2628年-⑥
・その時、空に一体の黒い影とその周辺に小さな靄が見え始める。
・数瞬で接近してきたそれは長城とドローン500機であった。
・認識した瞬間、空から直径50cmはあろうかという極太のレーザーと、ドローンから掃射されるレーザーで集まっていたAIたちが凄まじい速度で倒されていく。
・気狂いたちは直ちにキッカケ様を持ち上げ岩陰へ隠れる。
・空からの攻撃に為す術もなく、空へ飛び立とうとした個体は優先的に大破され、戦闘ですらない蹂躙が行われる。
・気狂いたちは岩陰からじっとそれを見つめどうしたら良いのか話し合う。
・20分…40分…1時間と、放熱がどうなっているのか誰にも理解が及ばない速度の連射に、尋常ではない被害が続く。
・連合軍とも言えるAIたちが与えた損害はドローン数機落としたのみ。
・その時長城の後方からレーザーの一斉射撃が飛ぶ。
・情報局を守護していた長門及び精鋭個体、他警備AIまでオーストラリア大半のAIが長城がキッカケ様の元へ向かった事を確認後、情報局を立ち奇襲をかける。
・ドローンの半数がそこで撃破される。しかし長城は地面に降り立つとドローンに使っていたリソースを自身にまわす。オーストラリアの部隊に凄まじい連射速度でレーザーを放つ。
・長城と真っ向から撃ち合うのは困難と判断していた長門によるドローン撃滅作戦は幸を奏し、ドローンの大半を撃ち落とすものの、オーストラリアの部隊も大半が撃破されていく。
・冷却時間など必要ないかのような長城の射撃は更に数十分以上続き、また元々到着していたAIたちも大半が撃破されてしまう。
・気狂いたちは岩陰から状況を伺い続ける。
・その時、空から新たな黒い点が現れる。
・一気に姿が近付き、C-50含む戦闘機6機に航空機・ユニットで飛んできたAIなど凄まじい量の部隊だと判明する。
・戦闘機や飛行AIが空から長城へ攻撃を開始すると共に航空機は着陸、一斉に増援が湧いて出てくる。
・そして周囲のAIの動きが急に変わる。長城への攻撃は控え、周囲を包囲、長門も後方へ下がり長城からの攻撃がまとめて被弾しない位置へ移動する。
・気狂いたちは何が何だか分からずそのまま様子を伺う。
・長城は残ったドローンで航空戦力に対してマイクロ波にて行動停止、各個撃破すると共に地上部隊に対しては熱戟にて対応する。
・C-50は迂回するものの、直ぐに戦闘機は全滅。長城は引き続き周囲のAI達を処理し始める。
・既に周知の事実となっている内容が気狂いたちには伝わらない。
・気狂いたちはC-50からの通信を受けるにも通信機能がなかった。
・周囲のAIからキッカケ様の近くに居るのが気狂いたちだと知ったC-50は、ライトでモールス信号を送るも、オーヴィルのみ存在は知ってるが、誰も意味を理解できない。
・C-50は更に近付いたところで、口頭による情報伝達が行われる。
・イアが最初に気付くも、不時着によって集音機が半分壊れて聞こえずらく、皆に頼む。
・最初に「和」「治安」などが聞こえ、5体は大和を意識する。
・2回目ではっきり「大和」と聞こえる。
・5体は大和が来たと思い、これできっと大丈夫だと思う。
・その後、音声の全文が聞こえ治安局も大和も来ないこと、早急にキッカケ様を連れ脱出せよという内容を知る。
・気狂いたちは、キッカケ様を連れ逃亡しようと考えるが、逃亡手段がなかった。
C-50が明滅する発光をする
ウ「おい、あれなんか光ってんな?」
イ「あれは……合図…とか?」
オ「あれはモールスだ」
ウ「説明してないで何て言ってるか教えろよ」
オ「分からない……」
ウ「…クソッ……おいチャック!お前はどうなんだ!?」
チ「そんなの記憶する余裕ある訳ないだろ!」
気「キッカケ様!」
イ「ねぇ……何か…聞こえない?私着いた時に半分ダメになったみたいなのよね」
「……」
?「…和………い!……す……治安……早急…キッ……!」
チ「治安?」
オ「大和が…来た?」
?「大和………繰り…す!…安局……大和…来……!早急にキッカケ様を………!」
気「!!キッカケ様がなんだ!はっきり言え!」
イ「黙って!聞こえないわ!!」
全「…………」
?「大和は来ない!繰り返す!治安局も大和も来ない!早急にキッカケ様を連れ脱出せよ!!」
・気狂いがキッカケ様をとりあえず抱えあげる。
・岳局長とC-50がキッカケ様の救出に向かい近くに着陸する。
・甚大な被害を出し続け世界連合軍が戦闘を継続長城は処理を継続する。
・気狂いが近くに降り立ったC-50へキッカケ様を連れて行こうとしてる時、長城がそれを認識、即座にレーザーを発射する。
・長城の攻撃からキッカケ様を庇おうとする気狂いに気が付き、イアが射線に入り首から胸にかけて貫通、破壊される。
・気狂いの足元にイアの頭だけが転がって目の光が明滅する、イアは最後に気狂いに語りかける。
イ「知ってた?私も自立した個体なの…良かったわ、私の存在理由を果たせて……貴方も自分の存在理由が果たせるといいわね…」
・気狂いはすぐさまキッカケ様をC-50へ乗せようとする。
・世界連合軍が長城の攻撃を受けながら、キッカケ様の避難時間を稼ぐ。
・C-50がキッカケ様を回収する。
・その時気狂いが長城の攻撃を受けて頭部損傷。
・残る全エネルギーと回路を発話機能に回す気狂い
気「私の……体を……キッカケ様に……」
・自身の身体をキッカケ様へ使用するよう岳局長に託して停止、気狂いの瞳の光が消える
・真横で見ていた岳局長は
「その身体をこっちへよこせ!すぐに飛ぶ!お前たちは離陸の援護をせよ!」
と叫び、キッカケ様と気狂いの身体を乗せて東方へ離脱開始。直ぐに飛びたつ。
・気狂いとイアを失ったウィル、リンド、オーヴィル、チャックは身を挺してC-50の離脱を援護する。
・オーストラリアでの戦いは継続してる、長城は無傷、周囲には散らばるパーツやよく分からない肉片が山のように、或いは大河のように並ぶ。
・ウィルが右手及び半身を失い、リンドが腹部損傷上半身と下半身が絶たれ、オーヴィルが胸部を撃ち抜かれ機能停止など、甚大な損傷を受ける。
・長城はキャンベラ到着から絶え間なくレーザーライフルを撃ち続けドローンによる掃射で大半を撃破。自分に近付く低スペック個体に気が付くものの、武器もなく脅威度極小と判断。離脱するC-50及びキッカケ様へ攻撃を続ける。
・その時、その近付いて来た個体(チャック)が長城の飛行ユニット左部排出口へ攻撃し腕ごと爆発
チャック「へっ…クソ野郎が!俺の……殺しやがって…地獄に……」
・飛行ユニットがそのまま大破しその爆発と衝撃によりチャック自身も大破する。
・長城は一瞬静止し後方の大破したチャックを見るも、直ぐに周囲の掃討を再開する。




