第八十三話:合法的だとしても納得できない
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「静はどこ?」
高橋さんが尋ねた。
「さっきの年寄りに連れていかれた。佐藤先生も一緒に行ったよ」
吉田さんの隣に座っていた加藤さんが答えた。
「くそ……。またあいつに酔わされなきゃいいけど」
「それを先生も心配してた。かなり強く抗議してたよ」
「まあ、先生が一緒に行ってくれたのは、少し安心したよ。でも、あの抗議がちゃんと伝わったとは思えないな」
「実は……」
「何? あいつら、日本語が分かるの? それとも、先生が英語で話したとか?」
「ああ……。でも、静はあの人たちと話してた?」
「え?」
「それに、ひっちゃんも」
吉田さんは、ただ頷いた。
「お前……あの人たちが何を話してるのか、分かるのか?」
吉田さんは、もう一度ただ頷いた。
2
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「すみません、兄ちゃん……いや、旦那さん。ここで風呂に入るには、どうすればいいんですか?」
井上くんが尋ねた。
兵士は眉をひそめ、右眉を上げた。
「風呂。お・ふ・ろ……」
少年は繰り返した。
中村くんは、左足を後ろへ引いたまま、まるでそのまま振り返って逃げ出す準備をしているかのようだった。
「なんで風呂んこつば聞いちょっとか? また誰か汚物溜めに落ちたっちゅうんか?」
ムワッハッハッハ。
兵士が答えた。
「いや、でも、俺たち、もう一週間近く風呂に入ってないんですけど……」
それを聞くと、兵士は2分16秒もの間、腹を抱えて大笑いした。
ムワッハッハッハ。
別の兵士がその騒ぎに気づき、何が起きているのか見にやって来た。
最初の兵士は笑いを止めることなく、井上くんが「一週間近く風呂に入っていない」と言ったことを二人目の兵士に伝えた。
すると、二人の兵士は互いの笑い声につられるようにして、さらに6分12秒もの間、大声で笑い続けた。
ムワッハッハッハ。
二人が息を切らしながら、ようやく笑いを止めようとしたところで、三人目の兵士がやって来た。
そして、さらに15分54秒もの間、笑いが続いた。
ムワッハッハッハ。
3
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「彼は何て言ってるの?」
佐藤先生が尋ねた。
「私たちのほかにも、まだ外に私たちの仲間がいるのかって聞いてる」
「私たちのほかに? いえ……」
「私もそう答えた。でも、どうやら、最近起きた赤い光の現象の原因が、私たちの中の誰かだと疑ってるみたいだ」
紫色のローブを着た老人は話し続け、その間に王さんが先生に説明した。
「でも、どうして私たちだと思うの?」
「山に体育館が現れたとき、あいつらの兵士たちが赤い光を見たんだ。二回目は、私たちを避難している途中。そして三回目は、私とひっちゃんが水中にいたとき、船の下で」
「でも、その赤い光がまた現れたとき、私たちは全員ここにいたんでしょう? それに、最後のときは山の近くに光の発生源を特定したって言ったよね? だったら、私たちの中の誰かじゃないっていう証拠に――」
彼女は言葉の途中で止まり、確認を求めるかのように、王さんの目をじっと見つめた。
少女は頷き、厳しい口調で付け加えた。
「どうしてあの子……エマがあなたに恋したのか、分かった気がする」
先生は数秒間、眉をひそめた。そして、生徒が今言ったことの意味に気づいたかのように、
「そ……そんな馬鹿なこと言わないの!」
と叫んだ。
紫色のローブを着た老人は話すのを止め、目を大きく見開いて先生を見つめた。
「す……すみません」
先生は頭を下げた。
4
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外の騒ぎは、寮の中にいる人たちにも聞こえていた。
何が起きているのか見ようと、多くの生徒たちが外へ出てきた。
二人の兵士が、抵抗する佐藤先生を引きずっていた。彼女は足を蹴り上げ、両腕をばたつかせ、そして大声で叫んでいた。
「犯罪よ! あなたたちがやっていることは犯罪よ! この子は未成年なのよ!」
しかし男たちは、何も起きていないかのように振る舞い、それぞれ先生の腕をしっかりと押さえながら、引きずり続けた。
小林さんは、ほかの生徒たちの間をかき分け、先生のもとへ走った。しかし、兵士たちは空いているほうの腕で彼女を近づけさせなかった。
すると彼女は、兵士たちの尻を蹴り始めた。
兵士の一人がもう一人を見る。二人は頷いた。
一人が先生を後ろからつかみ、そのまま引きずって寮の一つへ向かった。
もう一人は小林さんの襟をつかみ、米袋でも抱えるように脇に抱えて、そのまま進んでいった。
5
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ムワッハッハッハ。




