第55話~教壊団の動き~
「そう言えば、ぶっ倒れてるリエルフィオと眠らされてる十数人の兵士はどこに引き渡せばいいんだ? まさかコイツらの本拠地に行かせるわけにはいかないだろうし」
「この町にも警備隊あるだろうから、行かせるとしたらそこにじゃない?」
「そうですね。今から私がリュウカイ警備隊を呼びに行ってきますので、30分程お待ちいただければありがたいです」
「了解です。フィンドル、護衛をお願いできる?」
「勿論だ。ほれクルル、行くぞ」
「……分かりました」
ヒューランが警備隊を呼んできてくれると言うので、フィンドルとクルルを護衛に付けて行ってもらった。
「なあ、クアメル。今回あの2人が強すぎて、私たち出番無かったよな」
「まあね。でも、仮にあの2人が苦戦したとしても大丈夫なように備えれたと言う点では良かったと思う」
「それに、私が全く出番無しって事は、怪我人も出なかったって事だから良かったよね!」
「そうですよねローフェ」
今回受けた被害と言えば神殿の床と壁を少し砕いただけ。修復も簡単な上に、人的被害はゼロなので、実質与えられた損害は無いものの、神様を祀る神殿の内部で派手に戦闘をしてしまった。防戦の為とはいえ、もっとやりようがあっただろうと思った。
そんな僕を見てか、アヴィシアが話し掛けてきた。
「水の女神様、悩みごとでしょうか? 我で良ければ相談に乗りましょう。ただ、解決できるかは分かりませんが……」
「うん。いくら防戦の為とはいえ、神様の家とも言える神殿で私たちは暴れてしまったんだ。風の神エレイアは、怒っているだろうかと……」
少しの間沈黙した後、再びアヴィシアが話した。
「本人がどう思っているのかは知りません。ですが、我は怒っていないと思います。自身が祀られている神殿を荒らす愚か者を完膚なきまでに叩きのめしてくれたのですから。信仰は神々にとって大きな力になりますからね。貴女も同様です」
それは確かに言えてる。例えるなら、自分の畑の中の野菜を食い荒らす猪を、猟師が駆除してくれたのと一緒だ。
その後も色々な冒険の話等をする事30分後、フィンドルとクルルがリュウカイ警備隊を連れて戻ってきた。
「……警備隊の皆さん。コイツらが神殿を荒らし回った奴です」
「成る程な。大神官様、本当でしょうか?」
「ええ、事実です。現にこの目で見ました。それにこの人たちは、デゼアラム教壊団と名乗っていました」
「うむ…… それにしても、デゼアラム教壊団が出てくるとはな。かなり面倒な事態になってるな」
「確か、宗教は悪だ! と言って教会襲撃とかやらかす集団でしたっけ?」
「ああ、それ以外にももっとあるぞ。例えば……」
教会襲撃以外にも、他の宗教の信徒を襲撃したり、商人から無理やり金を盗んだり等色々やらかしているらしい。そこまで来ると最早ただの巨大強盗団である。
こうして、教会を襲撃してきた奴らは、クルルが消し飛ばした人以外全員無事に逮捕となった。
~ツコーレ共和国 とある場所にて~
「ふむ。では、今回の襲撃は失敗し、警備隊にイルセン以外全員逮捕されたと言うことか」
「はい。どうやら教会側が腕の立つ冒険者を雇ったようでして、あっという間にやられたようですね。リエルフィオ様が古代召喚魔法を使ったにも関わらずです」
あまりの恐怖に今回の襲撃に参加出来ずに外からこっそり見ていた私が、運良く生き残ったので支部の団長に報告をしていた。
「成る程分かった。これは、我が団体創設以来最大の危機かもしれん。取り敢えず、ルスツカゼ神殿への襲撃はしばらく行わずに、リエルフィオやイルセンを返り討ちにした奴らへの監視に重点を置け。分かったな!」
「はい! 了解です!」
そうして、私たちデゼアラム教壊団ツコーレ支部は一旦教会襲撃を中止して、危険な存在となるであろう6人の冒険者の監視にひとまず集中することになった。
ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m




