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その果実が堕ちる前に:乙女たちへの賛歌 ~享年92歳のおばあちゃまの幼女の姿で異世界転生、ツインレイの王女を救う~  作者: 茄珠みしろ
第六章 拝啓 なりそこない様

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春のお茶会での喜劇⑥

挿絵(By みてみん)

 しばらくして、着替えを終えた第二王子が戻ってくると、先ほど手を振り払われたことを忘れたのか、オイドクシ公爵令嬢がすぐさま駆け寄りました。

 第二王子自身も、先ほどのことは忘れたのか好きにさせ、今度は席に座ってお茶をしたいとねだられれば、すぐに二人で席に着きました。

 けれど、そこに先ほどオイドクシ公爵令嬢に文句を言っていた二人の令嬢も参加したいと言い出し、あからさまに嫌がる表情を浮かべるオイドクシ公爵令嬢とは違い、第二王子は「好きにしろ」と同じテーブルにつくことを許しています。

 それが本日最大の喜劇の始まりとなるとは、本人たちは予想していなかったのかもしれません。

 私とフロリアナは周囲にそっと目配せをし、私たちも給仕に食事とお茶を用意させて、第二王子たちから二席ほど離れたテーブルに、アンディア様とパパラチャ侯爵令嬢と一緒に着席しました。

 4人で和やかに会話をしながら、私たちは第二王子のテーブルの会話にも耳を傾けます。


 オイドクシ公爵令嬢は第二王子とまたどこかに出かけたいと話し、二人の令嬢が安全の問題からやめるべきだと、まっとうなことを言っても嫉妬しているとオイドクシ公爵令嬢は笑います。

 第二王子もまた、重陽の節句の時になにもなかったからか、考えすぎだと鼻で笑い「たまに平民の暮らしを見るのも悪くない」と言い出しています。

 重陽の節句の時は、第一王子とフロリアナがお忍びで祭りを見物するため、事前に警備が強化され、なにが起きてもいいように人員が配置されていました。

 自由に行動しているように見えて、ウルフェナイト小公爵がさりげなく安全な場所に誘導していたのです。

 アンディア様も知っていたのでしょうし、私も二人が誘導していることは気づきつつも、何も言いませんでした。

 フロリアナが楽しそうにしていましたので、水を差すのはもったいなかったですから。

 けれど、第二王子はそのようなことも知らず、平民の住む場所は危険がない(・・・・・)と思ったようです。

 そんなわけないのに、一度の成功体験で誤解してしまったのでしょうね。


「でもしばらくはお祭りってないですよねぇ。……あっ! 今度あたしの家に来てくださいよ! 二人っきりでお茶をしましょう?」

「ふむ……オイドクシ公爵家か」


 第二王子はそれも面白いと思ったのか、乗り気なようで声が弾んでいます。

 王族が簡単に他家に貴族家に出かけるというのは、あまりないのですが、フロリアナが我が家にたまに来るため勘違いしているのでしょうか?

 タンザナイト公爵家とオイドクシ公爵家では、警備の質もお客様へのもてなしの質も、随分と差があると思いますが、第二王子とオイドクシ公爵令嬢は気づいているのでしょうか?


「あら、オイドクシ公爵家でのお茶会ですか? それしたら、やっとオイドクシ公爵令嬢が社交界デビューなさったのですから、他の方々もご招待して大々的になさってはいかがでしょうか?」

「賛成です。ぜひとも、オイドクシ公爵令嬢の手腕を見せていただきたいですね」


 失敗前提どころか、失敗させる気満々の二人の言葉に気づかす、褒められていると思ったのか、オイドクシ公爵令嬢は「それもいいですねぇ」とにっこりと笑みを浮かべています。


「意地悪な方々ですわね」


 フロリアナが無表情に、第二王子たちが座る方を見ずにぽつりと言いました。

 その声にどこか疲れが滲んでいるように思え、私はテーブルの下でフロリアナの手を握りました。

 すぐにフロリアナは、ふっと力を抜き、「気が合う方々と思っていたのですが、条件(・・)が違うとこんなにも変わってしまいますのね」と無表情を維持したまま、冷たく言い放ちました。

 フロリアナの話では、オイドクシ公爵令嬢を挑発している二人のご令嬢は、幾度もあったループの中で、とても仲のいい三人として過ごしていたと、このあとに教えられ、なるほどと思いました。

 もっと年齢を重ねれば家格や立場などももっと考慮できたでしょうが、子供ゆえにそこまで考えが及ばないのか、純粋に所詮は男爵家あがりの成り上がりと思っているのか……。

 とにかく、まだ上手な立ち回りができないようですね。

 そのまま、私たちが表面上穏やかに話を続けていると、カツンと足音を響かせて、オイドクシ公爵令嬢が私たちのテーブルに近づいてきました。

 当然私たちの会話は止まり、周囲のテーブルの会話も途切れこちらに注目が集まりました。

 静かな、けれどもどこかざわつきを含んだ空気の中、オイドクシ公爵令嬢がくちをひらきます。


「今度あたしの家でお茶会をしますからぁ、二人も出席してくださいねぇ」


 断られるとは思っていない、決定事項を継げるような声でした。

 この方は、私たち母子がオイドクシ公爵家と交わしている契約を理解していないのでしょうか?

 理解していてもしていなくても、私の答えは一つです。


「お断りいたします」


 にっこりと、そこに悪意の1つも見えない笑みで、私はあっさりとオイドクシ公爵令嬢の誘いを断りました。


よろしければ、感想やブックマーク、★の評価をお願いします。m(_ _)m

こんな展開が見たい、こんなキャラが見たい、ここが気になる、表現がおかしい・誤字等々もお待ちしております。


あ、この作品のPVあります。

見ていただけるとヒャッホーーーーーーーーーイって飛び上がった末の感謝の土下座をします(イマジナリーで!)


↓ こちらです。楽曲もオリジナルです!歌詞頑張りました!

https://youtu.be/lGgzV-qP2d4?si=qfMnJDU_K_SPcavB


↓ 曲 2バージョンあります(歌詞は同じです)

https://youtu.be/0_eG4LgSRxc?si=sVh6MfslAAvzeO6r

https://youtu.be/6nR6zqxGNPY?si=SRqlyHR7kBCSOvNL

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言葉を選んで言いますが「コイツ、頭の中に虫わいてるんじゃないの?」と……(選んでコレ
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