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その果実が堕ちる前に:乙女たちへの賛歌 ~享年92歳のおばあちゃまの幼女の姿で異世界転生、ツインレイの王女を救う~  作者: 茄珠みしろ
第六章 拝啓 なりそこない様

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春のお茶会での喜劇④ アウリティア視点

挿絵(By みてみん)

(なにあれ!)


 ルベニウスに手を振りほどかれて、びっくりしている間に逃げられたせいで、あたしは知らない女どもに責められる羽目になった。

 丁寧な言葉みたいだけど、回りくどくあたしはルベニウスにふさわしくないとか、マナーがなってないのによく参加できたものだとか、とにかくねちっこくうだうだうだうだ……。

 あーあ、ひがみ女ってこれだから嫌なのよ。

 さっさと行動しなかった自分たちが悪いのに、あたしのせいとか言わないで欲しいわ。


「あたしとルベニウス様ってぇ、仲良しなんですよぉ」

「デビューもしていない子供(・・)が、わがままに付き合っていただいただけでしょう」

「そうよそうよ、第二王子殿下のお優しさを誤解なさらないで!」


 あー、もうマジウザイ。

 もう無視して目に入った美味しそうなケーキに手を伸ばすと、「まぁ!」と文句を言ってきている二人が声を上げた。

 そういえば、給仕ってのにいいつけるんだっけ?

 面倒よねぇ。バイキングだって自分で選んで取るんだし、いいじゃない。


(ん~、このミニケーキおいし~! さっすが王宮ねぇ)


 あたしは甘いお菓子が大好き!

 甘酸っぱいのも大好き! とにかく甘くておいしいもの、あたしのストレスと甘く溶かしてくれる、そんなお菓子が大好き!

 前世では最後の方はそういうものもほとんど食べられなくなって、コンビニスイーツでがまんしてたけど、やっぱりこうでなくちゃねぇ!


(はぁ、幸せぇ)


 この場にルベニウスがいて、一緒に甘いものを食べる幸せを共有できれば最高なのに、あたしの腕を振り払うとか、まじで最悪。

 汚いってさぁ、言いかた悪すぎでしょ。

 そりゃぁ、あたしだって泥とかついた手でドレスを掴まれたら、ぶん殴りたくなるけどさぁ、あたしはマカロンとカップケーキを掴んでただけで、汚れてないってーの!


「聞いていらっしゃるの!?」


 令嬢が声を上げたところで、あたしは「うっさいなぁ」と思わず声に出した。


「なぁ!? あなた……」


 あたしの言葉に絶句した令嬢に、ちょっとだけしまったと思ったけど、まぁいいか。


「人が楽しく食事をしてるのに、邪魔するなんてそれこそマナー違反じゃないですかぁ?」

「あなた……あなたはっ!」


 顔を真っ赤にしてる令嬢がおかしくて、あたしは思わず「プッ」と噴き出しちゃった。


「あたしはオイドクシ公爵家の一人娘ですけど? あたしのマナーを指摘してくる貴方達って、どこの家の人ですかぁ?」


 二人はそれぞれ何とか侯爵家とか、伯爵家のとかいってるけど、格下の家じゃん。


「……挨拶もろくにできないで、何が公爵令嬢ですかっ」


 苦し紛れなのか、そう言ってくる令嬢に、あたしはわざとらしく声を上げて笑ってから、マナーで習った通りにスカートをつまんで頭を下げた。

 ほら、完璧でしょ?


「オイドクシ公爵家の一人娘、アウリティア=オイドクシでぇす。どうかよろしくお願いしますねぇ」


 にんまりと、笑って頭をあげる。格の違いってのをわきまえなさいよ?

 あたしが挨拶をしたからなのか、二人も挨拶をしてくるけど、さっき家名を聞いたっての。

 あーあ、貴族って本当にめんどう。


「ごきげんよう、少々よろしくて?」

「あ?」


 不意に声を掛けられて振り向けば、あたしよりもきれいでかわいいドレスを着た令嬢がいた。

 そして教育係が褒めそうな綺麗な礼をしてから自分の名前を名乗った。


「私はパパラチャ侯爵家の娘、ウェリププラ=アビアス=パパラチャと申します」

「……アウリティア=オイドクシよ」


 格下なら、名乗るだけでいいわね。

 あたしが名乗ったことに満足したのか、ウェリププラはにっこりと微笑み、「私、嬉しく思っておりますの」と心の底から嬉しそうな声でそう言った。


「は?」

「あら、ご存じありませんの? 私は第二王子殿下の婚約者候補ですの」

「はぁ!?」


 そんなの聞いてないんだけど?

 っていうかそんな存在いなかったじゃない! こんなバグいらないんだけど!?

 睨みつけるあたしを気にせず、ウェリププラは続ける。


「けれど、お二人が噂通りの恋人なのでしたら、爵位的にも問題ありませんし、私との婚約話は不要と判断されるでしょう」

「……それもそうね」


 悪役令嬢がざまぁをする世界なのに、別の悪役令嬢が登場するのかと思ってびっくりしたじゃない。


「私、このあと早速今回の話を共有させていただきますわ」

「そうしてくれる? あたしとルベニウス様の仲をくれぐれも邪魔しないでね」

「ええ、もちろんでしてよ」


 そう言ってウェリププラはあたしの前から離れて、ヴィヴィアナとフロリアナの方に歩いて行った。

 脇役女と原作のヒロイン……。

 なんでこんなに早くフロリアナが社交デビューしてるのかわかんないし、ヴィヴィアナが誘拐されてないのかもわからない。


(でもざ~んね~ん)


 この世界はあたしが主人公の小説(同人作品)なのよ。

 だから、最後に勝つのはこのあたしなの。


よろしければ、感想やブックマーク、★の評価をお願いします。m(_ _)m

こんな展開が見たい、こんなキャラが見たい、ここが気になる、表現がおかしい・誤字等々もお待ちしております。


あ、この作品のPVあります。

見ていただけるとヒャッホーーーーーーーーーイって飛び上がった末の感謝の土下座をします(イマジナリーで!)


↓ こちらです。楽曲もオリジナルです!歌詞頑張りました!

https://youtu.be/lGgzV-qP2d4?si=qfMnJDU_K_SPcavB


↓ 曲 2バージョンあります(歌詞は同じです)

https://youtu.be/0_eG4LgSRxc?si=sVh6MfslAAvzeO6r

https://youtu.be/6nR6zqxGNPY?si=SRqlyHR7kBCSOvNL

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