第50話~元四天王フィンドルの過去~
だいぶ遅くなりましたm(__)m
王都レティエンの港に小規模帆船で帝国から逃げてきた元帝国軍四天王のフィンドルとクルルを、話し合いの結果冒険の仲間に加えることになった。
「そう言えばお主ら、次の行き先は決まってるのか?」
「いや、決まってないんだなそれが。いつも私たちは行き当たりばったりで旅をしているからな」
「確かに。次の目的地とかこれから決めるところだったからね」
「成る程。それなら、軍事経済圏『フルツライト連合』を構成する国の1つ『ツコーレ共和国』を次の目的地にしても大丈夫か?」
「私たちはそれで全く問題ないと思うけど、ミラたちはどう?」
「問題ないです」
「私も大丈夫だ」
「皆が大丈夫なら良いよ~」
「と言う訳で、ツコーレ共和国で大丈夫だよ」
元々行き当たりばったりで旅をしてきた僕たちに、その頼みを断る理由は1つもないので、了承する。
「おお、済まぬな」
「ところで、これから行く予定のツコーレ共和国ってどんな所なのか教えてくれる?」
僕がそう言うと、フィンドルはその国についての説明を始めた。ツコーレ共和国は、ケレストラ皇国と経済・軍事力で対等になろうと集まった5つの国が作った巨大軍事経済圏のフルツライト連合を構成する国の1つで、あらゆる魔法や召喚・精霊術の使い手である賢者が沢山居る国で『賢者の国』とも呼ばれているらしい。
「成る程ね。と言うことはフィンドルってツコーレ共和国出身なの?」
「いや、私はヒーティルオン帝国出身でな、大賢者になったのもツコーレ最強の伝説級賢者『ヴァルフェ・ラディエルク』が帝国に何らかの用事で長期滞在しに来た時に必死に頼み込んでやっと教えてもらえた結果なんじゃ」
更にフィンドルは続けて話す。
「そんなこんなで訓練を受けること3年、試験を突破して遂に大賢者になり、なおかつ帝国軍四天王になることが出来たからな。それで師匠に報告しようと思って家に戻ったら『ごめんなさいフィンドル。訳あってこの国を離れることになりました』なんて書き置きがあってな、お礼も言えずに別れることになってしまった……」
成る程。そこから帝国で四天王にのしあがり、なおかつ大賢者になれた報告と感謝・ついでに観光をする為に師匠の出身地に行こうとした訳か。
「まあ、今の皇帝になってから民衆をゴミとしか見てない貴族共がのさばるようになるわ、当の皇帝が亜人種差別を民衆に強制するとか、国が腐っていったからチャンスを待って、部下だけでなく私とクルルも国を捨てて逃げてきたから、もう四天王じゃ無くなったしの」
帝国の亜人種差別が酷いのは、ヒーティルオン帝国の現皇帝が差別強制という非人道的な酷い命令をしたからだという。
「……その、何と言うか…… 苦労したんだな」
帝国に対して良い感情を持っていないミラでさえ同情するレベルの凄絶な生活を送ってきたみたいだ。なんだかこれ以上話が続くと雰囲気が更に悪くなってしまうので、話題を変える。
「取り敢えずツコーレ共和国に向かいましょう。えっと…… 行き方は港の人に聞いて見ましょう」
そうして僕たちは港に行き、船乗りの人にツコーレ共和国への行き方を聞いたところ、船で国境近くの港町『スルフル』まで行き、そこから北方向に馬車で6時間、徒歩だと1~2日程で国境に着く。そこを跨げば晴れて目的地に到着するとのこと。
「よし。出発するぞ」
「「「了解!」」」
停泊していたスルフル行きの船に乗り込んで出発する。天候が良かった為、3時間で到着した。
そこから馬車をチャーターし、ツコーレ共和国との国境を目指す。途中でワイバーン数頭の群れと遭遇するも、フィンドルがあっさり撃墜した。さすが大賢者、強いなぁ。と言ったら『これくらいやれなきゃ大賢者を名乗る資格など無い!』と言っていた。
そんな事もあり、予定よりも少し遅れはしたものの、国境に到着する。
「そう言えば今さらなんだけど、フィンドルとクルルってギルドカード持ってる?」
「ああ、勿論じゃ。ルエルフ王国に立ち寄った時にギルドに登録しておいたからの」
「……僕も持っています」
「なら安心だね」
そうして無事に全員で国境を渡り、ツコーレ共和国に入ることに成功した。
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