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第二十六話:びっくりするほど思いがけない

1

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戦士は鈴木(すずき)くんの両手をつかんだ。


「おい、何ばしちょっとじゃ、このクソガキゃ!」


男は無表情のまま言った。


前腕を強く握り締められ、鈴木(すずき)くんの顔が苦痛にゆがんだ。


「うっ……!」


彼が声にできたのは、それだけだった。


「ワカピト、あん若ぇ衆に、そげん手荒な真似すんな」


左目に傷のある男が言った。


解放されると、鈴木(すずき)くんは地面にひざをつき、腕に息を吹きかけた。


渡辺(わたなべ)くんは座ったまま動かず、口をぽかんと開けていた。


だが、まるでまた喉を痛めたかのように、声は出なかった。


2

---------

「ほいじゃ、若ぇ衆。あん馬鹿ん真似はもうやめて、赤か光んこつば話せや」


左目に傷のある男が言った。


だが、二人とも黙ったままだった。


鈴木(すずき)くんは話す気がなく、渡辺(わたなべ)くんは一言も発することができなかった。


その全神経は、尿道括約筋を締めることに注がれていた。


「おはんらが、おいどんらの言葉も分かっちょって、ビ・ヌ・ガ・ビまで話せるこつぁ、もうよう分かっちょっど。ちぃっと妙な話し方じゃっどん、ちょうど高原ん連中んごつじゃ。おはんらとあん連中は、何ん関わいがあっとや?」


男は鈴木(すずき)くんをじっと見つめた。


そして、ゆっくりと近づいた。


上体を左右に揺らしながら顔を近づけると、右手で鈴木(すずき)くんの両頬をつかんだ。


頬をつねり上げ、そのまま口を開かせた。


「おやおや、こりゃ何じゃ? 歯ぁ一本も欠けちょらん。真珠んごつ白か。おなごでん、こげんきれいな歯ぁ持っちょるもんはおらんど。そいに、このええ匂い……。おはんら、どっかん偉か家ん者じゃったとか?」


二人の生徒が口を閉ざしたままでいると、男は言った。


「まぁ、そいはさておき、食糧ば積んだ荷車が明ん朝にゃ来るはずじゃ。来たら、おはんら若ぇ衆のこつぁ、もうおいが気にするこっじゃなかど」


3

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二人は空腹のまま、小屋に戻された。


「やっぱり、赤い光について知ってることと食べ物、交換してもいいと思うんだけどな。結局、俺たちもあれについてほとんど何も知らないし」


渡辺(わたなべ)くんは愚痴をこぼした。


「まあ、こっちにはまだこの切り札がある」


「それで何も手に入らないけど……」


「そんなことはない」


「どうして?」


「俺たちは友達がどこにいるか……いや、正確な場所は分からないけど、誰と一緒にいるかは分かってる。それに、もうすぐ一緒になれる」


「どうして、すぐに合流できるって分かるの?」


「左目に傷のある男が言ってただろ。明日、食糧を積んだ荷車がここに来て、それからは俺たちの面倒を見る必要がなくなるって……」


渡辺(わたなべ)くんは目を大きく見開いた。


「ま、まさか……明日、僕たちを殺すってこと? それに、仲間たちはもう死んでるってこと?」


「まあ、赤い光のことを知られていたら、俺たちを始末する可能性はある……」


「じゃあ、どうするんだろう?」


「たぶん、荷車で仲間たちが捕まってる街か村のどこかへ運ぶんだろう」


「たぶん?」


「たぶんより低いかもな。でも、悪くない推測だ」


4

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外では、何やら騒ぎが起きているようだった。


「ふぁ〜! んっ!」


「そん女ば叩き伏せろ!」


誰かが叫んだが、その声はくぐもって聞こえた。


扉の下から、青い光が見えた。


「グウウウ〜」


外で何かが唸った。


そして……。


バン!


扉が突然開いた。


5

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黒い長髪に浅黒い肌、毛皮の外套をまとった女が、小屋の入口に立っていた。


「ンラティサさん!」


渡辺(わたなべ)くんと鈴木(すずき)くんが、同時に叫んだ。

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