エピローグ
俺はその場から起き上がると、俺の腹の上に乗っていた天地祓流剣を手に取り、アリスの亡骸のところまで歩み寄る。
「アリス...」
ぐちゃぐちゃに潰れた、その亡骸の、唯一潰れていない頭部を見つめ、呟く。
「安心しろ、俺がお前を助けてやる。それまで、待っていろ」
──riray,wasatr,dance,enderee.
eyva,eyva,and enderest.
xasa wago to hall.
ende wago to ketto,
wago vgon to ende ho vgon.
wago to arman──
「ex ulia fokast ax」
結句を唱えると、俺はその亡骸に、刀を振るった。
すると、俺の中から、膨大な魔力が抜け落ち、刀を媒介に、アリスの中に流れ込み、魔法が作用した。
断罪の斧。
固有歴史を書き換えることで、結果的世界をねじ曲げる魔法。
別名、やり直しの魔法。
スペルを最後まで一字一句唱えなければ発動しない、唯一の魔法。
その特性ゆえか、この魔法には、バグが存在する。
どんなに悲惨な運命で、跡形もなく滅びてしまっても、この魔法を使えば、思い通りに過去の歴史を改編でき、結果、死者をも蘇らせる。
アリスの亡骸が金色の光に包まれ、人の形を作り、蘇った。
「アリス!」
「ご、ご主人様!?い、いかがなされましたか?!」
こうして、めでたくアリスは生き返ったが、フツルギは、蘇らない。
なぜなら、そうしてしまえば、世界に亀裂が走り、消滅してしまうからだ。
俺たち二人は、『月の魔界』を後にし、家に帰った。




