表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
72/73

第72話

「ど、どいてくれ!……

 そいつを壊さないと!」


 弘毅は彩香をそっと脇へ退かそうとし、アンドロイドの駿一へ近づいた。


「ダメ! やめて!……」


 彩香は駿一を守るように、その身体へ覆いかぶさった。


 その姿を見た弘毅は、思わず足を止めた。


 もう駿一に手を掛けることができなかった。


 彩香は駿一を優しく抱き締めるようにしながら、小さく囁いた。


「駿一……もう、いいの。


 一緒に……休みましょう……」


 彩香はそっと駿一の首の後ろへ手を回した。


 次の瞬間――


 彩香の掌から細いコードが静かに伸び、駿一の首の後ろへと接続される。


 淡い光が二人を包み込み、静かな電子音が部屋に響いた。


 ピッ――。


 ゆっくりと駿一の瞳から光が消えていく。


 それと同時に、彩香の身体からも力が抜けた。


「ごめんなさい……弘毅さん……」


 彩香は最後に弘毅へ微笑みかけた。


「私は……もう、一緒には行けないわ……」


「後は……お願い……」


 そう言い残すと、彩香の瞳も静かに閉じられた。


 駿一に寄り添うように彩香の身体は動きを止め、二人はまるで長い眠りについた恋人のように

 寄り添っていた。


「彩香……」


 弘毅はその場から動くことができなかった。


 胸の奥に、言葉にならない痛みだけが静かに広がっていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ