8話 油断
「今すぐ蘭から離れろ!」
そういう影の手にはお祓い棒が握られている。
「影…?」
根子田は影に気づく。だが、一足遅かったようだ。蘭は手を振る。すると蘭の手から謎の黒い槍が出てきた。
「なんだぁぁぁぁ!?」
勝は何とか避ける。だが恵理は避けるのが遅れ、足に黒い槍が刺さってしまった。
「いだっ…!」
恵理は足を押さえてうずくまる。恵理の足からは血が垂れている。
「大丈夫!?」
根子田が恵理に駆け寄る。その間にも蘭は勝を黒い槍で追い込んでいた。
「何がどうなって…!?」
根子田は目の前の光景が信じられず、思わず口に出してしまった。その時、影が根子田と恵理の前に立つ。
「お前らに危害は加えさせないからな。」
影はお祓い棒を右になぎ払う。すると影の周りに大量のお札が出てきた。
「悪力祓い、双。」
影がそう言うと大量のお札が蘭の方に飛んでいった。蘭は一つ一つナイフで切っていく。
「お札…?影…もしかして、陰陽師!?」
根子田は驚き気味で影に聞く。
「簡単に言えばそうだな。」
戦闘中の影はそっけなく答える。そしてまた蘭に向き直った。
「魔力暴走なんだか知らんが、皆に危害を加えるなら許さねぇぞ?」
影はお祓い棒を掲げて、詠唱する。
「浄天陰。」
影の持っているお祓い棒から黒いレーザーが出てくる。それもたくさん。
「厄介だな…」
影は少し気だるそうに頭を搔く。その間に蘭は影の下に迫った。予想外の手に対応しきれず、横腹を少し切られてしまった。
「…ちっ」
影は舌打ちをして蘭をお祓い棒で殴る。蘭も予想外だったようで、少しよろけた。
「力がないから全然聞いてねぇ…」
影は少し引く。それを見かねたある人物が、動いた。
「…おい。お前、やりすぎだ…」
勝が下を向きながら木片を蘭に向ける。
「自分のやってることの重さを知れ!」
勝はそう言いながら蘭に投げつけた。蘭はそれを避ける。だがそれだけじゃ勝の怒りは収まらない。勝はポケットに入ってた鉛筆を刺しに向かう。だが蘭は俊敏な動きで鉛筆の刺し攻撃は空振りした。
「おい!勝!」
影が勝に向かって叫ぶ。
「うるせぇ!俺は…蘭に一撃入れないと気がすまねぇんだ!」
勝は影に向かって言い返す。だが、影が伝えたかったことは違うことだった。
「勝!後ろだ!」
影は勝の後ろを指さす。その時だった。辺りに赤い血が飛び散る。勝の視界の淵は赤く染まった。
「…は?」
一瞬の油断が全てを壊す。それは分かりきったこと。油断してしまった勝は、刺されてしまった…果たして勝はどうなってしまうのか…そして、蘭が暴れ始めたのは何故…?そして、青流にも一つの思いが…
次回 覚醒




