第七十四話:先行き知らなくても怖がらない (その一)
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彼らは、ニスィノアタラミヤの北門にいた。
そこでは、かなりの人数からなる一団が彼らを待ち構えていた。
毛皮の外套をまとい、剣を帯びた軍人たち。ほかには、もっと洗練された服装で、ほとんど武装していない者たちがおり、民間の役人らしい。そして、凝った紋章のようなものをあしらった豪華なベストを着た女性もいた。
さらに、白髪で、長い白い馬蹄型の口ひげ —をたくわえ、紫色のローブをまとった年配の男性もいた。そこにいる誰もが、彼に媚びへつらっていた。
学校の皆さんは、船に乗ってからまともな食事を一度も取っていなかった。
それが、護衛の戦士たちが警備隊長に叱責されていた理由なのだろうか?
隊長は戦士に頭を下げさせ、自身も眉間に内側が吊り上がったような皺を寄せ、口角を下げていた。
そして、彼らが最初に行ったのは、木製の板に印が押され、門の警備兵の一人に回収された直後のことだった。生徒たちを、軍の宿舎にある食堂へ案内することだった。
王さんと吉田さんは、医務室へ案内された。
彼女たちに付き添うことを許されたのは佐藤先生だけだった――おそらく、教師として二人に責任があるのだと訴えても、彼らには理解されていなかったのだろう。
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食事はかなりしっかりしたものだった。そして、とても満足できるものだった。あれほどの苦難を経験し、長い間まともに食べていなかった後なら、なおさらだ。
しかし、決してご馳走というわけではなかった。塊茎の入った、温かくてクリーミーなスープ。ただし、肉はなかった。
学校の皆さんがどういう扱いなのかは、はっきりしなかった。
囚人? 客人? 拘留者? 目撃者? 調査対象? 人質?
牢屋に入れられているわけではないので、囚人ではないのかもしれない。
しかし、軍の宿舎から出ることは許されていなかったので、おそらく客人でもない。
彼らは二つの宿泊施設に分けられていた。
どちらも厳重に警備された宿泊施設だった。
それぞれの大部屋には、二段ベッドが大量に並んでいた。質素なベッドではあったが、揺れて、凍えるほど寒く、窮屈な馬車の中で眠るよりは、比較にならないほど良かった。
「お風呂があったら最高なのに……。シャワーでもいいから……」
「ここでヘアブラシとか櫛とか、どうやって手に入れるの? 髪がめちゃくちゃなんだけど……」
「おい、井上、スマホ消して。明るすぎる。寝たいんだけど……」
「彼女に、おやすみって言いたいだけ……」
「もう諦めろよ。電波ないんだから……」
「分かってる。ただ、彼女の顔を見てるだけ……って、おい、スマホ返せ!」
「うわ、めっちゃ可愛い子じゃん。お前、付き合ってくれないとバラすぞとか脅して付き合ってもらったの?」
「黙れ!」
「うっ、ウンコしたい……」
「キモォい! 男子っていつもそうなんだね。私たちなら、男女別にしてくれって要求してたよ……」
「黙れ!」
3
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「どう?」
ベッドの上から王さんが尋ねた。
「体温は正常に戻ってきているみたい。顔色も戻ってきているわ」
佐藤先生は、片手を吉田さんの額に、もう片方の手を自分の額に当てながら答えた。
「ああ、それはよかった!」
「あなたはとても勇敢だったわ。でも、かなり無謀でもあったわね」
「紬は、もし陽葵が……もし陽葵が……」
王さんは泣き始めた。
佐藤先生は何も言わず、ただ彼女を抱きしめた。
4
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学校の皆さんを乗せた商隊の到着を監督していた委員会の男二人が、王さん、吉田さん、そして佐藤先生のいる医務室へ入ってきた。
さらに三人目の男が入ってきた。それは護衛の戦士の一人で、入るなりベッドにいる二人の女子を指差した。
「オゴイヴォル・モドバ・ドレ」
紫色のローブをまとった年配の男性が言った。
「待ってください、まだ回復途中なんです」
佐藤先生が言った。
当然のことながら、先生の言葉は聞き入れられなかった。兵士は王さんをベッドから引きずり下ろした。
彼らは女子を連れていった。
先生が後を追おうとすると、部屋の外、扉のところにいた別の二人の警備兵が彼女の行く手を塞いだ。
「心配しないで、私は大丈夫だから!」
廊下から王さんの叫ぶ声が聞こえた。
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佐藤先生はしばらくの間、扉を見つめていた。平らな石床を踏む足音が、コツ、コツと次第に遠ざかり、やがて完全に聞こえなくなるまで。




