第二十三話:命を脅かすほど面白い
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ンラティサさんが真っ逆さまに地面へ落ちていくのを見た渡辺くんの悲鳴は、さらに大きくなった。
もはや、ヒステリックとしか言いようがなかった。
ンラティサさんが真っ逆さまに地面へ落ちていくのを見た鈴木くんの沈黙は、さらに深くなった。
もはや、物憂げとしか言いようがなかった。
絶望、その両極。
2
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フクロウのような生き物たちは、落日の方角へ向きを変えた。
やがて、山岳地帯の景色は広大な平原へと変わっていった。
雪はまだ残っていたものの、一面を覆っていた山岳地帯とは違い、その覆いは途切れ途切れになっていた。
平原を縫うように伸びる濃い色の曲線は、凍っていない小川の流れを示していた。
フクロウのような生き物たちは、らせんを描きながら降下を始めた。
地上に見えていた淡いベージュ色の小さな点は、少しずつ藁葺きの小屋が集まる集落の姿へと変わっていった。
渡辺くんは、少し前からもう悲鳴を上げていなかった。
声は枯れ、喉を痛め、声帯も腫れ上がっていた。
3
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地面が近づくと、フクロウのような生き物たちは運んでいた者たちをその場へ放り落とし、自分たちは数メートル先へ着地した。
毛皮の外套をまとった剣士たちが剣を向けながら、二人へ近づいてきた。
「こいら、別ん連中ど同じ仲間じゃなかど?」
「おいどんたちゃ、こいらが赤か光ば出しちょっとを見たど」
フクロウのような生き物から降りた一人が言った。
「じゃっどん、そん中ん一人ぁ逃げちいったど」
別の一人が、まだ生き物の背にまたがったまま言った。
「いや、死に逃げじゃったっど。あん男ぁ地面んかい落てしもたど」
ンラティサさんを運んでいた男は、すでに降りていて、そう答えた。
4
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男は近くの小屋のそばにいた者に向かって手を振った。
「こいらん子どん達に、毛皮ん外套二着、持って来いやい。こいじゃ寒み切っちょっど。軟膏も持って来いやい。チィん爪が身体ば突き破っちょっど」
それから騎乗していた剣士たちのほうへ向き直った。
「おはんら、あん連中ん他ん見たっか?」
だが、誰かが答えるより早く、左目に傷のある剣士は二人に視線を向けた。
「おーい、おいどんたちん言葉ぁ、分かっか?」
渡辺くんは口を開きかけたが、鈴木くんが肩で小突いて制した。
「なばにびもぼいびうぶなば。おぼれべたばちびがばあばいびつぶらばのぼこぼとぼばばをぼりびかばいびでべきびるぶってべしびらばれべるぶなば」
渡辺くんは困惑した表情を浮かべた。
鈴木くんは、ゆっくりと繰り返した。
「なーばーにーびーもーぼーいーびーうーぶーなーば」
渡辺くんは、かすれた喉で叫べる限りの声を振り絞り、目を大きく見開いて叫んだ。
「うわぁ! 最初は、あの言語理解の術が切れて、あの人たちが何を言ってるのか分からなくなったのに……今度は鈴木先輩が何を言ってるのかすら分からないんですけど!」
鈴木くんは目を閉じ、右手で顔を覆うように頭を下げた。
そして、首を横に振った。
5
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「ほぉ、言語ん理解か?そいは面白かこっじゃ」




