第八十七話 付き合い
「じゃあね円香〜!私少し行ってくるよ!」
私は次の日にはすっかりと心が軽くなっており、そして千尋との約束の場所へと向かおうとした。
「ちょっと祷、本当に行っていいの?帰ってこなくなるとかまさかだけどないわよね?」
円香は心配そうに私に聞いた。
「大丈夫だって!少し会ってくるだけだって」
すると、逆の意味でまずかったのか円香は泉奈さんを呼び出した。
「ちょっと泉奈さんーー!!大変大変!!」
「どうしたどうした!?」
ドタドタドタッ!!
円香が変なことを言うから泉奈さんが急いで私の元まで駆けつけて来た。
「祷、またなんか変なことでもされたのか!?」
私は首と手をブルブル振るわせてそれを否定するが…
「泉奈さん!祷の奴、誰かと会ってくるって!!」
「なんだって!?それは大問題じゃあないか!!」
ちょっと〜、二柱とも何かふざけてるの〜!?私は本当にそう思った。そして、目から涙を流しながら泉奈さんは私の肩に手を置いた。
「ううう〜〜〜!お前って奴は〜!昨日私がいい男が欲しいって言った時どんな気持ちで聞いてたんだよこのモテ女〜〜!」
さらに、円香はハンカチを噛み締めながら悔しがっているようだ。
「あんたも私もほとんど一緒に行動してるのになんであなただけそんなにモテるのよ〜〜!悔しィーー!」
「いや!そんなことはないんですって!ただ、明日一緒に会おうって約束したので会いにいくんですよ!別にそんなやましい理由なんて…」
「ただ会うって何よ〜〜!男と付き合ったら結局やることなんて一つしかないじゃないのよ〜!」
なんだか誤解でもしてるのかな円香も泉奈さんも…
そして私は時計を確認すると…
「いっけない!!もう時間だ!ごめんなさい!この時間に会おうって言ってるんです!すみません行きます!」
私は急いで千尋との待ち合わせ場所まで走った。
タッタッタッタッ!!
「ハアーー!ハアーー!ハアーー!」
余りにも急いで走ったので、息が切れてしまっていた。
そして木の影には約束通りにちゃんと千尋が待っていたのであった。
「ごめん!遅くなっちゃって」
すると、片手で持っていた本を閉じてポケットにしまい、スッと立ち上がった。
「別に。全然大丈夫だぜ」
なんだかすんごいインテリに見える…
「まっ、本当はこんな本なんて小難しくて何書いてんのか全く分かんなかったんだけどよ!」
アハハ…なんだか千尋って感じするな…
千尋はパッパと自分の服についた汚れを払って、再び私の手を握った。しかも今は最初っから恋人繋ぎ…
「なんだか俺たち…付き合ってるみたいだね…アハハ!」
「そうですね!本当に…付き合ってるみたいだね…」
あの日以降千尋は、私にとっての太陽のようであった。いつも私を照らし、私に元気を与えてくれる存在になっていた。
私は千尋とこれからデートのような…と言うか周りから見たら完全に付き合っているようにしか見えないが、一緒にプラプラと遊ぶのであった。
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