第七十五話:先行き知らなくても怖がらない (その二)
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紫色のローブをまとった年配の男性は、身体を横向きにして座り、右肘をテーブルにつき、脚を組んでいた。左手では、糸を紡ぐように口ひげをくるくると回し、まるでその毛をさらに長く伸ばそうとしているかのようだった。
王さんは、鳥のような生き物、あるいは魚のような生き物の攻撃で多少傷んだ学校の制服だけを身につけ、震えていた。彼女は紫色のローブの男の正面、テーブルを挟んだ反対側に座っていた。
彼女は周囲を見回した。
部屋はとても質素だった。家具はテーブルと椅子だけ。窓はない。
壁は、固い岩のブロックを積み上げて作られているようだった――ただし、ブロックとブロックの間には隙間があり、そこはモルタルで埋められていた。
そこにはカビが生えており、どこかから湿気が入り込んでいることを物語っていた。
特に地面に近いところでは、モルタルに穴が開いている箇所もあった。そこから冷たい空気が流れ込んでいたが、穴の大きさからすれば、小さな子猫一匹くらいなら通り抜けても不思議ではなかった。
天井からは、一種のシャンデリアが吊り下がっていた。この部屋で唯一の明かりだった。
そして当然、二人が入ってきた鉄で補強された重い木製の扉もあった。そして、いずれこの部屋を出るときにも、そこを通ることになる。
「ゾ・プルブ・ヤル。ウガ・ジイ・カ? マダ・ウガ・オドロジイ・カ?」
彼が言った。
彼女はただ、無表情のまま彼を見つめていた。
男が指を鳴らした。
戦士たちが一人の男を中へ入れた。その男は、先端に水晶の球のようなものが付いた杖を持っていた。
そのとき、壁の穴の一つから入ってきたらしいネズミのような生き物が、彼女の左足首に噛みついた。
「痛ぁっ!」
彼女が叫んだ。
その瞬間、淡い青色の強い光が、部屋を照らしたように見えた。
2
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「な……何だったの?」
王さんは床を見回しながら尋ねた。
戦士の一人が、一歩踏み出してその生き物を踏み潰した。
「悪かったな。医者に診てもろたほうがええか?」
紫色のローブの年配の男性が言った。
「あ、ありがとう。でも、大丈夫だと思う。大きな怪我っていうより、痛かっただけだし。あとは、病気を持ってなければ……」
彼女はそこで言葉を止め、男を見た。
「え……待って。日本語、話せるの?」
「実際には、今あんたがしゃべってるんはビ・ヌ・ガ・ビや。」
「え……どうやって?」
「まあ、今は大事なことやない。それより、あの赤い光について知りたいんや。
3
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「せ……先生?」
半目を開けた吉田さんが、ベッドの上から呟いた。
「あら、目が覚めたのね。気分はどう?」
佐藤先生が尋ねた。
「つ……つむぎんは?」
「つ……むぎん? ああ、加藤さん? 元気よ。あなたたちのほかの友達と一緒に、別の場所にいるわ」
「こ……ここ、どこ?」
「ここは……医務室みたい。あなたと王さんが、ここへ運ばれてきたのよ」
「ど……どこにいるの?」
「えっと……彼女は……ちょっとの間、別の場所へ連れていかれたの」
「だ……大丈夫なの?」
「そうだといいんだけど……」
先生は静かな声で言った。
4
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「ほんなら、あんたはちょうど赤い光が照らしとった場所におったんやな。それで、何も見えへんかった言うんか?」
「何が起きたのか分からない。だから、そう言っているんだ」
「まあまあ、あんたらのまとめ役やから、何が懸かっとるんか分かってくれると思っとったんや。ええか、わいは帝国の代表としてここに来とるんや。この場所は嫌いや。寒すぎるからな。せやけど、ここも皇帝陛下の庇護の下にある、陛下の領土の一部や。陛下は、その無限の慈悲と無限の叡智をもって、こんな帝国の辺境の地にまで心を配っておられるんや。せやのに、陛下の聖なる土地の国境で、不穏なことが起こっとる。そんなガキの生意気さごとき――こんな連中の中で指揮官の立場におり、しかも熟練の戦士たちにさえ大きな犠牲を強いるほどの極限状態の中で、腕前と機転を見せた者であろうとも――わいの皇帝陛下への務めを邪魔することはできへん」
「わ……私の言っていることが分かりませんか?」
「ほな、ほんまに協力する気がないんやったら、もうわいには他に選択肢はないな……」
5
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紫色のローブをまとった年配の男性は、もう一度指を鳴らした。
すると今度は、何かを布で覆ったものを載せた、盆のようなものを持った男が部屋へ入ってきた。
ゴクリ




