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第57話
「そのマスターコンピューターがある最深部まで、どうやって行けばいいんだ?」
弘毅は彩香を真っ直ぐ見つめながら尋ねた。
彩香は静かに頷く。
「そこまでは、私が案内するわ。」
そう答えたあと、彩香は奈津へ視線を向けた。
「でも、あなたはどうするの? ここにいれば、少なくとも安全よ。」
奈津は一瞬だけ俯いた。
だが、すぐに顔を上げると、力強く首を横に振る。
「……私も行く。」
「奈津……。」
弘毅は心配そうな表情を浮かべた。
「危険すぎる。ここで待っていた方がいい。」
奈津は小さく微笑み、弘毅の目を見つめる。
「もう一人で待つのは嫌なの。それに……今度は私も、あなたと一緒に進みたい。」
その言葉に、弘毅は何も言い返せなかった。
彩香はそんな二人を見つめ、大きく息をつく。
「……わかった。」
そして静かに微笑んだ。
「それじゃあ、行きましょう。」
三人は隠し部屋を後にし、研究施設の最深部を目指して歩き始めた。
薄暗い廊下はどこまでも続き、機械の低い駆動音だけが静かに響いている。
しばらく歩いていると、弘毅は前を歩く彩香の背中を見つめながら、
ずっと胸の中に引っかかっていた疑問を口にした。
「彩香……。」
彩香は足を止めずに小さく振り向く。
「君は、一体何者なんだ?」




