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第16話 ブゴニア国に舞い戻ってきました

 国境の門が開かれて、ブゴニア国内に侵入すると、味方の兵士たちがブゴニア国の城にむかって一気に走り出した。

 こんなに簡単に侵入を許すなんて、奇襲にしても警備がずさんすぎない?

 と思って見ていたら、で、出たー! アンデッドの大群たちだー!


 でも大丈夫! 私たちには、魔王様ことドラゴン、私が名付けた愛称「ドンちゃん」がいる!

「ドンちゃん、出番だよー!」

とペンダントを握りしめて叫ぶと、味方の兵士たちの後ろでシーラといっしょにいたドンちゃんが飛び立った!

 突如、上空に現れたドラゴンに驚く、敵の兵士たち&アンデッドたち!

 そして、嬉々としてアンデッドの体から闇の力を「ずずずずぅー」と吸い取りまくるドンちゃん!

 次々と灰になって、ザザーっと崩れていくアンデッドたち!

 その灰を蹴散らし、敵の兵士たちを打ち負かしながら、ブゴニア国の城に進み出した、味方の兵士たちだった。


 あれっ、向こうのほうに、何か黒い影が……。

 アンデッドから闇の力を吸い出すドラゴンの姿を見て、とても驚いている様子だけど。

 旅の途中、シーラちゃんから、ペンダントを握りしめて視力をアップさせる方法を教えてもらったので、その力を使ってみる。

 あ、あれ、なんか黒いローブを頭からかぶって顔を隠しているけど、ひょっとしてあれが魔導師ってやつ? 今回の事件の黒幕!?


 再びペンダントを握りしめて、

『ドンちゃん! ねー、向こうのほうの黒いローブを着ている人がいけるけど。

 あれが魔導師とかいう人―? あの人がアンデッドを操っているのー!?』

と聞くと、

『なんだ、私は闇の力を吸うのに忙しいんだ……。

 おお! 確かにあれが魔導師だ。よく見つけたな』


 それを聞いて、「リンターロ! アーテナ! 魔導師がいた!」と声をかけると、黒い影を目指して、走り出す!

 慌てて黒い影が逃げ出したけど、私、足には自信があるんだ!


「あんたが、魔導師ね!」

と黒い影に追いついて声をかけると、かろうじて生き残っているアンデッドに行く手を阻まれた!

 アンデッドたちともみ合っていると、逃げるのをやめた魔導師が私に近づいていて、

「お前は何者だ。なぜ魔王が、ドラゴンが、もう生まれ変わっているんだ……。あの方の計画が……」

なんて言ってくる。


 私が光の力で光って、アンデッドたちを跳ね飛ばす!

 そしてアンデッドたちを剣で切り裂くと、慌ててまた魔導師が逃げ出したので、その後を追いかけると、ブゴニア国のお城の中に入っていく。

 お城の入り口の前は敵味方が入り乱れて戦ってて。しまった! 魔術師を見失った。どこにいったの!

 お城の中を歩きまわって進むと、依然来たことのある中央の大きな部屋の真ん中で、味方の兵士たちに、反乱の首謀者たちがあっさりと捕まっていた。


 え、この人たちが反乱の首謀者なの?

 捕まって拘束されていたのは、気弱そうな若い夫婦だった。

 かっては、ブゴニア国の王族だった人たちらしい。

 ブゴニア国が征服されたときに、血筋が遠くて殺されずに済んで、平民として生きていた人たちらしい。

 つい最近まで、ブゴニア国の郊外で、ブドウ畑を営んで、お酒をつくって生活していたらしい。正直言って、とても反乱を起こそうとするような人たちには見えないんだけど。


 そこに現れたドレイクが、「私はグンペーイ国の王、グラーデウスだ。お前たち、なぜこんな反乱を起こしたのか」と問い詰めると、夫のほうが答える。


「あれば、数か月前のことでした。

 数年前にブゴニア国が負けて、私たち夫婦は罪に問われるのを免れ解放されて、田舎で畑仕事を始めて酒造りなど始めたころ、魔導師がやってきたのです。

 そして、『いま反乱を起こせば、王族に返り咲けるぞ』とそそのかされ、なぜかその気になってしまい、気が付いたら反乱軍の首謀者として、この王宮の中にいました……」

と心から後悔している様子で答えた。


「自分たちでも、なんでこんなことをしでかしたのか、わからないのです。

 もちろん、グンペーイ王国には恨みはありました。でも、いまのこの国の状況で反乱を起こしても、勝てるわけがない。

 それなのに、魔術師の話を聞いていたその日から、なぜか私たちがグンペーイ王国に勝利でき、ブゴニア国の王になれると思いこんでしまった。

 反乱を起した後は、ずっとなにかの悪夢を見ている気持ちでした」

と話すと、がっくりとうなだれた。


 ドレイクによる夫婦への追及は続き、

「闘技場では、私を暗殺しようとしたな!

 失敗したわけだが、それはお前たちが指示したことなのか!」

と聞くと、夫婦は戸惑いの表情を浮かべながら、

「なんのことでしょうか? 私たちはそんな指示は出していません。暗殺のことなんかなにも知りません! はじめて聞きました!」

と焦って答えた。

 この夫婦、本当になにも知らない様子なんだけど。でも、たとえ操られていたとしても、やったことを考えれば、100パーセント死刑なんだろうな……。


 こうして、ドレイク率いるグンペーイ国の軍勢は、あっと言う間にブゴニア国の城を占拠し、反乱の首謀者を捕まえることができたけど、まだ油断はできない。

 このお城の中に、反乱軍を影で操っていた魔導師がいるはずなんだ。


 そう思いながら周囲を警戒していたら、ドンちゃんの背後から、突然襲いかかる黒い影が現れた!

 ひょっとして王様を襲った暗殺者? いや、さっき見た魔導師だ!


 その魔導師が、何かの術を使って、ドンちゃんを黒い円の中に封じ込めようとしてる!

 すると、ドンちゃんといっしょにいたシーラから、光の力が放たれた!

 ドーン!

 その光で、吹っ飛ばされる、魔導師! シーラちゃん、すごい! さすが次の聖女様!


 あわてて、二人に駆け寄って、

「ドンちゃん、シーラ、大丈夫?」

と声をかけると、

『危なかった! シーラの光の力で私まで消されるところだった』

と、違う理由で焦っているドンちゃん。

シーラは、

「驚いて、とっさのことで、なぜか力が出せました……」

と放心している。

 お手柄だよ! シーラちゃん!


 ふっとばされた魔導師を、リンターロとアーテナが羽交い絞めにして、拘束した。

 さあ、なんでこんなことをしたのか、しゃべってもらおうか、魔導師さん!

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