第36話 ついにエルフの谷に到着!
灼熱の砂漠を抜けて現れた山に向かい、山道をてくてくと歩いていく。
山道は木々に覆われているけど、魔王の森とは全然ちがってて、とっても清々しい雰囲気で、木々も輝いている。ただただ歩いて、ときどき広場などで休憩し、同時に修行する日々を続けて数日が経ち、ついにエルフの谷にたどり着いた!
山道を抜けた目の前には、深い谷が広がっていたけど、薄暗い様子はまったくなくて、谷にある大きな城が光り輝いてた。
谷には、金色に光り輝く木々が生い茂っていたけど、城への道を避けるかのように左右に分かれた一本の道が、巨大な城に向けて続いていた。
その道を歩いてエルフの城の入り口にたどり着くと、光輝いていて、耳が長い、高身長の美男・美女たちが、私たちを出迎えてくれた。みんなエルフだ!
そして、お城の中に入ると、さっそくエルフの長老たちの前に案内された。
出迎えてくれたエルフは、数百年は生きているけど、若々しい美男・美女だったけど、いま目の前にいる長老たちは、たぶん数千年は生きているのだろうイケオジ・美魔女たちだった。ただ、その表情からはこっちのことをどう思っているのか、何も読み取れない。
デウス王子が前に進み出て、長老たちにうやうやしく挨拶して、
「ドラゴンスレイヤーの子孫にしてグンペーイ王国の王、グラーデウスの子、ディアーデウス・アンダルーシアと申します。
父より、グンペーイ王国の次の王として指名を受けました。それを、エルフの皆様に認めていただきたく、家臣とともにこちらに伺いました」
と、ここに来た理由を話す。
すると、そのなかでも一番年上っぽい、銀髪で長いひげのエルフの最長老様が、デウス王子に近づくと光る手を王子にかざして、なにかを探っている様子だ。
そして、他の偉い人たちとひそひそと内緒話を始めた。
そして、無表情な顔のまま、
「グラーデウスの息子を名乗る者よ。
お前には、ドラゴンスレイヤーの血が混じっていないようだ」
という、冷たい言葉をデウス王子に投げかけた。
それを聞いて動揺を隠せない王子が、うろたえながら、
「そ、それは、僕がグラーデウス王の子どもではないということですか!
じゃあ、僕はいったい誰の子どもなんですか!
グンペーイ王国の王には、なれないってことですか!」
とエルフの最長老に向かって叫んだ!
それに対して、今度もなんの感情もなく、
「私には、お前の本当の父親が誰なのかは、わからない。
わかるのは、お前が『ドラゴンスレイヤーの血を引いていない』ということだけだ。
だが、グンペーイ王国の王になることはできる。
王家の血にこだわっているのは、人間たちだけなのだ。
私たちエルフは、次の王を継ぐ者が、その資格を満たせさえすれば、誰が王になろうがかまわないのだ。
人間がこの世界に誕生してから数千年。王族がエルフと契約を結び、エルフの谷に王の印を授かるために来るようになって、数百年が経った。
そもそも、もうドラゴンスレイヤーの血など、ほとんど王家には受け継がれていない。
だから、そのことは我々エルフからしたら、どうでもいいことなのだ。
それに、そなたは王族と親族であり、神の血を引き継いだ一族である、聖女の血は引いている。だから、私たちはそれでかまわない」
そうエルフの最長老が言い放つと、デウス王子があまりのショックに黙っているので、つい私が、
「血が関係ないんだったら、どうやって王様の後継者を決めるんですか?」
と聞くと。
エルフの最長老が、初めて表情を崩し、ちょっと変な顔をして、
「それなんだが……。
ドラゴンスレイヤーの子孫として、ドラゴンの鱗を取りに行かせて、持ってきたものに王の印を渡すことになっているんだが……」
と言って、デウス王子の横で、ボーっと突っ立てっいたドラゴンを、じっと見つめる。
エルフの最長老様が、「ドラゴンをお供に連れてきた王子は初めてだ」と、感心したような、あきれたような様子でつぶやく。
それで、全員の視線がドラゴンに集まる。
するとデウス王子が、おずおずとドンちゃんに近づいて、その体に触れて、プチっと鱗を引きちぎると、その鱗をエルフの長老に手渡した。
それをうやうやしく、エルフの最長老様が受け取った。
これでいいの? と微妙な雰囲気が部屋の中に漂う。
すると、どうしようかなっー、って顔をしたエルフの最長老様が、
「そもそも、ドラゴンの鱗を取ってくるのは、ドラゴンスレイヤーの子孫である王子にとっての試練であり、私たちエルフにとっては余興みたいなものなのだ」
と言い出して、それなら……と、
「このドラゴンの命を狙っているダークエルフのことは知っているだろう。
あれは、私たちにとっても裏切者なのだ。
ダークエルフは、私たちにとって許しがたい存在だ。
お前たちも、ダークエルフを倒したい理由があるのだろう?
では、ダークエルフを倒すのだ!
ダークエルフを倒したその時、王子よ、お前の頭上に、次の王の印が舞い降りるだろう!」
とうやうやしく言うと、後は用事はすんだとばかりに、私たちに退出するよう、促してきた。
ということで、エルフの長老たちとの謁見が終わり、私たちはダークエルフ退治にでかけなければいけなくなったんだけど。
長い旅でお疲れでしょう、と若いエルフたちからの歓待を受けることになった。
歓待といっても、酒池肉林、狂乱の宴というものではなく、たいへん静かな食事会で、おいしく上品にご料理をいただきました。
そして、久しぶりのお風呂をいただく! 谷にある温泉に入ろう!
案内されていった温泉は、混浴だった!
キャー恥ずかしい! ドキドキ! ……なーんてね。
最初は恥ずかしかったけど、剣闘士の浴場も、街の浴場も、すべて混浴だったから、もう慣れたもんですよ!
様々な年齢のエルフも、男女の区別なく普通に温泉に入っているけど、みんな信じられないぐらいきれいなヌード! ヌード! ヌード!
さあ、シーラもはずかしがってないで!
いつもスケスケの服を着てるじゃん!
いっしょにお風呂に入ろう!




