3話 喪失
根子田たちの悲鳴を聞いて、先生や生徒たちが集まってきた。中庭はざわつく。
「おいおい…自殺事件とか冗談じゃねえ…」
「てことは…あの噂って本当なの…?」
「みんな騒がないで!」
騒いでいる生徒たちを先生が止めている。根子田たちは、その間に先生たちに現場から離された。救急車のサイレンの音が辺りに響き渡る。
「…」
恵理は勝の方を見る。勝は涙を流しながら青ざめていた。
そして、3日が経った。1組の教室の中は、いつもより静かだ。
「…なあ。根子田。青流…戻ってくるよな…?」
クラスメイトの雷凰 湊が根子田に聞く。根子田真剣な表情で、
「絶対、戻ってくるよ。」
と湊に返事をした。湊は少し驚いたような表情を見せる。
「暇だしさ、2組行かね?」
湊は根子田と恵理と勝を誘う。
「うん。行こっか。」
根子田は自分の席から立って、湊についていった。それを勝と恵理が追いかける。2組は、1組の右隣の教室だ。湊は2組の教室のドアを開けた。2組の教室の雰囲気も、少し暗い。
「あ、根子田くんたち…いらっしゃい…」
2組のアイドル的存在のアルカシリア・アリスが出迎える。
「アリスも表情が暗いね。どうしたの?」
恵理がアリスに聞く。
「だって…青流くんが…」
アリスは続きを言おうとしたが、途中で止めた。
「お前らくらい話しすんなって!ほら!今日の給食カレーだぞ!」
2組のムードメーカー剛拳 硬屋が場の雰囲気を和ませようとしている。だが、見事に不発した。
「さすがに、この空気を和ますことは難しいんじゃない…?」
2組の生徒である三日月 蘭が剛拳を慰めた。そんな皆を、2組の担任のおしむぎ先生は教卓から見つめていた。すると、おしむぎ先生のスマホが鳴る。
「はい。おしむぎです。…はい。…え!?わかりました。今すぐ向かいます!」
おしむぎ先生が電話を切る。
「誰と電話してたんですか?」
蘭がおしむぎ先生に聞く。
「青流が…目を覚ましたって!」
「…!?」
おしむぎ先生は蘭に興奮気味で答える。皆はおしむぎ先生の言葉に驚いてしまった。
「…それなら俺、謝らなきゃ!」
勝が教室から飛び出す。
「勝!?」
湊たちはそれを追った。そして、病院に着いた。勝は勢いよく青流の病室の扉を開ける。勝は青流に飛びついた。
「…?」
青流はいきなりのことで驚いている。
「ごめん…ごめんな…俺のせいで、こんなことに…」
勝は泣きながら青流に謝る。だが青流はキョトンとした表情を浮かべた。
「…貴方たち、誰ですか?」
「…え?」
青流は目を覚ましたが、頭を強く打った衝撃で記憶を失っていた…
「俺は、お前に申し訳ないことをしたんだよ。」
根子田たちは、青流の記憶を取り戻すため、学校に戻るのであった。
そして、勝の心情も明らかに…?
次回 消失の青と自虐の赤




