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掌編集   作者: Elnika Flose


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6/11

静けさの中の声

「うーたん、どこ行く?」

彼の肩を叩き、声よりも口の動きを強調して話す。


彼は運動場を指さして、「は、かー」とデカい声で返事をした。

僕は「いいね!」と笑顔で親指を立てて応えた。


サッカーは今、学年中で流行っていて、

休み時間はたった三十分しかないのに、

みんな授業が終わると同時にダッシュで集まってくる。


彼は耳が聞こえない分、周りをよく見て、

良い位置に移動するのが誰よりも上手かった。

そして、その運動神経を存分に発揮するドリブルは、

同級生なのに見惚れてしまうほどだった。


ボールを蹴るたび、風が鳴った気がした。

彼の声は、たしかにそこにあった。

――僕の中でも、ずっと響いていた。

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