表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
72/74

番外編 七夕の節句 二人の願い

七夕なので、今回は七夕の節句のあとの二人のお茶会というか、七夕飾り作成の風景とかです。

着替えてないのでまだこの格好です。(画像参照)

挿絵(By みてみん)

「七夕の願い事でして?」


 七夕の節句のあと、前世では七夕に笹飾りを作り、願い事を短冊に書くと伝えれば、フロリアナは興味深そうに「してみたいですわ」と微笑みました。

 けれど、色紙などこの国にはありませんので、シンプルに白い紙で飾りを作っていきます。

 最初は不思議そうに見ていたフロリアナですが、出来上がっていく飾りに、「魔法ですの?」と驚き、そして目を輝かせて真似をして自分も作っていきます。

 毎年作っていたので、私の手にはなじんだ作業でしたが、恐る恐る作っていくフロリアナの手つきは、どこかひ孫を思い出してしまいますね。

 けれど、笹はないので何に飾りましょう?

 それにさすがにくす玉は簡単に作れませんものね。


「ヴィア!?」

「はい?」


 懐かしく思いながら折り鶴を持っていると、フロリアナが信じられないものを見ているように、目を大きくして私の手元を見ています。

 驚かれたことを不思議に思い、私はフロリアナを見返し、首をかしげました。


「やはり魔法を使っておりますの? 先ほどまで四角い紙でしたのに、鳥のようになっておりますわ!」

「…………ああ、なるほど」


 前世でも海外の方は驚くという番組を見たことがありますね。

 確かに、折り紙は人によっては魔法のように形を変えるものを作成し、日本人でも驚くことがありましたよね。

 少しフロリアナの気持ちがわかると思いつつ、フロリアナに丁寧に折り鶴の折り方を教えました。

 ゆっくり丁寧に作るフロリアナの手つきですが、しっかりと紙を折り合わせていきます。

 丁寧な作業で、ずれもほとんどありませんね。

 作る速度はまだ遅いですが、出来上がったものは綺麗な折り鶴でした。

 侍女に針と糸を持ってきてもらい、私とフロリアナが作った折り鶴を繋いでいきます。

 笹に似た植物が思い浮かばないので、私は棒を持ってきてもらい、そこに出来上がった飾りを二人でつるしていきました。

 そして、肝心の短冊ですが、それぞれ願い事を書くことにしました。

 いくつ願い事をするかとフロリアナに聞いた時、「わたくしの願い事は、ひとつだけですわ」と微笑まれました。

 それならと言って、お互いに短冊に願い事を書きます。

 並べて飾ったそれに書かれたものを見て、私とフロリアナは顔を見合わせてクスリと笑いました。


「最期までヴィアといっしょに逝くことができますように」

「最後までフィリーといっしょに生くことができますように」


 音は同じでも字が違う願い事。

 その意味はどこか違うけれども、お互いにその願いの行きつく場所は同じ。


「「どこまでも、いっしょに……」」


 手を繋いで二人で窓から空を眺めれば、いくつもの流星がありました。

 降り注ぐ星々はきっと街の人々も驚いて空を見上げているかもしれません。

 天の川こそこの世界にないかもしれませんが、これはこれで趣がありますね。


「フィリー」

「なにをでして?」

「流れ星に願い事をすると、叶うというおまじないが、前世にはありました」


 そういって私が「ふふ」と笑えば、フロリアナもにっこりと微笑みます。


「では、一緒に……」

「ええ、一緒に」


 どちらともなく向き合って額を合わせ、手を取り合います。


「「さいごまでいっしょにいきましょう」」


 私たちの最初の決め事。

 どこまでも、いつまでも……さいしょからさいごまで……。


「「共に……」」




■ ■ ■




「願い事ねぇ……」


 窓から空を見上げる二人を眺めて、思わずサービスをしちゃったけど、たまにはいいかな。

 それに、結局は空に映し出した魔法。

 気づく人はいないだろう。


「本物の流れ星じゃないから、効果はないけど……きっと君たちは何をしてでも叶えるんだろうね」


 ある意味怖いな、と思いつつ笑えば、背後に控えていた教皇まで笑った気配がした。


「なに?」

「いえ、アストリアン様がそのようになにかに興味を示すなど、初めて見たもので」


 姿まで変えて、と言外に伝えてくる教皇に「別に」とそっけなく返しながら、映し出していた映像を消して馬車の中から空を見上げる。

 自分が作り出したいくつもの流星はまだ続いていて、道に出ている人々が歓声を上げているのが聞こえる。


「…………面白いじゃないか」

「なるほど?」


 にやりと笑って言った僕に、教皇は「本当に珍しい」と笑う。

 僕がこの星の守護者であることを知っているのは、教団の中でも極わずか。

 でも、この教皇は見習いの時に僕を見た瞬間、擬態していたのに人ならざる者であり、異なる常識の中で生きているのだと察したという。

 だから、昔からひいきにした。

 最年少で教皇まで上り詰めたこの男は、まだ二十代後半だったか?

 だが、教団は実力主義。

 後ろ暗い事はあっても、不正があれば()が許さない。


「彼女たちに、神のご加護がありますように」


 わざとらしくにっこりと笑って口にした教皇に、「生意気」と口にしつつ、少なくともヴィヴィアナには呆れるほどに神々の加護があると心の中で思う。


(あの独占欲というか執着が、いずれヴィヴィアナの負担にならなければいいけど……)


よろしければ、感想やブックマーク、★の評価をお願いします。m(_ _)m

こんな展開が見たい、こんなキャラが見たい、ここが気になる、表現がおかしい・誤字等々もお待ちしております。


あ、この作品のPVあります。

見ていただけるとヒャッホーーーーーーーーーイって飛び上がった末の感謝の土下座をします(イマジナリーで!)


↓ こちらです。楽曲もオリジナルです!歌詞頑張りました!

https://youtu.be/lGgzV-qP2d4?si=qfMnJDU_K_SPcavB


↓ 曲 2バージョンあります(歌詞は同じです)

https://youtu.be/0_eG4LgSRxc?si=sVh6MfslAAvzeO6r

https://youtu.be/6nR6zqxGNPY?si=SRqlyHR7kBCSOvNL

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ