第四話 初遭遇
土煙が段々と晴れていき、その姿があらわになっていく……。
土煙が完全に晴れると、目の前に現れたのは大体一メートル六十センチほどの少女。
黒を貴重としたレース、フリル、リボンで飾られた洋服にブーツ、銀色の長い髪に頭にはヘッドドレス。
ふわっとしたスカートを着こなし、赤い色をした目と、服にところどころ入れられている、紫色がいいアクセントになっている、そんな少女であった。
ずいぶんとミステリアスな感じの子である。
服装の影響もでかいような気がするけど、仮に着ていたのがカジュアルな服装でもそういう印象を受けそうである。
加えて、不思議なことに、彼女の服には汚れ一つないように見える。
うん、なんと言うか、パーフェクトだ、そういう点も含めて。
日傘のような物でも持っていれば更によしだったんだけどな。
まぁ、それは置いておくとしよう。
そもそも、この人はいったいどうしてここにいるのであろうか?
近くに自分の家があるとかでない限り、ここに一人でいるというのはおかしい気がする。
外見や服装を見る限り、こんな森の深くにいるような人ではないだろう。
まぁ、迷っていても仕方ないか。
「どういたしまして。
もっとも、別に君を助けようとしたというわけではないんだけどね」
実際、落ちたところに偶然いただけだしな。
「いえ、それでも助かったことに変わりはありません。
本当にありがとうございました」
そう言ってぺこりと頭を下げてくる彼女。
まぁ、そんなにお礼を言われることでもないような気はするが、美少女にお礼を言われるというのは悪い気しないし、ここで遠慮しても話が進まなそうなので、置いておこう。
「いえいえ。
それで、どうしてこんなところに?
女の子一人でこんな森の中にいるっていうのは危ないと思うんだけど……」
崖の上から見ても、周りには森しか見えなかった。
崖の高さは三百メートルはあったように思えるから、仮にここが地球と同じ大きさであれば、この周辺には少なくとも五十キロメートルぐらいは森が続いていると思う。
なんかの本で東京タワーから見える地平線の話を読んだので、そんなものだろう。
「あぁ、それは私が普通の女の子じゃないからですよ」
「?」
この子は一体何を言っているのであろうか。
もしかして、ちょっとあれな感じの子だったりするのかな?
「どうしましょうか……。
助けてもらいましたし、別にいいかもしれません。
どうせ、このままいても……」
ちょっぴり小声で何か言っている。
どういう意味だろうか。
「どうしたの?」
「あっ、いえ。
大したことではないというわけではないんですけど……。
まぁ、簡単に言ってしまうと、私もあなたと同じようなタイプということです。
今から変身をときますので少々お待ちを」
そう言って、彼女は眼をつぶる。
その直後、彼女の体を黒いオーラが覆う。
霧が晴れた後、そこにいたのは額に角を一つ生やした真っ黒な体毛の馬であった。




