表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
73/75

第73話

 弘毅は彩香の想いを胸に、一人でマスターコンピューターの部屋へ向かった。


 偽りの加奈子と、操られた奈津の目をかいくぐり、ようやく最深部へとたどり着く。


 彩香が命を懸けて停止させたセキュリティのおかげで、重々しい扉は音もなく開いた。


 弘毅はゆっくりと部屋の中へ足を踏み入れた。


 そこは、これまでの無機質な研究施設とは異なり、異様な静寂に包まれていた。


 部屋の中央には、強化ガラスでできた二本の巨大な円柱が並んでいる。


 その内部には――


 狭間と加奈子の姿があった。


「ど、どうして……?」


 弘毅は目の前の光景に息をのんだ。


 二人はまるで眠っているかのように目を閉じ、無数のコードに全身を繋がれている。


 その時だった。


 ゆっくりと狭間の瞼が開いた。


「MZ1よ……。


 よくぞ、ここまでたどり着いたな……」


 静かな部屋に、低く響く狭間の声がこだました。


「MZ1……?」


 弘毅は思わず辺りを見回した。


 だが、この部屋にいるのは自分しかいない。


「誰のことを言っているんだ……?」


 弘毅が戸惑いを隠せずに尋ねると、狭間はわずかに寂しそうな笑みを浮かべた。


「……そうか。


 まだ何も思い出してはおらぬのか。」


 その言葉に、弘毅はただ立ち尽くすしかなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ