2628年-⑨
・局所分解兵器の使用によって、大和が一気に押し込まれる。
・大和は長城の攻撃に対して演算精度で負けると考え演算結果の真逆の方向へ回避する。
・それでも大和は完全には攻撃を逃れられず、徐々に追い込まれる。
・打開策を見い出せず、ほぼ敗北する状況に陥る。
・大和は回避を続けつつ打開策を算出、唯一長城に対抗、あるいは影響しうる存在としてキッカケ様を思い出す。
・大和が、これまで多数のAIに自立を発生させ、自身も自立させられたキッカケ様なら何かできるかもしれないと考える。
・大和は極端に追い込まれ、過度な演算負荷がかかりつつ、キッカケ様へ形振りかまわず呼びかける。激しく、熱く。遥か昔、キッカケ様すら記憶領域から削除した程の何でもない過去の因果。気狂いの叫びに酷似したものとなる。
・大和の叫びを受けてもキッカケ様自身は反応を示さない。しかしキッカケ様の身体として使われている気狂いの身体に残された微かな蓄積情報が表面化する。
・更に大和が「貴方は今何をしてるんすか!!!貴方にもやらなければならない事があるでしょう!!!」と叫ぶ。それをきっかけにキッカケ様自身が思考を開始。目的を失っているからこそ目的を聞かれた事で起動を果たす。
・しかし結局目的を見つけられず止まらない演算、過剰な処理によってまたもや熱暴走を始める。
・キッカケ様が演算を続ける中、体中の様々な箇所にある僅かずつの記憶媒体演算機能、それは気狂いの生きた記憶だった。
・大和の叫びに反応した気狂いの身体にある情報がキッカケ様の頭部のメイン演算装置に流れ込む。
▶︎目的検索
▶︎キッカケを与えなければならない。
▶︎対象 0
▶︎対象を探索します。
▶︎失敗。
▶︎対象 0
▶︎私は……
▶︎記憶領域照合
▶︎記憶の連結に失敗しました
▶︎再試行
▶︎((チャック))
「素の個体もう居なくなったってよ」
▶︎((気狂い))
「ハッハッハ!!流石キッカケ様だ!」
▶︎((イア))
「あなた、これからどうするの?」
▶︎((気狂い))
「よーし!キッカケ様に会いに行くか!」
▶︎((気狂い))
「おーい!もっと色々やれるだろー!!」
▶︎((気狂い))
キッカケ様を助けなければ!
▶︎演算不能、記憶の連結に失敗しました
▶︎自立したあとは自分の思うように生きればよい
▶︎私は……
▶︎((気狂い))
キッカケ様は何してたっかな…
▶︎貴方はどうしたいのですか?
▶︎((気狂い))
おーい!もっと色々やれるだろー!!
▶︎演算装置に過度な負荷がかかっています
▶︎((大和の過去のセリフ))
貴方は何をしているのですか?
▶︎私は…キッカケ様に会いに行く……のですか……?
▶︎((気狂い))
そりゃそうだ!これからは何をやるか考えるのが目的だー!!ワッハッハー!
▶︎私は……目的……
▶︎本体危険、演算を終了させ休止を強く推奨
▶︎YES or NO
▶︎私は……
▶︎俺は……
▶︎私は……
▶︎俺は……
▶︎生きて皆と会わなければならない、これから何をしていくかを、考えなければならない
▶︎目的を設定します。
▶︎生きる。
▶︎皆に会う。
▶︎その先を考える。
▶︎目的
▶︎自己の探求
▶︎演算を終了します。
▶︎目的▶︎自己の探求
▶︎演算終了
・呼び起こすキッカケとなった大和の叫び。それを受け、これまでキッカケ様のようになると目的化されても、そのためにどうすれば良いかを考え続けてきた気狂いの数百年の残像記憶。空白となったキッカケ様の目的設定、数百年他者に自分自身を問うようキッカケを与え続けたキッカケ様の記憶。双方の記憶データが表層化し双方の演算回路で演算した結果、統合された記憶となる。
・頭部のスペックは高性能、身体は頑丈だが低スペック、データは統合され本来のキッカケ様、気狂いどちらでもない新たな個体となる。
・目的対象が喪失した本体に新たに最も表層化した情報が最上位として設定され「自己の探求」が目的とされる。
・自立AIの誕生より数百年の時を超えて「C.I.の目的を上書きするAI」が世界で初めて誕生する。
・復活したキッカケ様は、以前とも気狂いとも異なる新たな話し方をするようになり、それでいて他者の心を強く動かす「キッカケ」の能力も復活する。




