第13話 さよなら
レェーネは下を向く。
「なんで?」
「母上が王子を懐妊した。」
「!」
「俺は用済み、もうすぐこの国から追い出される。隣国を周って知見を深めて来るようにいわれた。だが、その実は俺が新たな王子に手を出さないように厄介払いされるんだ。だから、もう俺にはお前を、光にしてやれ…」
ウィルはレェーネを抱き寄せた。
「そんな事言われてボクが君から離れられると思ってるの?!」
「!だって、俺は、もう…」
レェーネはらしくなく泣きそうな弱々しい顔でそういう。
「君が、ボクを光にしてくれるんでしょ?!君の元じゃなきゃ意味がないんだよ!」
「ウィル……」
それをアリーシャは見てしまった。ガシャンと飲みものを落とす。
「「!?」」
アリーシャはそのまま走りさる。
「馬鹿!追え!」
「は?!なんで?!ボク?!」
「ああ、もういい!俺がいく!」
「ちょっとっ」
王子はアリーシャを追った。森のおくでレェーネはアリーシャを見つける。
「ウィルは、男が好き、なんだな。」
「!そ、それは……」
「いや、いい。あたしはお前は嫌いだが、少しウィルの気持ちもわからなくない。」
「?」
「和平を持ち出された時、嘘だと思った。だが、お前は嘘は付かなかった。我々に有利に話しを進めてくれた。そんなお前をウィルが好きになるのも、わからなくはない。」
「アリーシャ嬢……」
レェーネは思っていた。それは違うと、ウィルはウィリを出し抜く為に自分に近づいているのだと思ったからだ。
「お前に負けた。ウィルを返す。」
「……すみません。」
そうしてウィルを王として迎える話はなくなったのだった。




