の大臣達にも指示を出していくリフォと、すぐさま行動に移るダルヤ。

俺も奴等を拘束・・・、なんか反対派が普通派の大臣達にすでに組み付かれているな。


「きっ貴様等放せ!?」

「断る!」

「やましい事無いなら堂々としてろ!」

「嫌だ!放せ!俺は関係ない!」

「それをこれから調べるんだろ!無実ってんなら協力しろ!」

「というか逃げようとしてたし、手遅れだろ」

「「「だよな」」」


あーなるほど。逃げようとしてたのか。

俺も奴等を拘束しなくてはな。

もっとも逃げれる訳ないがな。

というか何処に逃げるつもりなんだか。

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