リカのピンクの部屋と、シルヴィアの不公平なサイズ!
ヒロが夕食の準備をしている間、シルヴィアとリカはソファに並んで座っていた。
リカは興奮を隠せない様子で話し始めた。
「私、海が本当に楽しみなんだ! 小さい頃は、私とヒロと家族でよく一緒に行っていたんだけど……でも、みんなで一緒に行くのはこれが初めてだよね!」
「それは良かったわね」とシルヴィاが言った。
するとリカが尋ねた。
「ミュウキン、どんな水着を着るの?」
シルヴィアはリカを見つめ、「ええっ? 水着? 持ってないわよ」と答えた。
「本当に!? 冗談でしょ?」リカは驚いた。
「冗談じゃないわ」
シルヴィاがそう言うと、リカは彼女の手を強く掴み、そのまま外へと引っ張り出した。
リカは「ヒロ! 私の部屋に行ってくるね! すぐ戻るから!」と大声で叫んだ。
ヒロは「わ、分かった。遅くなるなよ」と応じた。
二人は外に出て、2階へと階段を下りた。ヒロは3階に住んでいるのだ。
リカが自分の部屋のドアを開けると、そこはたくさんのアクセサリーや雑貨で飾られた、とても綺麗で整理整頓された部屋だった。
「いらっしゃい!」とリカが言った。
シルヴィアは靴を脱いで中に入った。オシャレなキッチンを通り抜け、ヒロのテレビよりもさらに大きい大画面テレビがある素敵なリビングへと進む。
シルヴィアの目が輝いた。
(どうして私はリカのところに落ちずに、あのバカのところに落ちちゃったのかしら……)と心の中で呟いた。
その後、二人はリカの寝室に入った。そこはピンク色に包まれた部屋で、たくさんの装飾や有名なアイドルのポスターが貼られており、小さな机の上にはピンクのノートパソコンが置かれていた。そしてベッドの上には、パンダ、茶色いクマ、シロクマの可愛らしいぬいぐるみのセットが並んでいた。
リカはクローゼットを開けると、水着を探しながら服を取り出し始めた。彼女は3着の水着を取り出し、自分の分を1着キープして、残りの2着を差し出した。
「ミュウキン、これ試着してみて!」
「わ、分かったわ……」シルヴィアは少し戸惑いながら答えた。
シルヴィアが服を脱ぎ始めると、その白い肌が現れ、そこへ美しい髪がハラリと流れた。そして、黒い可愛らしい下着に包まれた豊かな胸が露わになる。
リカはミュウキンの胸と自分の胸を交互に見つめ、思わず呟いた。
「そんなの不公平だよ……私だって毎日牛乳を飲んでたのに……」
「何か言った?」シルヴィアが聞き返した。
リカは慌てて笑顔を作り、「ううん、何でもないよ!」と言った。
シルヴィアは1着目の水着を試着してみた。それは柄物のビキニだった。着てみようとしたものの、胸のあたりがキツすぎた。生地が破れてしまう前に、彼女は急いでそれを脱いだ。
リカは、自分のサイズにぴったりだったその水着がシルヴィアには小さすぎたため、少し恥ずかしく(複雑な気持ちに)なった。リカは自分の胸に手を当て、小さな声で呟いた。
(ヒロは……小さい胸の方が好きなのかなぁ……?)
シルヴィアが2着目を試着している間、それもやはりキツかった。
シルヴィアはため息をつき、「ごめんなさい、問題は私の方にあるみたいね……」と言った。
「違う、違う、違う!」リカは首を振った。
リカがスマートフォンで時間を確認すると、時刻は午後4時を回っていた。
「近くに水着屋さんがあるの。まだ開いているかもしれないから、急いで服を着て!」
シルヴィアは急いで服を着直し、二人は店に向かって猛ダッシュした。
二人が店に向かって走っている最中、ヒロから電話がかかってきた。
リカは走りながら電話に出て、「私たち、少し遅くなるから!」と言った。
「ええっ? でもどうして? もうすぐ夕食ができるぞ」とヒロ。
「とにかく待ってて!」リカはそう言い放ち、一方的に通話を切った。
激しく走った後、二人は疲れ果てて歩きに切り替えた。
店に到着した時、ちょうど閉店時間を迎えるところだったが、店主の女性が二人に気づき、リカが必死に懇願したため、再び店を開けてくれた。
二人は中に入り、たくさんの種類の水着に囲まれた。
シルヴィアは周囲を見渡し、(どれが私に似合うかしら……)と考え、それから心の中でこう呟いた。
(……誰が、ヒロに気に入られるかなんて……。べ、別にあの人の意見なんて気にしてないし、そういうのじゃないわ。ただ、お礼がしたいだけ。そう、それだけよ……)
シルヴィアの顔が赤くなった。
「ちょっと、ミュウキン、どうしたの?」リカが声をかけた。
「何でもないわ」シルヴィアは慌てて答え、店内を歩き回り始めた。
その時、黒を基調に少し紫色の入ったセパレートのビキニが目に留まった。シルヴィアはその水着をじっと見つめ、「これがいいわ」と言った。
店員が彼女にそれを手渡し、シルヴィアは試着室に入って着替えた。
試着室から出てきてリカに姿を見せると、リカはそのあまりの美しさに、あんぐりと口を開けて固まってしまった。
リカは心の中で叫んだ。
(ヤバい、ヤバいよ……! もしヒロがこれを見たら、絶対に一発で恋に落ちちゃう……!!)
シルヴィアは少し不安そうに、「……変かしら?」と尋ねた。
リカは焦って「あ、うん! あんまり似合ってないかも……」と言ってしまった。
すると、そこへ店員が割って入った。
「お嬢さん、冗談でしょう? もの凄くお似合いですよ! 絶対にお勧めです。彼氏さんもイチコロ、間違いなしですわ!」
その言葉に、二人の顔が真っ赤に染まった。
シルヴィアは「か、彼氏なんていないわよ!」と言い、リカは心の中で(余計なこと言わないでよ、このおばさん!)と毒づいた。
結局、シルヴィアはその水着を購入した。
帰り道、リカとシルヴィアが並んで歩いている間、リカは心の中で(もう終わりだぁ……ヒロは絶対にミュウキンを好きになっちゃうよ)と落ち込んでいた。しかし、ふと隣のミュウキンに目をやると、彼女は水着の袋を大事そうに抱えて、本当に嬉しそうな顔をしていた。
それを見たリカは思わず微笑み、(私、何を考えてるんだろう……)と我に返った。
リカはミュウキンに歩み寄り、「ねえ、ヒロは何を作ってくれたと思う?」と聞いた。
シルヴィアは袋を抱え直しながら、「美味しいものであることを願うわね」と答え、二人は顔を見合わせて笑った。
その時、リカはあることを思い出し、「あ、ミュウキン。ちょっと変な質問をしてもいい?」と言った。
シルヴィアは彼女の方を向いた。
リカは少し声を潜めて尋ねた。
「あのね……ミュウキンって、タトゥーが好きなの?」
「えっ、何のこと?」シルヴィアは聞き返した。
「うんとね、さっき着替えている時、首の後ろにタトゥーが見えたんだよね」
その瞬間、シルヴィアは恐怖のあまり飛び上がり、その場に足を止めた。
「あ、あれは……ただの……その、そうよ! ただのタトゥーよ! ドラゴンが好きなの、私ドラゴンが好きだから!」シルヴィアは必死に言い訳をした。
リカは納得したように微笑み、「そっか、分かった! ミュウキンにすごく似合ってて、かっこいいよ!」と言った。




