プロローグ3 魔王が邪神になりました。さて、どうしましょう?
第3章、スタートです!
あれから、一週間後に、俺は死ぬこととなった。
そうしなければならない事態に陥ったか、はたまた、事故死か、なにかを守るためか。
あの日の晩に送られてきたメッセージが、その物語の始まりかもしれない。
俺達が『月の魔界』を後にして、元の世界に戻ってきた直後、そのダンジョンのベースとなっていた月が砕け散り、消滅した。
恐らく、なも知れぬあの魔王が作り上げた世界に、土台が悲鳴をあげていたのだろう。
その結果として、月が砕け散った事は予想の範囲内だった。
しかし、その続きは、全くの予想外だった。
その日は、両親は出張で、帰ってくるのは8日後だと聞いていた。
無論、家には誰もいないはずだった。
しかし、なぜか家の中に、俺とアリス以外の気配を感じる。
「この気配...。ご主人様、もしやこれって...」
アリスが小声で話しかける。
「ああ。間違いない。この感じはあいつだ」
体が恐怖に震える。
「魔王だ」
倒したはずだ。
禁句詠唱からのナグラファルで、物質存在である体ごと、あの世に連れていかれたのだ、生きているはずがない。
俺は彼女の気配のする方へ歩いていく。
そこは、電気の点いていない、暗いリビングだった。
その奥に、仄かに明るく光っている場所があった。
「お帰り、私のかわいい弟くん?」
誰のことを言っているのか、または別の誰かとの勘違いか。
そんなことすら、俺は頭の端に押しやり、天地祓流剣の柄に手をかける。
「嫌だなぁ。あんなので殺せると思った?」
口調の違いにすら、気づかないまま、俺は抜刀する。
「魔王か?」
「嫌々、私、邪神に進化しましたから。ナグラファルを使う前に禁句詠唱を行ったのは間違いでしたね?」
そして彼女はニヤリと笑い、こう付け足した。
「こうなったのも、あなたのお陰よ?まさか、あそこで冥界神を殺したら邪神になれたなんて。感謝するよ」
言い、彼女は人差し指を動かす。
「ご主人様、筆記魔法です、それも極大の!」
アリスが警告する。
「ちっ!マルファス!」
魔王の筆記魔法のスペルタイム中に、俺はマルファスを仕掛けて中断を試みるが、障壁に邪魔される。
「逃げるぞアリス!転移だ!」
「了解しました!」
そして、俺たちは魔王の筆記魔法から逃れるために転移した。




