第七十話:何も見えなくてもじっとしていられない (その四)
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護衛をしていた戦士たちの何人かは、生徒たちが何をしたのかを見ていた。壺から出てきた煙と、それがあの小さな鳥のような生き物たちに及ぼした効果を。
そして、煙が薄れ、ムクドリのような生き物たちの群れが再び集まり始めると、彼らは船を下り、木や枝を集め始めた。
川岸で火を起こし、そこへ青々とした葉のついた枝を投げ込んだ。しかし、それは煙による合図ではなく、大規模な飛行生物よけを生み出すためのものだった。
火が濃い煙の雲を吐き始めて間もなく、ムクドリのような生き物たちの群れは散っていった。
しかし、それは空高くへ上がって再び集まるためだった。彼らは遠くから旋回し、まるで再び煙が消えるのを待っているかのように、しばらくその場を離れなかった。
戦士たちは大量の丸太や枝を船に積み込み、甲板に野営用の大鍋をいくつか置いて、その中で火を起こし始めた。
その一方で、船員たちは船を再び浮かせることに成功した。
戦士たちと船員たちは腕を頭上高く掲げて歓声を上げた。
渡し船は、絶え間なく煙を吐き続ける水上の蒸気機関車のように、再び下流へ向けて進み始めた。
2
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ムクドリのような生き物たちの群れは、空高くを旋回し続け、遠くから船を追いかけていた。
「ガラガ・ヤバヌ・カ?」
船員の一人が、戦士の一人に尋ねた。
戦士は、ただ肩をすくめた。
鳥のような生き物たちの脅威は、少なくとも、しばらくの間は退けられた。しかし、それですべてがうまくいったわけではなかった。
生き物たちの攻撃によって帆布に開けられた穴から、煙が馬車の中へ入り込み始めた。
咳き込み、目を赤くしながら、全員が馬車から出た。
すでに吐き気を催していた者たちの多くは、今度は息苦しさまで感じ始めていた。
それから間もなく、多くの者が甲板で吐いた。
吐瀉物の酸っぱい腐敗臭が引き金となり、連鎖反応が起きた。
3
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「ガラガ・ガラバ・グマデ・ドボグ・ヴィアザラムヴォ」
船員の一人が言った。
煙幕は次第に薄くなり始めていた。そして、鳥のような生き物たちが近づいてきた。
護衛の戦士の一人が合図を送った。それを受けて船員たちは船を操り、川岸へゆっくりと船を寄せて止めると、重い錨を川へ投げ入れた。
何人かの戦士たちは岸へ上がり、薪と青々とした枝を集めに行った。
火に薪をくべると、煙の雲は再び濃くなり、生き物たちはまた遠ざかっていった。
しかし、群れはぐるぐると旋回し始め、そして――
川へ飛び込んだ。
水面に激しくぶつかるたび、淡い青色の光を放っていた。
彼らは魚のような姿へ戻り、巨大な群れを形成した。
そして生き物たちは再び船底へ押し寄せ、船体を激しく揺さぶり始めた。
魚のような生き物たちによる揺れで、船は再び川岸に乗り上げてしまった。
4
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肉体的にも精神的にも疲れ果てていた学校の皆さんの多くは、魚のような生き物たちに揺さぶられる船に耐えきれず、甲板の床に倒れ込んでしまった。
船酔いしていなかった者でさえ、倒れた。
しかも、吐瀉物で濡れて滑りやすくなった甲板が、状況をさらに悪化させていた。
「ひっちゃん、危ない!」
王さんが叫んだ。
しかし、遅かった。
彼女は倒れただけでなく、魚のような生き物たちによって船が揺さぶられる中、さらに滑っていってしまった。
「どうしたの?」
高橋さんが尋ねた。
「ひっちゃん……あっちへ滑っていった!」
王さんが答えた。
「え? 陽葵が?」
船が再び揺れ、二人も甲板の床に倒れ込んだ。
「うっ!」
そして――
「助けて!」
誰かが叫んだ。
「陽葵だ!」
高橋さんが叫んだ。
「ひっちゃん! どこにいるの?」
王さんが煙の中で叫んだ。
「た……助けてぇ!」
「叫び声はあっち!」
立ち上がりながら、高橋さんが言った。
「行こう!」
王さんも立ち上がった。
「静、さっちゃん、待って!」
「紬、手を貸して!」
高橋さんはそう叫びながら、彼女の手をつかみ、立ち上がるのを手伝った。
滑りやすい甲板を慎重に歩き、二人は船の側面にある手すりまでたどり着いた。
「助けて!」
煙の中に、船の縁からぶら下がっている女子の姿が見えた。
二人はそこまで走り、すぐに彼女の手をつかんで引っ張り上げた。
「大丈夫……もう安全だよ……」
王さんが呟いた。
「ああ、よかった……」
そして――
5
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再び船が揺れた。
吐瀉物で覆われた手、吐き気による目まい、寒さによる感覚の麻痺、鳥のような生き物や狼のような生き物の攻撃による傷、眠れなかった夜、空腹による衰弱、そして煙による息苦しさ……そのすべてが、ついに身体へと重くのしかかった。
女子の手が、彼らの指の間から滑り抜けた。
そして二人の目の前で、彼女は凍えるように冷たい川の水へ落ちていった。




