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第27話 三たび魔王の森へ

 魔王の森に、グンペーイ国側の入り口から侵入する。

 すると、暗闇に中から、さっそくゴブリンの集団が私たちを襲ってきた!

 やばい! と思ったけど、ルコーラ神学長が一番前に出て、光の力で敵を蹴散らしていく!

 完全に倒せるわけじゃないけど、光の力におびえて敵が逃げていく。


 さらに、敵を倒しながら、ルコーラ神学長が、シーラに実戦で光の力をコントロールする方法を教えていく。もともと知識はあったシーラちゃんも、みるみるうちに光の力の使い方が上達して、敵を蹴散らしていく。

 メガネっ子のおとなしそうなシーラが、光の力でバンバン敵を追い払っていくの、なんか怖いんですけど(笑)!


 その後も、ゴブリンやオーク、赤い巨体のオーガ、魔導師が引きつれたアンデッドなんかが次々と私たちを襲ってきたんだけど。二人がバンバン蹴散らしていくので、私やリンターロの出番がないんですけど!

 このままだと私、なかなか不死身のヨーコになれないんだけどー!

 二人がモンスターを蹴散らす前に、リセット前の経験を思い出すべく、ゴブリンやオーク、アンデッドたちに私も剣を振るったのだった。


 魔王の森の中を進むこと数日、一度入ったら二度と出てこれないはずの森の中をサクサクと通過して、ついに魔王の森の奥深く、ドラゴンが住む場所にまでたどり着いたのだった。



 目の前には、リセット前の世界で、数週間前に出会って苦楽をともにした巨大なドラゴンこと、魔王様が寝そべっている。

 思えば、小さくなって目の前でゴーレムに踏み潰される姿を見送ってから、だいぶ日にち過ぎてしまった。

 なつかしくなって、ついドラゴンに話しかけようかと思ったら、いきなりその大きな口が開いて、息をゴゴゴゴっと吸うと……きゃー! 火の玉をこっちに飛ばしてきた!


 慌てて、私、リンターロ、それにルコーラ神学長とシーラが光の力でバリヤーを張って、味方の兵士たちを火の玉から守ったんだけど。

 そして、ペンダントを握りしめて、

『魔王様! 私の話を聞いてください! 私は異世界転移者のヨーコです!』

と呼びかけた!


 巨大なドラゴンが、ピクっと反応した気がしたので、

『異世界転移者の私の能力は「リセット」なんですけど、魔王様はご存じですか?』

と、そのまま話を続けると。

『リセットだと……なんのことだ?』

と答えてくれたんだけど!

 えー、魔王様はリセットのことを知らないんだ!

 なので、リセットが異世界人に与えられた能力で、危機に陥ると時間をさかのぼれるという話から、リセット前の世界で魔王様に会って仲間になった話をしたんだけど。


 お前はいったい何を言っているんだ、って雰囲気だったので、シーラちゃんを前に出して、

「魔王様! もうそろそろ寿命が尽きるから、生まれ変わるために、聖女が必要なんですよね!

 この子が次の聖女様です! この子に手助けしてもらって、闇の力でいっぱいになった体を脱ぎ捨てて、生まれ変わりましょう!」

と叫んだんだけど。


 なんか乗り気じゃない魔王様に、急にとんでもないことを言い出した私に、すっかりおびえてしまうシーラちゃん!

 しまった! 前みたいな関係ができる前に、急ぎすぎちゃったかな、私?


『うーん。確かにいまの私は聖女を必要としている。その少女からも「光の力」を感じる。

 お前の言う通り、私たちは別の次元で出会っていて、時間をさかのぼったのかもしれない。

 だが、私も今日、明日すぐ死ぬというわけではないし、いますぐ生まれ変われ、と言われてもなぁ』

 あれ、風向きがおかしい。

 はじめて会ったときに、いきなり聖女を探してこい! って言ったのは魔王様だったのに! こっちから言い出したことが、気に食わなかったのかな?


『まあ、そのうち何か手助けしてもらうこともあるかもしれない。

 お前に免じて今日は見逃してやろう。さっさとこの場を立ち去れ!』

 えー! 生まれ変わりはなしー!?

 生まれ変わったドンちゃんに、魔導師とダークエルフを見つけてもらおうと思っていたのに!


 どうも、いまは生まれ変わる気にならなそうな魔王様の説得をあきらめて、せめてそれならと、

『あの、魔王様、私たちブゴニア国にいきたいんですけど。

 ゲートを開いてもらってここからブゴニア国内にまでを、つなげてもらうわけにはいかないでしょうか?』

『断る。なんでそんな大変なことを私がしなければならないのだ。そんな大技、命がいくらあってもたりないわ!』

とそっけなく、断れた。


 げー、そうすると魔王の森の残り半分を、私たちの力だけで通らないといけないのか、とげんなりしていると。

 ちょっと私たちがかわいそうになったのか、いきなり魔王様が大きく息を吸うと、魔王の森のブゴニア国側の入り口に向かって、火の玉を「ドーン! ドーン! ドーン!」と何発も吐き出した!

 火の玉はその周囲を焼き尽くしながら、遠く先まで飛んで行った。

『これで、しばらくは魔物たちも警戒して出てこないだろう。その間にさっさと森を抜けるがいい』


『ありがとうございます!』

 ちょっとつんけんしているけど、やっぱり中身はドンちゃんだ!

 リセット前に会っときより元気そうだから、まだ生まれ変わりたくないのかな?


 みんな急いで森を抜けるよ!

 と大急ぎで声をかけて、私たちは魔王の森のブゴニア国側の入り口まで、駆け抜けたのだった。

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