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加護を受けし青年  作者: バルデル
第三章 戸惑いの日々
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第一話 道半ばにて

「ありゃ、もう朝になっちゃったのか」

「そのようです。

 実際、かなりの距離を歩いていますから」

「結局一睡もしてないのか。

 大丈夫か?」

「慣れていますから。

 このぐらいならなんともありませんよ」

「そっか、ってあれ?

 村だ」


 俺たちの向かう先、街道からは結構離れているが、ひとつの村を見ることができた。

 本当は道を歩いていたんだが、いつの間にか道をはずれていたのだ。

 なぜ、いつの間により険しい道を選んだのか、とても不思議である。

 まぁ、サバイバル生活をしていた名残なのかもしれない。


「村ですか?

 えっと、どこに……」

「ん?

 ほら、あっちあっち」


 指差す方向にとりあえず十軒ほどの家を見ることができる。

 まぁ、流石に時間が早すぎるせいで、人気はないが。


「人気がないですね。

 人の村ってこういうものなのでしょうか?」

「そりゃ、まだ朝早いからね。

 こんな時間じゃ誰もいやしないさ」


 早い人だとそろそろ外に出てくる人がいるかもしれないが、流石に辺りがまだ若干暗いし、起きてても、まだベッドの中だろう。


「そうなのですか。

 そういえば、ケイさんも夜に活動することが多いって言っていましたしね」

「ここの人がどうかは知らんけどな。

 さてと、目的地はあっちだっけ?」

「そうですね、あちらの方角です。

 あまり詳しく書かれていないので正確ではないんですけれど」


 向かっているのはエリュウテリアから大きな都市を三つ越えた先にあるこの国の首都パールプルースト。

 すぐ近くの都市に一度行ってもよかったのだが、念には念を入れて離れた都市を選ぶことにしたのだ。

 滅亡したカロス聖王国に近づいてしまうのがちょっぴり不安な気もしたが、そもそも瞬間移動できるなら、関係ない気がするということで、そちらへと向かっている。

 ちなみに、さっきの村の方面に行けば、多分、カロス聖王国へと行くことができるはずだ。

 身分証をもらったということで、そういうことならば、首都とかに行っても割りと大丈夫なのではと思ったのと、首都なら安全そうだということもかねて行き先を決めた。

 もし、周りにスラムみたいなのがあったとしても、身分証があればそこに行くことはないんじゃないかなと思う。

 まぁ、お金はあるし、最悪なんとかなるのだが。


「何とか昼前までにはついておきたいな。

 今回は泊まる宿なんかも見つけなくちゃいけないだろうし、あんまり遅くなると、とれない可能性もあるからね」

「そうですね。

 とすると、少しだけ急いだほうがいいかもしれません。

 次はトラブルに巻き込まれないといいんですけれど……」

「まぁ、早々巻き込まれることもないだろ」

「次、また何かあったら、もう森の中で暮らすほうがいいかもしれませんね」


 そういってくすくすと笑うエクラ。

 いや、まぁ、森の中も別に嫌いじゃないんだけどね。

 ただ、普段はいいんだが、寝るときだけは家の中のほうがやっぱり、安心してぐっすりと眠れるのだ。

 エクラは、そうは思わないのかな?

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