第八十六話 欲望と犠牲
ブクブクブク〜〜〜
私はお湯に浸かりながら、冷静に戻ってよく考えてみた。そして、まだ体を洗っていた泉奈さんに聞いてみることにした。
「あのー、そういえば泉奈さん?」
「うん?なんかしたの?」
「今冷静になって考えてみたんですけど、泉奈さんってここやめようって思ったことないんですか?」
すると、泉奈さんは体を洗うのを一旦中止して話し出した。
「あるよ。何度もね」
そして、再び体に泡を塗って洗い出した。
「じゃあ、なんでやめようって思わなかったんですか!?そんなに体に痕が残るくらい…」
「まあ、確かに辛かったよ。特に私も祷と同じくらいの時にここに来て、同じくらいの時に色々されたからさ」
そして、泉奈さんは体を洗い終わり私の元まで歩いて来て、浴槽へと浸かった。
バシャーーン!!!
「ふーーー!気持ち〜〜〜!!」
泉奈さんは私の顔を見て私に聞いて来た。
「でも祷、今ここ辞めたいって思う?」
私は首を横に振った。
「いいえ」
確かに、ここに居ること…と言うより、母主様に搾取されるかもしれないという恐怖感はあるけど、でもここから帰ったらもう千尋とも会えなくなっちゃうかもしれない…
そう考えたら多少のリスクはあるかもしれないけどここに居たいと思ってしまう…
すると、泉奈さんは分かっていたかのようにニッコリと笑って返した。
「だろ!それくらい魅力的なんだよ。こっち…城の内側の世界はさ。だから、私は最初の頃ずっと耐えてたよ。まあでも、余りにもやられっぱなしは癪だったからアイツの舌を噛み切ってやったのさ」
ベェ〜〜ン!
そう言って泉奈さんは口を開いて舌を伸ばしてベロベロと私の前で動かしてみせた。
「まぁ、それっきりあのババアから相手にされることも無くなったから清々するけどね」
「泉奈さんってそんなキャラでしたっけ!?」
「アハハッ!ごめんごめん!まあ、ここに来る前はもうちょっと清楚な感じあったけど、今じゃもうこんなもんだよ。寝る時だって普通にすっぽんぽんだし」
「えぇ…風邪ひきませんか?それ」
「大丈夫大丈夫!体に布団が当たっててめっちゃ気持ちいいのよ。祷も今晩やってみればいいさ」
「アハハ…考えておきます」
流石に裸になって寝るのは少し抵抗があるので、苦笑いをして答えた。
すると、泉奈さんは両腕を浴槽から出して横に広げ天井を見つめながら語り出した。
「私ね、夢があるんだ」
「夢…ですか。聞かせてください」
「いいよ」
そういうと快く泉奈さんは答えてくれた。
「私ね、実家がすっごい貧乏なの。壁の外側に住んでたんだけどね、いつも食べる物も着る物もなくてずっと困ってたんだよね」
「だから、将来は絶対に城の中のイケメンな神様と結婚するって決めたのよ。そして、お金持ちになって欲しかった物たくさん買うこと。これが私の夢よ」
「まあでも今考えたら、そんな貧しい中でも必死に育ててくれた両親への親孝行が先かなって思って来たんだよね。だから、ここ辞めよっかなーって、思った時結構あったけど今まで頑張ってこれたんだ」
「”欲望と犠牲”の場所だよここは本当に」
そして泉奈さんは再び肩まで浴槽に浸かった。
「は〜〜〜〜〜あ!早く私も結婚とかできないものかな〜〜〜!!早くここから抜け出したいよ〜〜!まあ、可愛い後輩を置いて行ったりはしないから安心してね」
そう泉奈さんは誰もいないお風呂場で大きな声で言った。私は泉奈さんの顔を見て答える。
「いけますよ!泉奈さんならきっと!いい旦那さんと出会えると思います!」
すると、泉奈さんは恥ずかしかったのか頭のてっぺんまで浴槽に沈めてしまった。
ブクブクブク〜〜〜!!
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