弱点を見つけるならまず観察だ!
あれから暫らく経ち俺たちは目が覚めた。
「気絶…してしまっていたのか?」
俺は右手で頭を抑えながら、今の現状を確認した。見渡すと皆も同じような様子だった。
「みんなやっと目が覚めたか~」
へらへらした様子で皆を気遣っていた。
「瞬……あれはもう作ってはいけない。あれは災いを齎す」
俺は両手を瞬の肩に乗せて言った。
「どうしてだ?あんなに美味いのに」
瞬の後ろには空になった皿があった。俺はそれを見て驚いた。無論皿を見て驚いたのではない、その皿には先ほど俺たちが食べていた卵焼き(?)が無いことに驚いたのだ。それはつまりあの後俺たちが残した卵焼きを食べたということになるのだ。
俺は分かりきっていることを瞬に聞いた。
「瞬あの卵焼き(?)を食べたのか?」
そてやつは
「あぁ、もちろん」
雲ひとつ無い笑顔だ。
俺と瞬の会話を聞いた女子の皆様も顔面蒼白でした。
俺は心の中でこのことを封印しようと思う。開けてはならないパンドラの箱だ………。
さ~て、切り替えようか……。
「で、どうすんだ?まだ1時ぐらいだし、まだいるんだろ?」
「まぁ、邪魔じゃないならね」
秋野さんはにかっと笑った。
「別に邪魔じゃないけど…家には何もねぇぞ?」
「だったら何も使わない遊びで良いじゃん」
「そうだな…。何かあるか?」
「伝言ゲームなんかどうでしょうか?」
日笠さんが提案する。
「何で、伝言ゲーム?」
日笠さんは恥ずかしがりながら言った。
「えっと……何となくです」
特に理由はなかったのかよ!
「別に良いんじゃないかしら、他に何かあるわけでもないでしょ?」
他の皆が頷く。
「じゃぁ決定ね」
「第一回伝言ゲーム!」
「二回目があるのかよ!」
瞬にツッコム。
「人数が5人なので1人、まぁ昴なわけだが……昴が最初の言葉を決めて、俺たちに伝言して最終的に最初の文章としっかりと同じならば、勝ち」
今更だけど、5人ですることじゃないよな~。
「ペアはくじで決まりま~す」
瞬は4本のよくある至って普通のくじを出した。
「それじゃぁ~引くぞ~せ~の!」
結果だけ言うと瞬と泉さんペア秋野さんと日笠さんペア。
こうなると突っかかるのは……
「私は引き直しの要求をするわ」
泉さんなわけで
「一応理由を聞こうか……。何でもう一度引き直したいんだ?」
「もちろん、小鳥遊とペアは嫌だからよ」
ですよね~。
しか~し今回俺は泉さんを納得させる策を用意してあるのだ!
俺は泉さんに小声で話した。
「確かに相手に不服かもしれない。けれども、このまま行くとぐだぐだになって、この遊び自体が無くなってしまう。そうなると、きっと提案した日笠さんは悲しむよ。『私の案なんてやっぱり駄目ですよね』てきな感じに成りかねないよ?泉さんはそんな日笠さんの悲しむ顔を見たいの?」
「……絶対に嫌よ」
「ならば、ここは抑えてくれる?」
こくっと頷く。
俺は分ってしまった。泉さんは基本的に男子にはかなり毒を吐いたりするけど、日笠さんのようにお淑やかでぽわ~んとした人には弱いということが分かった。それに基づく根拠はとある平日なのだが、今はどうでも良いので言わないでおこう。




