表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
67/76

第67話

「……ダメ。」


 彩香は小さく首を振った。


「わからない……」


 壁へ差し込んでいたコードをゆっくりと引き抜くと、伸びていたケーブルは

 音もなく腕の中へと吸い込まれていく。


 弘毅はその光景を呆然と見つめていた。


「き、君は……」


 言葉が続かなかった。


 彩香はそんな弘毅の視線を受け止めると、どこか寂しそうに微笑んだ。


「そう……。」


 そして小さく息をつく。


「私たちも、ここへ連れて来られたの。」


「えっ……?」


「そして、人間じゃなくなった。」


 彩香は自分の腕を見つめた。


「こんな身体に、造り替えられたの。」


 その横顔には諦めにも似た悲しみが浮かんでいた。


 弘毅は思わず息を呑む。


「私たち……って?」


 彩香は静かに頷いた。


「私だけじゃない。」


「私も、駿一も……そして他にも何人も。」


「みんな、あなたや奈津さんと同じように、この施設へ連れて来られた。」


 弘毅の背筋に冷たいものが走る。


「じゃあ……ここは一体、何なんだ?」


 彩香は首を横に振った。


「詳しいことは私にもわからない。」


 少し考え込むように目を伏せる。


「でも、一つだけ確かなことがある。」


 弘毅は息を呑んだ。


「ここは、もともと国が管理していた研究施設だったみたい。」


「国が……?」


 弘毅は思わず声を漏らした。


 国家が関わる施設。


 その事実は、この出来事が単なる犯罪では済まされないことを意味していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ