表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
53/74

第53話

 弘毅は俊敏な動きで、手術室にいた手術服姿の男たちを次々と倒した。


 男たちが床に倒れ込んだのを確認すると、弘毅はすぐに奈津のもとへ駆け寄る。


 「大丈夫か?……」


 奈津を拘束していたベルトを外し、手術台からそっと降ろした。


 身体を震わせながら弘毅にしがみついた奈津は、涙ぐんだまま周囲を見回し、


 「な、何なの……ここは?……」


 と震える声で訊いた。


 弘毅は首を横に振る。


 「さあ……俺にもわからない。でも、ここにいたら危険だ。早く逃げよう!」


 そう言うと、弘毅は奈津の手をしっかり握り、手術室を飛び出した。


 二人は薄暗い廊下を必死に駆け抜ける。


 しかし、その建物は迷路のように入り組み、どれだけ走っても出口らしき場所は見当たらなかった。


 何度も角を曲がり、長い廊下を抜けても景色はほとんど変わらない。


 「ねぇ……少し休まない?……」


 息を切らした奈津が、その場で足を止めた。


 弘毅も奈津の疲れ切った表情を見ると、小さく頷いた。


 「……そうだな。少しだけ休もう。」


 二人は壁にもたれ掛かり、荒い息を整える。


 だが、その間も弘毅の胸騒ぎは消えなかった。


 ――誰かに見られている。


 そんな得体の知れない視線を、弘毅はずっと感じ続けていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ