9話 共鳴のはじまり
投稿開始から1週間かぁ…
早いなぁ〜(●__●)
教会の中は、静かだった。
白い石でできた壁。
高い天井。
ステンドグラスから差し込む光。
そして、空気がここだけ違うようだった。
(……静かだ)
音が、遠い。
外とは、まるで別の場所みたいだった。
「ほら、シオン!こっちだよ」
母さんに手を引かれ、奥へ進む。
そこには、同じくらいの子供たちが、何人も並んでいた。
(同い年の子……こんなにいたんだ……)
カノンとしか遊んでこなかったからか、同じ年の子供がこんなにもいる光景に、少しだけ戸惑ってしまった。
(少し、うるさいな)
周りの子たちは、ざわついていた。
緊張、不安、期待。
いろんな感情が混ざっていた。
周りを観察していると――
祭壇の前に、白いローブを着た人が現れ立っていた。
あれは多分、神官様だ。
「これより、洗礼の儀を行う」
静かな声が、広がる。
「名前を呼ばれたら、一人ずつ前へ」
最初の子が呼ばれ、前に出る。
台の前に立ち。神官様が、少年に手をかざした。
すると、少年から淡い光が溢れた。
「おお……」
小さなざわめきが起こった。
「ふむ…スキルは授かったな?では、次の者」
神官様が告げる。
最初の子は、少し戸惑いながらも戻ってきた。
その子は親の元まで行くとスキルを授かったことを喜びあっていた。
(どんなスキルを授かったんだろう……)
そして、次々に洗礼は続いた。
洗礼がなされる度に、安堵や興奮のざわめきが起こっていた。
(……これが、洗礼)
私は洗礼を受ける子をじっと見つめていた。
そして――
「次の者」
「カノン!」
カノンが呼ばれた――
「はい!」
カノンが、元気よく返事をして、前に出た。
(……)
私は自然とカノンを目で追っていた。
カノンが台の前に立ち、神官様が手をかざした。
――その瞬間。
光が、強くなった。
「……?」
今までの子達とは、明らかに違う。
柔らかい光じゃない。
包み込むような――
“響く”光だった。
空気が、震えているように感じた。
「……これは」
神官様の声が、わずかに揺れていた。
しばらくすると、カノンに光が集まってゆき、収まっていった。
そして、光が収まった瞬間私は、まるで音が形になったように感じた。
光が収まりしばらくすると、呆然としていた神官様の表情が、変わった。
「――ユニークスキル」
神官様が、そう呟いた。
一瞬の静寂の後、ざわめきが一気に広がっていった。
「まさか……」
「ユニークスキル持ちが現れた……!」
「こりゃ、えらいこっちゃ!」
光が収まった後、カノンはきょとんとして周りを見渡してた。
「……え?なに?」
カノンは何が起こったのか分かってないようだ。
そんなカノンをみんなの方へ向け、神官様が、ゆっくりと口を開く。
「この子は……ユニークスキルを授かった」
「ユニーク……スキル?」
カノンは、よく分かっていない様子で首を傾げる。
「自分のステータスを見てみなさい。そこに記されているはずだ」
「ステータス……」
カノンは小さく呟き、目を閉じる。
次の瞬間――
「あっ……あった!」
ぱっと顔を上げる。
「これだ!」
「……っ!どんなスキルだ?」
神官様の声が、わずかに強くなる。
周囲の視線が、一斉に集まる。
カノンは少しだけ考えて――
「えっと……」
一呼吸。
「――《共鳴歌》」
(……共鳴歌)
思わず、呟きそうになる。
あの時の音。
重なった声。
(……やっぱり)
偶然ではなかった。
すると、カノンがこちらを見た。
「シオン……!」
嬉しそうに笑っていた。
でも。
その笑顔に――
今までとは何かが、変わった気がした。
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