第五十六話:どうしてもいられない
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学校の皆さんは、自分の手で上腕をさすりながら、身体を震わせていた。
毛皮の外套をまとった戦士たちに囲まれて体育館を出ていく途中、彼らは、何人かの男たちがトカゲのような生き物の最後の一体を倒しているところを目にした。男たちは雪の上に倒れている生き物たちに剣を突き立てていた。
地面には、血だまりの中で動かなくなっている戦士たちも大勢倒れていた。一方で、身体を起こして座り、仲間たちから手当てを受けている者もいた。
体育館からさらに離れていくにつれ、雪はどんどん深くなっていった。
「ナバリ・アナラバ・オドレ!」
戦士の一人が生徒たちに言った。
そう言った直後、佐藤先生の姿が消えた。雪の中へと飲み込まれたのだ。
「ザガレ! ドボグ・ビィエ! ヨグ・ダイ!」
戦士たちは叫び、先生が落ちた穴へ近づこうとする生徒たちを引き戻した。
男の一人がうつ伏せになると、穴の縁までゆっくりと身体を滑らせ、頭を縁から突き出した。
「ヴババ・ヨグ・ヲル・カ?」
彼は静かに言った。
「お願い、助けて!」
先生が叫んだ。
2
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先生の片腕は自由になっていて、そこにロープを巻きつけることができた。
戦士たちは彼女を穴から引き上げた。
彼女は身体を震わせ、チアノーゼを呈していた。
男の一人が、自分の毛皮の外套を彼女に掛けた。
「わあ、あったかい……うっ! すっごく臭い!」
佐藤先生が言った。
3
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「ヴラ・ダイラバ・アバナバ・ナラヌ」
戦士の一人がそう言った。
しかし、返ってきたのはきょとんとした顔だけだった。
そこで彼は、腕を折りたたむようにして肘を横へ突き出すジェスチャーを始めた。
それでも、反応はなかった。
戦士は眉間にしわを寄せ、顎を固く引き結んだ。
そして別の戦士に合図すると、その戦士が近づいてきた。
何かを話したあと、二人は互いの腕を組んだ。
学校の皆さんは、互いに顔を見合わせた。
戦士は唸り声を上げながら、生徒を二人、腕をつかんで引き寄せ、互いに腕を組ませた。
4
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学校の603人の皆さんは、それぞれ約10人ずつの人間の鎖に分かれた。
列の最後尾にいる人が、その鎖を安全柵や命綱のように使いながら前へ進む。そして、その人が先頭になったら、新たに最後尾になった人が同じように進む。
とてもゆっくりとした進み方だったが、その分、はるかに安全だった。
毛皮の外套をまとった戦士たちに護衛されながら、5.032kmに及ぶ山の斜面を下るのに、彼らは4時間15分を要した。
その間、負傷者や死者は運ばれていた、というより、戦士たちが木の樹皮で作ったスキーのようなものに乗せたロープ製の網を引っ張り、引きずって運んでいた。
低い気温に加え、山から風が絶え間なく吹きつけていたため、寒さはさらに厳しかった。
学校の皆さんの体温は、常に低体温症になりかねない水準だった。
それをかろうじて防いでいたのは、高橋さんと女子たちが配っていたスペースブランケットと、死者から借り受けた毛皮の外套だった。
5
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山の麓には、大型の幌馬車が26台停められていた。
350人の兵士を、ある程度余裕を持って運べるだけの数だった。
しかし今や、捕らえられている者たちはその倍近くもいた。
先頭の戦士が言った。
「ワラ・ケズビドド・マダリダル ビドラバ・ビク。ヨイ・ビドラバ・ゴマリガニ・ビギニ・マチ・ウィル。アリク・クド・ナイ」
「スガ・ワラ・ウィモノバ・マタヌ」
残っていた男の一人が答えた。
「オイ・ゴ・モロバ・ミエ。ウィモノ・オボグ・アル」
先頭の戦士は森を指差しながら言った。
すると、近くにいた戦士たちは眉をひそめ、学校の皆さんに視線を向けた。




