第八十五話:どうしても負けちゃいけない
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アリーナのフィールドには、二つのチームがいた。黄色い鉢巻きをつけたチームと、紫色の鉢巻きをつけたチーム。どちらも9人ずつで、全部で18人。いや、正確には、男17人と女1人だった。
王さんは、スタジアムのどこかから吉田さんが自分の名前を叫んでいるのを聞いた。彼女は左を向き、右を向いたが、声の出所を特定することはできなかった。
観客の喧騒がコロッセオ中に響き渡っていた。
額には黄色い鉢巻き。王さんの右手には、籠のような手袋がある。腰にはロープのベルトが巻かれ、そこに、さまざまな大きさの泥のボールが入った袋が取り付けられていた。
フィールドの反対側では、紫色の鉢巻きをつけた男が、両端に輪のついた長い柄を持っていた。その輪には、緩く垂れ下がった網が取り付けられている。
それぞれのチームの6人は、先端が菊のような形をした長い柄を持っていた。それを使って輪のついた柄を動かそうとしたり、特定の位置に固定したりしていた。
残りの男たちは、漏斗のような籠を使い、籠のような手袋を持った者が投げた泥のボールを受け止めていた。
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黄色チームが輪のついた柄を固定していた。しかし、輪の開口部は紫チームによって塞がれていた。残されている隙間は、ほんのわずかだった。
王さんは腰の袋に手を入れた。小さな泥のボールを一つ取り出し、籠のような手袋の上に置いた。
輪のついた柄が、その位置に留まっていられる時間は長くない。
彼女は両腕を大きく広げ、上半身を振った。その回転によって、泥のボールは時速184.3キロで放たれた。完璧な放物線を描きながら飛び、小さな隙間を通り抜けようとしていた。
しかし最後の瞬間、輪のついた柄を支えていた者たちが動かすことに成功し、彼女のシュートは外れた。
両チームから一人ずつ、漏斗のような籠を持った男が泥のボールへ向かって走った。
二人は肩から激しくぶつかり合い、紫チームの男がボールを奪い取った。
「チッ」
黄色チーム全員が、同時に舌打ちした。
「おお、黄色ん組にゃ、おなごが一人おっと思うちょった。じゃっどん、おいが間違うちょったど。あっちにゃ、おなごが九人もおっとじゃ。ムハハハハ!」
紫チームの一人が挑発するように言った。
男はそれから籠の中からボールを取り出し、空中へ掲げた。
アリーナの西側の壁に掲げられた大きな黒い板の左側にいた少年の一人が、その板に石で白い線を引いた。
観客の半分が歓声を上げ、残りの半分がブーイングを浴びせた。
3
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「フォーメーション、四・二・二!」
黄色チームの男の一人が叫んだ。
菊のような形の先端を持つ長い柄を構えた4人が、輪のついた柄を固定した。残る2人は、紫チームの男2人を阻んだ。
輪の開口部を塞いでいる紫チームの4人だけなら、泥のボールが一つ通れる程度の隙間ができていた。
しかし、紫チームの漏斗のような籠を持った男の一人が、王さんの投球を阻止するために向かってきた。
彼女は最初の男をかわし、二人目のタックルも逃れた。そして右腕を回転させ、ボールを投げた。再び、完璧な放物線だった。
今度は突然、輪を塞いでいた紫チームの4人が、それを放した。
輪のついた柄を固定するために加えていた力と釣り合う力がなくなったことで、黄色チームの男たちが加えていた力によって柄がずれ、泥のボールは狙いを外した。
しかし、紫チームの漏斗のような籠を持った2人が投手を阻止することを選んでいたため、黄色チームの男の一人が難なくボールを受け取った。
そして、彼はそれを王さんへ投げ返した。
4
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王さんは息を切らしていた。あれほど寒い天候でも、彼女は汗までかいていた。少しでも涼もうと、毛皮の外套の襟をぱたぱたとあおいだ。
紫チームのリーダーは、かなり経験豊富な選手だと聞かされていた。23連勝を記録しており、2年以上も負けなしだった。
黄色チームのリーダーもかなり経験豊富だった。しかし、彼の戦績はそれほどではなかった。最長の連勝記録は8試合で、彼のチームは9試合連続で勝てていなかった。
「くそっ、このずる賢い野郎。私をこんなのに参加させやがって。『まあ、フェアプレーになるから』って言ってたくせに。何がフェアプレーよ!」
王さんは呟いた。
彼女はチームリーダーを見た。彼は彼女に背を向けたまま、左手を上げ、指を3本伸ばして見せた。
「バカ。3人だけでゴールを安定させられると思ってるの?」
彼女は不満そうに言った。
彼女は、もっと大きな泥のボールを一つ取った。
予想した通り、輪のついた柄は大きく揺れていた。黄色チームにとって、ほとんど最後のチャンスだった。
実際、彼女の袋にはまだたくさんのボールが残っていた。しかし、相手チームはすでにそれと同じくらいの数を奪っていた。一方、彼女はまだ一つもボールを輪に通し、網に引っかけることができていなかった。
もしこのボールまで奪われたら、彼らは試合に負ける。
審判が投球のカウントダウンを開始した。
「8」
彼女は輪のついた柄の揺れのリズムをつかもうとした。しかし、あまりにも不規則だった。
「7」
その間にも、紫チームの漏斗のような籠を持った男が、彼女に向かって走ってきた。
「6」
彼女は彼をかわした。
「5」
男は追い続けてきた。
「4」
彼女は再び立ち止まり、輪のついた柄の動きを見極めようとした。
「3」
無理だった。
しかし、勝つか負けるかなんて、そんなに重要なことなのだろうか?
「2」
彼女には、その声が聞こえた。まだ声の出所は特定できない。そして、今度はほかにも声があった。
「あっ、ひっちゃん、つむぎ、さっちゃん、みんな……うん、負けるもんか!」
「1」
そして――
5
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パァン!




